2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

寸胴花入(4)耳付信楽

秋たつやはじめて葛のあちら向 ( 千代尼 ) (『千代尼句集』) 葛の葉をかさねて夢の古ざうし ( 成美 ) (『成美家集〜下之巻』) くずの葉も吹や鳴子のうら表 ( 召波 ) (『春泥発句集』) 高さ22.9cm

寸胴花入(3)胴締朝鮮唐津

「荻」と「芒」を見間違うことがあります。生育場所、生え方、花穂などをよく見れば分かりますが、もっとはっきりと見分けるには、花穂の小花の「芒(のぎ)」の有無を調べます。「のぎ」が有れば「芒」、無ければ「荻」です。「のぎ」とは稲、麦などの実の…

寸胴花入(2)斑唐津

今日20日は「彼岸の入り」です。いつもの散歩道にも、小さな草花に囲まれて彼岸花が咲いていました。 山上憶良が詠んだ「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花」(万葉集巻8第1537番)が「秋の七草」の始まりです。 「萩の花 尾花葛花 なでし…

寸胴花入(1)練込

寸胴とは円筒形の花器の総称で、頭部を水平に切った形です。「寸」は芯を意味する「髄(ずん)」からとも・・、また「筒胴」と書かれたりもします。 この円筒形は、やきものの基本とも言われており、花瓶、茶碗や皿など、この形を経て成形されます、 菊の花…

面取黒壷

黒葡萄天の甘露をうらやまず ( 一茶 ) (『文政句帖』) 高さ:14.7cm

旅枕花入(3)朝鮮唐津

旅衣なす野のいちごこぼしけり ( 乙二 ) (『松窓乙二発句集』) 高さ:16.7cm・径:10.3cm

旅枕花入(2)鼠志野

旅寝してしるや麦にも秋の暮 ( 蓼太 ) (『蓼太句集』) 旅寝して香わろき草の蚊遣哉 ( 去来 ) (『去来発句集』) 山鳥も人をうらやむ旅寝哉 ( 其角 ) (『五元集拾遺』) 高さ:18.0cm・径:9.0cm

旅枕花入(1)焼締

旅枕は、姥口と円筒状の形が特徴で、小型の旅用の枕に見立てて、こう呼ばれている花入れの一種です。 名月や前へまはるや旅まくら ( 丈草 ) (『丈草発句集』) 高さ:20.0cm

破壷

やれ壺におもだか細く咲にけり ( 鬼貫 ) (『鬼貫句選』) 高さ:18.0cm

徳利(19)らっきょう形

松の葉の地に立ちならぶ秋の雨 ( 丈草 ) ( 『丈草発句集』)

徳利(18)細口

「酒仙の歌人」とも称される、酒をこよなく愛した牧水、酒を詠ったものは200首もあるといわれます。 その中から良く知られた名歌を選びました。 白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり ( 牧水 ) (『牧水歌集〜路上〜』岩波文庫) 高さ…

徳利(17)練込

茶入れに「文琳」という丸形の茶入れがあります。徳利にも「文琳」があるかどうか?名づけてみたいです。文琳とは林檎の丸い形に似ていることに由来しており、また林檎の雅称とも言われています。 林檎が日本に渡来したのは、江戸時代以前で「和林檎」と呼ば…

徳利(16)肩衝

肩衝とは「茶入」の形態の一種で、名前の由来は、肩の部分が角ばっていることから来ています。形には「怒肩」「撫肩」などがありますが、次の句の作者は、どんな形の徳利を使っていたのかな。 永き夜を半分酒に遣ひけり ( 太祇 ) (『太祇句選』)

徳利(15)瓢形

老たりな瓢と我が影法師 ( 一茶 ) (『七番日記』岩波文庫) 高さ:17.2cm

徳利(14)芋形

芋にもサツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、ヤマイモ、ナガイモ、コンニャクイモなどいろいろあります。普通、芋と言えばサツマイモを言いますが、俳句の季語で「芋」は「里芋」をさし、「サツマイモ」は「甘藷」と言います。 サツマイモが日本に伝わったのは…

油壷

油壷とは、江戸時代に髪油を入れるために使用された小さな壺をいいます。現在は、デザインや色も豊富なガラスやプラスティク製の容器が多く使われています。 陶製の小壷は、ほとんどが一輪挿しなどに使われています。 名もしらぬ小草花咲く野菊かな ( 素堂 …