2019-01-01から1年間の記事一覧

大晦日

「とく暮れよことしのやうな悪どしは」 『七番日記』 という一茶の句がありますが、今年は自然災害の発生が多く、自然の脅威を知らされました。 被災された方々も多くおられ、心が痛む年でした。 そして復興されないまま、新年を迎える人々も多くおられます…

色見穴

今年、最後の本焼きとなりました。 年5~6回は行っていたのですが、この2~3年は回数が減って来ました。 しかし本焼きの日は「緊張感」と「楽しみ」と「夢」が、ごっちゃ混ぜになっています。 この窯とは、1999年から使用しており、本焼きは79回目…

石蕗

「蝶ひとつとばぬ日かげや石蕗の花」 という其角の句がありますが、華やかな紅葉の木陰で、ひっそりと咲いているのは石蕗(つわ)の黄色い花です。冬の代表的な花です。 名前の由来について諸説あるようですが「葉に艶のある蕗」からきています。 蕗の名がつ…

黄葉

「立冬」を過ぎると太陽の光の強さも弱まりつつありますが、光を受けた紅葉は大変美しく見えます。 葉が色づくことを紅葉といいますが、厳密に色の変わり方で言い方も変わるようです。主にモミジなどが赤色に変化するのが「紅葉」、ブナなどが褐色に変化する…

陶房の風景(13)晩秋

街頭ではジングルベルの音楽が聞こえる季節になりました。 紅葉前線も南下し、観光地では賑わっています。 わが工房の庭のモミジも、先年、大きな枝を剪定しましたが、いつもの鮮やかな色で紅葉しました。 少し散るうちや紅葉も拾はるる 一茶『八番日記』 紅…

構造色

昨日、京王百貨店新宿店で開かれている『瀬戸毅巳作陶展』に行ってきました。 瀬戸毅巳先生には、今年の夏、横浜美術館のワークショップで「抹茶茶碗作り」を、ご指導して頂きました。 作陶展には「曜変天目」「志野」の作品が展示されていました。 「曜変天…

翡翠の嘆き

黒須田川の遊歩道を散策していると、飛ぶ宝石と言われる「カワセミ」に、よく出合います。カワセミは清流に住むイメージがありますが、街中の川や池で目にすることが多くなりました。 「カワセミ」を漢字で「翡翠」と書きますが、宝石のヒスイを、この鳥に当…

野薊

東急田園都市線には「野」という名前の付いた駅が3つあります。 その一つ「あざみ野駅」は、私が日常よく利用する駅です。 あざみ野駅の名前の由来を調べると、昭和51年(1956年)地域開発のため3つの町が合併されて、新しい町名にする時、この周辺に多く…

古書の露肆

10月27日から開催されている「第60回神田古本まつり」に行ってきました。 開催されてから1週間が経っていますが、まだ大変賑っていました。 神保町の古書店の前の道路では<青空古本市>が開かれています。 吊りさげられた裸電球に群がるようにリュッ…

今日から「読書週間」が始まりました。 2019年の読書週間の標語は 『おかえり、栞の場所で待ってるよ』です。 1947年以降の標語の中で「栞」については、こんな標語がありました。 2004年『落ち葉をしおりに読書の秋』 2006年『しおりいらず…

蜻蛉

黒須田川にも秋の訪れが・・・ 甘い香りを漂わせていた金木犀の花も散り始めました。 暖かい欄干の手すりに止まる蜻蛉たち。 だんだんと生息の場を追われて、減少の傾向にありますが、今年は少し多いように思われます。 とんぼ一つ風にさからふ水面なれ 尾崎…

紋黄蝶

散歩していると、公園の草叢をヒラヒラ揺れ動きながら、ゆっくりと飛ぶ黄色い蝶をよく見かけます。 風の流れをうまく受けて飛んでいるようにも見えます。 飛んでいる5cm足らずの蝶を撮影するためにカメラを向けると・・離れて行ってしまいます。 近づいて…

本箱(10)

分け入っても分け入っても青い山 うしろすがたのしぐれてゆくか これは種田山頭火(1882-1940)のよく知られた句です。 10月11日は、山頭火が亡くなった日です。 山頭火は、明治・大正・昭和を生きた自由律俳句の俳人で、58歳で亡くなっています。 俳…

黒いやきもの

珠洲焼復興40周年・珠洲焼資料館開館30周年を記念して 「珠洲焼~中世日本海・黒のやきものグラフィック~」展が、東京・渋谷のヒカリエで開催されているので行ってきました。 12世紀頃からの作品約20点が展示されていました。 私はこんなに多くの古い…

芙蓉の花

黒須田川の遊歩道には、夏の花の中でも大きな花の一つ「芙蓉」の花が自生しています。 石垣の隙間から生える、その生命力の凄さ。 「芙蓉」という言葉は、中国では「蓮の花」のことを言っており、それと区別する為に「木芙蓉」とも呼ばれています。 昔から美…

蟄虫坏戸

あの暑かった日は何処へ・・・ しかし、まだ真夏日のところがあります。 工房の前の小道には1ケ月ほど前、カラスウリの白い花が咲いていました。 今は、真っ赤な「彼岸花」が咲いています。 知らず知らずのうちに、自然のうつろいは訪れています。 9月28…

ISSA

先日、行きつけの古書店でこんな本を見つけました。 『ISSA』 1981年12月発行となっていますが、市販品ではないようです。 しかし装丁はしっかりとしています。 内容は 『Leidenden Mitmenschen im Geiste von Issa』 序文、エッセイ、そして一茶の…

古陶の味

先日、神奈川県葉山町にある「山口蓬春記念館」に行って来ました。 訪ねた日は、秋を感じさせるような爽やかな風が吹いており、相模湾の一色海岸も穏やかでした。 平日でしたので海水浴に来ている人は、ほとんどいませんでした。 サーフボードで楽しんでいる…

句碑散歩(14)

今回は、千葉県我孫子市にある一茶の句碑を訪ねました。 一茶の『文化句帖』によると、文化3年(1806年)2月、布川に逗留した後、江戸へ帰る途中に「子の神大黒天(延寿院)」を参詣したことが書かれています。 その「子の神大黒天」に、JR我孫子駅から…

カメムシ

青葉区すすき野付近を流れる黒須田川。 その川に沿った遊歩道は、私の散歩道ですが、いろいろな虫たちにとっても散歩道(?)・・いや生活場所かな。 数年前に植えられたソメイヨシノも大きくなり、虫たちのいい棲家となりました。 暑さも和らぎ虫たちの動き…

WORKSHOP(3)

暑さも少し和らぎ始めましたが、今日も横浜は32℃でした。 横浜美術館の前の噴水では、子供たちが水遊びをしていました。 「原三渓の美術」展は、今日が最終日ですが、チケット売り場には行列が出来ていました。 * 8月3日から制作してきた作品が完成しまし…

丈菊

茨城県に人気のある「ひまわり畑」が3つあります。 その1つ、那珂市の「那珂総合公園」の周辺にある「ひまわり畑」に行って来ました。 見ごろとしては、少し早かったのですが、約4haの畑に約25万本のひまわりが咲いていました。 人家と道路を取り囲むよう…

夜咲く花

7~9月頃、陽が暮れると林や笹薮などで咲き始める花があります。 この白い花は 、秋になると赤い実になる「烏瓜」の花です。 花弁は5弁で、やや後ろに反り返り、花弁の縁の部分は細い紐状になって伸び、レース状に広がっています。 烏瓜は、こんなユニー…

WORKSHOP(2)

素焼きが終ったので、釉掛けをしました。 まず「志野茶碗」から 素焼き後、重さは20%ほど軽くなり520gとなりました。やや重い感じです。 絵付けをしないで、無地のまま志野釉を掛けました。志野釉は、瀬戸先生が調合したものを使用しました。 * 次に「…

白い蛙

先日、庭木の剪定をしているとアオキの葉に、白い蛙が居るのを見つけました。 初めて見たので少し驚きました。 早速、調べました。 目は黒く、赤くないので「アルビノ」ではなく、普通の雨蛙だと分かりました。 白くなったのは、突然変異によるものと思われ…

WORKSHOP(1)

横浜美術館は30周年を記念して、7月13日から、原三渓生誕150年・没後80年記念の『原三渓の美術~伝説の大コレクション~ 』展を開催しています。 この展覧会に関連したワークショップも行われており、先日参加しました。 テーマは『抹茶茶碗創作~志野と黒織…

納涼

今しがた此世に出し蝉の鳴 一茶 『文化句帖』 苔の付いた木のどこかに蝉が隠れています。 隠れていたのは「ニイニイゼミ」です。 「ニイニイゼミ」の色は、保護色となっているので見つけるのは難しい。 * 「夏(暑さ)を感じる時」は? と質問すると、多く…

水馬

今日、やっと関東地方も梅雨が明けました。昨年と比較すると1ケ月も遅れました。 昨日のサッカーグランドには、まだ水溜りが残っていました。 雨が降った後の水溜りに、元気よく滑走している「アメンボ(水馬)」を見かけたりします。しかし、この水溜りに…

本箱(9)

7月10日は、語呂合わせで「納豆の日」と呼ばれています。 しかし、あまり知られていませんが、「文庫本始まりの日」でもあります。 1927年7月10日に『岩波文庫』が創刊され、今や、文庫本は単行本よりも親しい存在であるように思います。 現在、文庫本の出…

合歓の花

* 日々に四五本ちるや合歓の花 一茶 『享和句帖』 * *