登り窯2020(3)

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 先日、笠間市・奥田製陶所の登り窯の窯出しに行ってきました。

 前日の真冬のような寒さから一転、暖かい日となりました。裏山の竹林にはタケノコが顔を出し、鶯の囀りが聴こえました。

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 3日間の焼成は、順調だったようです。最高温度は1350℃まで上がりました。

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 「胴木間」の内部

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 「捨て間」の内部

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 「1の間」の内部

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「2の間」の内部

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 「3の間」の内部

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 一番気になるのが、自分の作品。それぞれの審美眼での評価に・・話は尽きません。

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「灰被り」は、薪の焔と灰が創る「表情」や「景色」で、その緋色とガラス化された灰の流れは、人智では及ばない表現の世界です。しかし作品意図と経験によって薪の種類、焔の流れ、灰の被り方などを考慮して置かれます。

 私の作品は、すべて「灰被り」で焼成しました。

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 盆の灰いろは書く子の夜寒哉
          一茶『八番日記』
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『灰の文化誌』小泉武夫著(Libro発行・1984年12月刊)には、灰について食生活、社会、風俗、宗教、芸術、自然界などにわたって興味のある話題が紹介されています。

 「文学と灰」の章では、世界の各国の灰にまつわる、お伽噺や童話が紹介されています。

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 日本では古くから「灰」について、いろいろと語られて来ています。童話の世界では『花咲爺さん』が良く知られています。また海外ではグリム童話『シンデレラ物語』です。 

 「シンデレラ」は、キラキラ輝いた美しいお姫様となったイメージがありますが、シンデレラという名前は、家事や暖炉の掃除で灰まみれになっている姿を見て、意地悪な継母からつけられた「あだ名」です。シンデレラの本名は「エラ」と言います。つまりcinders(灰)とElla(エラ)とをつなげて「cinderella」と呼んだのです。

 「シンデレラ」は「灰にまみれになったエラ」となりますが、子供たちの世界では、美しいお姫様の名前であって欲しいと思います。

 日本にも、この『シンデレラ物語』の話に似た、風呂焚き男を主人公とする『灰坊太郎』という昔噺があるそうです。

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 私のシンデレラ? 

 灰を被った花入れは、こんな灰を被っていました。

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 焼締瓢形耳付花入 高さ:26.0cm

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