約3ケ月に渡り「金継ぎ技法」の、ひと通りの作業工程を学びました。
実際に作業した日より、乾燥に日数がかかりました。
「金継ぎ」は、漆工芸の世界では、まだまだ入口です。
今まで身近にある漆器について漠然とした知識でしたが、
改めて漆のもつ特性や先人の知恵を知ることができました。
作業に合わせて「漆」に関する本を数冊読みました。
細かな技法論ではなく、漆の基本的な事柄についてです。
その中でも、松田権六著の『うるしの話』(岩波文庫)からは
松田氏の体験を混えた話、伝統を支える技術や精神など
教えられるところが多くありました。
「漆」のよさ、有用性を、どう新しいものに生かしていくか。
そしてもっと身近に使い、活用していく必要があるように思います。
今、漆は地球にやさしい再生可能資源として、新たに注目されています。
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冬枯や神馬の漆はげて立 一茶 (『八番日記』)
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先日、喜寿の祝いとして輪島塗の万年筆を頂きました。
1920年代に、蒔絵を万年筆に応用したのは、松田権六氏で
『うるしの話』の中に「蒔絵万年筆の創始」のことが書かれています。
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