2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

耳付花入(7)掛分け

初夏に垣根などに小さな白い花を咲かせる「卯の花」。 卯の花は、空木(うつぎ)の花の別称です。 卯の花と言えば、国宝・志野茶碗「卯花牆」が浮かびますが、唱歌「夏は来ぬ」の「卯の花の匂う垣根に・・」 この歌詞を、ご存じの人は多いでしょう。 小林一茶…

耳付花入(6)自然釉

きる手元ふるひ見えけり花菖蒲 ( 其角 ) (注)宝井其角(1661-1707)は、江戸時代前期の俳諧師。 口径:7.4cm・高さ:21.6cm・重さ:1390g

耳付花入(5)炭化

あはれさに折て持けり花木槿 ( 樗良 ) (注)三浦樗良(1729-1780)江戸時代中期の俳人。三重県志摩鳥羽の出身。 木槿には多数の品種があります。 茶花として良く使われるのが「宗旦木槿」です。

耳付花入(4)細口寸胴

朝がほや宵は莟にたのしませ ( 菊舎尼 ) (注)田上菊舎(1753-1826)は、加賀の千代女と並び称される女流俳人。 加賀の千代女(1703-1775)には 「 朝顔やつるべ取られてもらい水 」 というよく知られた句があります。 高さ:22.9cm

耳付花入(3)信楽焼締

壷に挿して河原撫子かすかなり ( 田村木国 ) (注)田村木国(1889-1964)は、和歌山県出身の俳人、新聞記者。 今年は夏の「全国高校野球大会」は、100年の節目を迎えますが、 その生みの親でもあります。 口径:4.8cm・高さ:18.4cm

耳付花入(2)朝鮮唐津

高さ:23.3cm

耳付花入(1)古伊賀写し

この作品は、16世紀ごろに作られた古伊賀「耳付花生」の写しです。 高さ:21.5cm

耳付胴締信楽壷

門前に市も立花の盛哉 ( 松永貞徳 ) (注)松永貞徳(1571-1654)は、江戸時代前期の俳人。 「立花」とは、生け花様式の1つで、立華とも書きます。花道成立以前から行われていた花、草、木を花瓶に(立てる)形式から、古くは(たてはな)と呼ばれ、室町時…

象嵌胴締壷

紫陽花や白よりいでし浅みどり ( 渡辺水巴 ) (注)渡辺水巴(1882-1946)は、東京出身の俳人。 我が庭の紫陽花。

注口付花入

枯蘆や低う鳥たつ水の上 ( 堀麦水 ) (注)堀麦水(1718-1783)は、江戸時代中期の俳人 高さ:19.7cm

手付花入(3)朝鮮唐津

水さつと鳥よふはふはふうはふは ( 広瀬惟然 ) 水鳥やむかふの岸へつういつうい ( 広瀬惟然 ) (注)広瀬惟然(1648?-1711)は、江戸時代の俳人。別号に素牛。 惟然の俳句は、軽妙洒脱で擬音まじりや口語調が特徴です。 高さ:19.6cm (ピンク御影土…

蹲の壺

蹲は、もともと種壷や油壷として使われた雑器を、茶人が花入に見立てたものです。名の由来は、人が膝をかかえて蹲まるような姿からきています。江戸時代に入ると、この呼称が定着しています。 「蹲」の特徴は、二重口と檜垣文です。檜垣文は室町時代の作品に…

砧花入(6)信楽

信楽や茶山にまじるむら紅葉 ( 蝶 夢 ) (注)蝶夢(1732-1796)は、江戸時代中期の時宗の僧、俳人。 高さ:20.4cm

砧花入(5)古伊賀写し

この作品は、16世紀頃、制作された「花生 銘 長郎」の写しです。 使用した土は、陶板用の土で登り窯で焼成しました。灰が被りすぎたようで、 もう少し赤味があれば・・・。

砧花入(4)緑釉

萩活て置けり人のさはるまで ( 炭太祇 ) 高さ:16.1cm この釉薬は、横浜のある陶芸教室が捨てるというので、貰って来たものです。教室で使われた、いろいろな釉薬が混じったもので、どんな色になるか、不安でしたが、やや鉄分を含んだ土で酸化焼成してみ…

砧花入(3)辰砂

高さ:21.0cm 登り窯で辰砂を表現するのは、難しいと言われます。今回は作品の置かれた位置や空気(炎)の流れなど、良い偶然が重なり、良い辰砂になりました。一部還元されない部分がありますが、それも景色の1つとなりました。やきものの格で言えば「行…

砧花入(2)伊賀

花活けて部屋の静かな野分かな ( 原月舟 ) (注)原月舟(1889-1920)は、東京生れの俳人。 肺病を患って、31歳の若さで亡くなりました。 高さ:25.3cm 伊賀土(粗目)に伊賀赤土を混ぜて、登り窯で焼成しました。赤土をやや多くしましたので思ったより…