土とかたれば

 先日、作品作りに工房に行って来ました。

 今年は、新型コロナの影響で自粛していましたので、工房に行く機会が少なくなりました。

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 庭の山もみじの紅葉も、ゆっくりと眺めないうちに散ってしまいました。散った葉が美しい草紅葉のようになっていました。

 枝には散り残った葉が、チラホラと・・

  二つ三つ赤い木の葉のあら寒き

          一茶『七番日記』

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 今、庭の主役となっているのが、万両の赤い実です。今年は元気で赤い色が冴えているように思います。この実をよく食べに来るのは「ヒヨドリ」です。

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 万両の傍にある朝鮮唐津の花入れは、ヒヨドリ水飲み場です。この日は飛来しませんでした。

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 今回は、これまでの成形などで出た屑粘土を集めて、新しく調整し直して成形しました。

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  今来たと土にかたればちる木の葉

           一茶『七番日記』

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 始めてくり抜きの方法で、叩き文四方壺を作りました。

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 久しぶりに土の感触を味わいながら・・こんな形になりました。

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 いつも作業が終わる頃は・・いろいろな雲が工房を包んでくれます。

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 雄大な雲の動きに吸い込まれそう・・

 工房から眺めた、昨年の夏(8月下旬)の夕焼け空です。黄金の輝きと多彩な色が織りなす自然の神秘な世界です。

  今回は・・柔らかい雲が、寒く淋しい冬の顔を見せてくれました。

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  夕暮や土とかたればちる木の葉

           一茶『七番日記』

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 工房の外は零下・・屋外の蛇口は、水の出が悪くなりました。冬の時期は、ここで作業は終わりです。 

  井戸にさへ錠のかかりし寒さ哉

           一茶『享和句帖』

 冬至は過ぎましたが、こんな日には、暖かいゆず湯に入りたいですね。

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