2016-01-01から1年間の記事一覧

臘月

「 なかなかに心をかしき臘月かな 」 という芭蕉の句があります。「臘月」とは、12月の別名で、師走とも言われます。 師走となるとなんとなく慌しさを感じますが、また風情もあります。 今年、最後の作品は、鉾田の原土を水簸せず、生掛けで焼いてみました…

唐梅

暖い日が続いたせいか、近くの公園の蝋梅が開花しました。 蝋梅は江戸初期に観賞用として中国から持ち込まれました。 また「唐梅」とも言われます。 江戸時代の俳人・松江重頼の俳諧集「佐夜中山集」から 「 唐梅は万木の中の万戸かな 」 線刻湯呑

暖冬

横浜では22日、23日の2日連続して気温が20℃を超えました。 道端の水仙・・・驚いています。 暖かさ水仙がああ莟んだぞ ( 惟然 )

柚肌

くらき夜のはり合になる冬至哉 ( 道彦 ) (『蔦本集』) 今日は二十四節気のひとつ「冬至」にあたります。南瓜を食べ、「ゆず湯」に入る習慣があります。 焼き物では、柚の皮の肌に例えて小さな孔が無数に出来るのを「柚肌」と言います。 抹茶茶碗などでは…

鶺鴒

散歩の途中に突然、足元に飛んで来た鶺鴒。餌を求めるのか人懐かしい動きをしていました。 鶺鴒は神話の時代から馴染みの深い鳥で、いつも尾を上下に振って石や地面を叩くように見えるので 「石たたき」「庭たたき」「岩たたき」など、多くの異名があります…

尾花

すすきの花穂 枯々て光をはなつ尾花哉 ( 几董 ) (『井華集』) 酒盃

卵酒

今年のインフルエンザの流行は、早めに始まっているようです。 東京都は11月24日に流行開始宣言をしました。 「卵酒」は、江戸時代から滋養強壮としての薬酒であったようです。 今では「卵酒」は、ウイルスを退治するために必要な要素が、 すべて集めら…

青女

関東地方の今年の初霜は、11月7日に宇都宮で観測されました。 写真の霜は、11月30日、工房(茨城県鉾田市)の前で撮影したものです。 「霜」を使った熟語は気象現象から日常生活の言葉まで、大変多くあります。 身近なものでは、肉の脂肪分「霜降り」…

唐楓

「唐楓(トウカエデ)」は、別名「三角楓」とも呼ばれています。 「カエデ」は「モミジ」と同じ「カエデ属」の植物です。その違いは葉の切れ込み数、切れ込み具合によって区別しています。葉が5つ以上に切れ込んで掌状のものを「モミジ」、それ以外のトウカ…

初雪

昨日は強い寒気の影響で真冬並みの天気になり、 横浜では1962年以来、54年ぶりの初雪となりました。 道路の傍の芝生には、子供たちが作った小さな雪山が溶けずに残っています。 11月の珍しい雪に子供たちも喜び、雪遊びをしたのでしょう。 一茶の句…

冬椿

うつくしく交る中や冬椿 ( 鬼貫 ) (『七車』) 白盃

山茶花

今、垣根や公園の植木、街路樹などで咲いている花が「山茶花」です。この花を見ていると、童謡「たきび」を思い出します。 その「山茶花」を「椿」と、よく間違がうことがあり、調べてみました。両方ともツバキ科ツバキ属ですが、花の散り方、葉の形、葉の縁…

庭にきた鳥

ジョビタキ 小鳥来る音うれしさよ板びさし ( 蕪村 ) (『蕪村俳句集』) 徳利(黄御影)高さ:13.2cm

古本まつり

先日、神田の「古本まつり」に行きました。第57回目を迎え、歴史のある古本まつりです。 専大前交差点から駿河台下まで約500mにわたり、古書店と露店の書棚が並び貴重な古書から新刊本までが山積みされています。 倒れかかった古書の下から見つけた本…

四季桜

茨城県のゴルフ場で、プレー中に四季桜を見つけました。まだ莟でしたが一輪咲いていました。 「四季桜」は江戸彼岸と豆桜の交雑種で、年に二度開花します。 よく四季桜のことを「十月桜」と呼ぶことがありますが、 正確には、四季桜は花弁が一重、十月桜は八…

昨日、関東地方に木枯し第1号が吹きました。昨年は10月24日でした。 凩という字は、風の略形と木とをあわせた国字です。 木に残った枯葉を吹き払う、強い北風を想像させるような文字です。 木枯やいづこどまりの柴車 ( 白雄 ) (『白雄句集』) 高さ…

多肉植物

この多肉植物は、私の制作した鉢に寄せ植えをされ、その写真をいただいたものです。 私は多肉植物について詳しく知らなかったのですが、葉っぱの色や形はさまざまで種類の多さに驚きました。思ったより育てるのは簡単のようで、現代のライフスタイルにはマッ…

松ぼっくり

先日、ある局の番組を観ていたら、鱗片が開いたままの松ぼっくりを水に浸けると閉じました。 私も試して見みると閉じました。 それは松の種子は鱗片の隙間にはさまっており、風で遠くに飛ばすために 雨の時は鱗片を閉じて種子を守り、晴れれば鱗片を開きます…

ふくら雀

今日は二十四節気の一つ、「立冬」にあたります。 吹く風には冷たさが増したように感じられます。 日本では雀が減少傾向にあると言われていますが、 工房の近くの土手では、雀が群がり寒風に逆らうのか、 いつもより鳴き声が大きく感じられます。 神無月ふく…

朝霧

山霧の梢に透ける朝日かな ( 召波 ) (『春泥発句集』) 白釉茶碗

フィルター(透彫)

先日、横浜ユーラシア文化館で開かれている『エジプトのイスラーム都市を掘る』展を見ました。 特に感動をしたのは、日常生活に使われていた飲料水用の小壷に施された美しい意匠のフィルター(透彫)です。そして展示されているフィルターの紋様(イスラーム…

落葉

春に芽吹いた新葉が美しく紅葉、そして散り、 朽葉色に変わり、水分が抜けていくと紙のように薄くなります。 「 手ざわりも紙子の音の落葉かな 」 ( 許六 ) 酒器

渋柿

柿には「甘柿」と「渋柿」があります。この違いは渋み成分「タンニン」が口の中で溶けるか、どうかで決まります。 「 樽柿の少し渋きをすてかねし 」 ( 子規 ) この「樽柿」とは渋抜きをした柿のことです。その方法は、空いた酒樽に渋柿を入れて詰め、 樽…

巻雲

空には、いろいろな形の雲が現れます。気象機関では、雲を10種類に分類しています。 その一つに「巻雲(けんうん)」があります。 巻雲は、雲の中で最も高い所に現れます。箒で掃いたようで「すじ雲」とも呼ばれています。 この雲が出ていると爽やかな気分…

朽葉色

木々の葉が秋になると紅葉し、朽ちていく葉の色を「朽葉色」と言いい、古くから用いられている色の名前です。 そして朽葉色には「朽葉四十八色」と言われるほど多くあり、微妙な色の違いを見分けて使われています。 下染にかへるみやまのくちば哉 ( 宗祇 )…

後の月

今日は「十三夜」です。仲秋の名月の後の月を「後の月(のちのつき)」と言われています。 また「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。 今夜は私の住んでいる横浜では曇っており見ることはできないようです。 写真の月は、笠間市の笠間工芸の丘から眺めた3日…

烏瓜

今年は工房の近くの雑木林に沢山の烏瓜がぶらさがっています。 赤い実をしているのに、どうして烏という言葉を使うのか疑問でした。 その語源について調べてみると、烏が瓜を好んで食べるから、烏が瓜を食べず残したから、朱色の実が朱墨に似ているから、瓜…

花紅葉

むかし色の底に見えつつ花紅葉 ( 鬼貫 ) (『鬼貫句選』) 高さ:20.8cm

クヌギの実

もじゃもじゃした太い毛で囲まれた丸いクヌギの実は、 普通のドングリとはちょっと違うようです。 団栗の寝んねんころりころり哉 ( 一茶 ) 高さ:19.7cm

紅茸

紅茸は、夏から秋にかけて広葉樹林や針葉樹林下の地上に生える赤い茸です。 この茸は色が毒々しいので毒キノコのように扱われてきましたが、種類のすべてが有毒ではないようです。 しかし辛みや苦みが強いので食用としては利用されていません。 紅茸やうつく…