焼き物

陶房の風景(16)

24年間焼き物作りをしていた陶房を引き払うことに決め、先日、窯を売却しました。 長年の相棒であった窯とのお別れです。 新緑の中に吊り上がった重さ400㎏の窯。 昼夜を共にしただけに少し寂しい気持ちです。 この日は、陶房の庭の山桜は見頃でした。澄ん…

ひな祭り

今日は「ひな祭り」です。 黒須田川の桃の木もやっとほころび始めました。お花屋さんで売られている桃の花は、この日に合わせて「ムロ」などで調整して咲かせているそうです。自生の桃の花が満開になるには、3月末から4月になるのでしょう。 散歩中、出逢…

土とかたれば

先日、作品作りに工房に行って来ました。 今年は、新型コロナの影響で自粛していましたので、工房に行く機会が少なくなりました。 庭の山もみじの紅葉も、ゆっくりと眺めないうちに散ってしまいました。散った葉が美しい草紅葉のようになっていました。 枝に…

自然釉

先日、2005年1月22日に公開された映画『火火』を観賞する機会がありました。 5年ほど前に『母さん 子守歌うたって~寸越窯・いのちの記録』那須田稔・岸川悦子著(ひくまの出版)という本を読み、是非観たかった映画でした。しかし、この映画を観る…

蕎麦猪口

梅雨の季節は蒸し暑く、食欲も鈍りがちになります。この時期には、蕎麦やうどんなど、のど越しがよいものを食べたくなります。 先日の父の日に、息子夫婦から「信州そば」を頂きました。 * 蕎麦は、全国各地に有名な蕎麦がたくさんあります。その中の「信州…

JOMON(2)

6月18日は「考古学出発の日」です。 アメリカの動物学者・エドワード・S・モースによって「大森貝塚」が発見された日を記念して制定されました。 JR大森駅の近くの線路沿いに「大森貝墟」、300mほど離れたところに「大森貝塚」の2つの記念碑がありま…

登り窯2020(3)

先日、笠間市・奥田製陶所の登り窯の窯出しに行ってきました。 前日の真冬のような寒さから一転、暖かい日となりました。裏山の竹林にはタケノコが顔を出し、鶯の囀りが聴こえました。 3日間の焼成は、順調だったようです。最高温度は1350℃まで上がりました…

登り窯2020(2)

新型コロナウイルスの影響で、いろいろなイベントなどが中止されています。 今年の「登り窯まつり」も中止されました。 しかし、今回はイベントではなく奥田製陶所として、毎年、行れている登り窯制作の一つとして行われます。そのため幟旗や看板も無く、関…

土雛

今日は「桃の節句」です。 散歩道を少し遠回りして「元石川・花桃の丘」の桃の花を見てきました。 3月中旬からが見ごろとなりますが、まだ2~3分咲きでした。 世代交代なのでしょうか、樹木が伐採されたり、新しい木に植え替えたりして風景も変わりつつあ…

登り窯まつり2020(1)

3月6日から笠間市の奥田製陶所で、恒例の「登り窯まつり」が開かれます。今年で11回となります。 私は「登り窯まつり」には、2008年(第2回)から作品を焼成してもらっています。今年で10回目となります。 この耳付き花入れは、最初に焼成した作品…

色見穴

今年、最後の本焼きとなりました。 年5~6回は行っていたのですが、この2~3年は回数が減って来ました。 しかし本焼きの日は「緊張感」と「楽しみ」と「夢」が、ごっちゃ混ぜになっています。 この窯とは、1999年から使用しており、本焼きは79回目…

WORKSHOP(3)

暑さも少し和らぎ始めましたが、今日も横浜は32℃でした。 横浜美術館の前の噴水では、子供たちが水遊びをしていました。 「原三渓の美術」展は、今日が最終日ですが、チケット売り場には行列が出来ていました。 * 8月3日から制作してきた作品が完成しまし…

WORKSHOP(2)

素焼きが終ったので、釉掛けをしました。 まず「志野茶碗」から 素焼き後、重さは20%ほど軽くなり520gとなりました。やや重い感じです。 絵付けをしないで、無地のまま志野釉を掛けました。志野釉は、瀬戸先生が調合したものを使用しました。 * 次に「…

WORKSHOP(1)

横浜美術館は30周年を記念して、7月13日から、原三渓生誕150年・没後80年記念の『原三渓の美術~伝説の大コレクション~ 』展を開催しています。 この展覧会に関連したワークショップも行われており、先日参加しました。 テーマは『抹茶茶碗創作~志野と黒織…

登り窯まつり(3)

笠間の森も やっと暖かくなり、鶯の鳴き声が聞こえて来るようになりました。 桜の蕾も膨らんでいます。 先日、行われた「登り窯まつり」の窯出しに行って来ました。 閉じた焚き口を開く時は、いつも緊張するものですが、今回は、もう窯は開かれていました。 …

登り窯まつり(2)

3月8日から笠間市の奥田製陶所で「登り窯まつり」が始まりました。 奥田製陶所の登り窯(仕法窯)は、旧笠間藩の伝統のある窯です。 3日かけて窯詰めが終わり、火が入るのを待っている胴木間です。 正面には、今年の干支である大きな猪が置かれました。 …

三角座標

陶芸メッセ・益子陶芸美術館 開催中の『A la table~益子と笠間のうつわの饗宴~』展を見てきました。 益子と笠間の若者56名と全国で活躍する7名の作品が展示されていました。 優美な曲線、精巧な造形に清楚な色彩で、モダンなスタイルの器物が目立ちまし…

登り窯まつり(1)

平成最後の「登り窯まつり」が 3月8日から笠間市の奥田製陶所で行われます。 今回が9回目になります。 昨日、焼成用の薪割りのお手伝いに 行って来ました。 割った木が白いのは、まだ十分に 乾燥していないためです。 本番当日までには乾燥します。 今は…

本焼き

「本焼き」の回数が、私の年齢を超え78回目になりました。 焼成の回数が増えると共に、窯は老朽化して来ましたが、 良く頑張ってくれています。 今回が、今年2回目の「本焼き」です。 3日前に「素焼き」を終えた作品を窯に詰めました。 使用した釉薬は、…

湖東焼

昨年の世田谷の「ボロ市」で赤絵金彩の小皿(12cm)を購入しました。 牛を引く牛飼いの顔と躍動感のある牛。 この精緻な絵に魅かれて買いました。 残念ながら口縁が欠けているので「金継ぎ」をしました。 赤絵に金文字で 馬者歩速雖 有躓 牛者歩遅雖 無…

テラコッタ

先日、「神奈川いまむかしガイドの会」主催の、 「神奈川歴史散歩」に行って来ました。 行先は、横浜市中区・関内の西洋建築を巡り、 文化とその様式美を探る歴史散歩です。 関内には、昭和初期に建てられた古典様式の銀行、教会、歴史建造物が たくさんあり…

金継ぎ(3)

約3ケ月に渡り「金継ぎ技法」の、ひと通りの作業工程を学びました。 実際に作業した日より、乾燥に日数がかかりました。「金継ぎ」は、漆工芸の世界では、まだまだ入口です。 今まで身近にある漆器について漠然とした知識でしたが、 改めて漆のもつ特性や先…

金継ぎ(2)

只今!!「金継ぎ」に取り組んでいます。 小皿の「縁の欠け」の金継ぎについて これまでの作業の手順を整理してみました。(1)欠けた部分を清掃して、コクソ漆を塗る (2)コクソ漆をカッターで削り整える(2週間後) (3)耐水ペーパーで擦り、滑らか…

かわらけ

昨日、台風5号が去り、梅雨の晴れ間に 地元にある茅ヶ崎城址に行って来ました。 茅ヶ崎城は、14世紀末から15世紀前半に築城され 「空堀」「廓」「土塁」などが良好な状態で残されている中世の城郭遺跡です。 『茅ヶ崎城』埋蔵文化センター(2000年3月31…

台形土器

先日、かながわ県民センターで開かれた「考古学講座」に行って来ました。 テーマは『台形土器と縄文土器づくりのムラ』です。 縄文土器と言えば「火焔土器」が、よく知られていますが、 「台形土器」については、あまり知られていません。 当日、会場に展示…

金継ぎ(1)

今回「金継ぎ」をしたい作品は4点です。 初回の作業は「麦漆」で欠け、ひび割れ、剥がれの部分を補修しました。 生漆の扱いは、始めてなので少し緊張しました。 白化粧した抹茶茶碗(釉薬の剥がれ) 鉄絵の盃(縁の欠け) 湖東焼の赤絵小皿(縁の欠け) 青…

唐桟縞

今日、カルチャースクールの「金継ぎ」講座を受けました。 金継ぎの歴史は 室町時代に蒔絵師が茶の湯で使う茶碗などを 修復し始めたことから生まれたと言われています。 最近は、国内外でも注目されブームとなっており、 芸術的な価値が見い出されています。…

窯出し

恒例の「登り窯まつり」の窯出しに行って来ました。 今回は、本焼きのお手伝いが出来ず、窯出しだけの参加となりました。 焼き上がりは、大変に良かったようです。 焚口に集まる、みんなの眼・・・何とも言えない緊張感が漂います・・・。 胴木間 捨て間 1…

東日本大震災から7年目。 この仕法窯が修復されて5回目の焼成になります。 3月9日から11日かけて「笠間・奥田製陶所」で 「第9回登り窯まつり」が開かれます。 その準備の一つ、薪割作業のお手伝いに行ってきました。 現在は、電動式の薪割機がありま…

畑土

先日、工房の近くの高速道路が一部完成して 開通記念のプレイベントがありました。 その真新しい道路を、春陽を浴びて往復4kmほど ウォーキングしてきました。 この道路は、関東平野の北東の海岸線近くにあり、大きな山もなく、 平地の田畑の中を走ってい…