カワセミを撮る(6)

 台風14号は、東シナ海で数日停滞した後、日本列島を横断する異例の進路をたどり、今日、関東地方に接近しました。

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 昨夜から雨が激しく降っています。

 いつも穏やかな黒須田川の水流も、朝から濁流となって激しく流れています。

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 いつもの午前中の散歩を中止する予定でしたが、小止みになったので出かけました。

 この濁流では、カワセミもどこかに避難しているだろう。

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 驚きました。

 激しく濁流が打ち付ける川岸の小さな枝に止まっているカワセミを見つけました。

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 ここが我が棲家のように止まっています。

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 餌を漁る態勢になっています。

 こんな濁った水の中で、獲物をどう見つけるのだろうか。

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 数分様子を見ていましたが、やっぱり捕獲はできません。

 再び雨が激しく降りだすと、カワセミは、橋の下に避難をします。

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 水量はだんだん増えてきました。

 水の力は強く、川底に生えた木々をなぎ倒しています。

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 この木は、カワセミを天敵から護ってくれる木でもありました。

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 しかし、この倒れた木にカワセミが飛んで来ました。f:id:kanamankun:20210918202442j:plain

 倒れた木と岸のブロックの間は、水の流れが弱まっています。

 そこには急流から逃れた魚たちが集まるのでしょう。

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 どんな獲物かは分かりませんが、捕獲したようです。

 凄い!・・

 どんな悪環境の中でも・・

 生きるためとは言え、都会で生きる鳥の凄さを知りました。

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 夕方になって、雨も小降りになりました。

 水量は減りそうもありません。夕食はどうなるのかな・・

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 裸児と烏とさはぐ野分哉

       一茶『七番日記』

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  2021.9.19 追書

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 翌日は、台風一過です。

 昨日のどんよりとした雲はなく、爽やかな青空となりました。

 茶色く濁った水は、一夜のうちに透明の水になりました。

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 梅花藻の緑色が冴えています。

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 川底に溜まっていた泥が流され、土丹層が白く現れました。

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 どこに避難していたのだろう。魚たちも元気に泳いでいます。

 カワセミが濁流の中でも、この川から離れずにいる理由が分かります。

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 最近、黒須田川もプラスティック・ビニールや空き缶などが捨てられ汚れが目立っていました。

 大雨によってゴミは流されて、この場所だけは綺麗になりましたが、そのゴミは下流の川に流され、そして海へと流れて行きます。これでは環境はよくなりません。

 この綺麗なった環境を守っていく努力が必要です。

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 カワセミ、見つけました。

 昨日は、水がこの堰を越えて流れていましたが・・

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 川面に近づいて狙っています。

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 一番安全な居場所を確保したようです。

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鶺鴒鳴

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 この浮世絵は葛飾北斎が描いた「藤・鶺鴒」画です。北斎美術館第1巻花鳥画集英社刊から引用)藤の花と一緒に「鶺鴒」が描かれています。

 鳥類学者・内田清之助(1884-1975)の本『浮世絵版画の鳥』(芸艸堂・昭和49年5月刊)によると、この鶺鴒は「多分、ホウジロセキレイを描いたものとおもわれるが・・」と書かれています。

 通常、よく見るセキレイは「ハクセキレイ」「キセキレイ」「セグロセキレイ」です。この「ホオジロセキレイ」は「ハクセキレイ」によく似ていますが違いがあります。それは顔にある「過眼線」で、この線がないのが「ホオジロセキレイ」です。

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(注)「過眼線」とは、鳥の嘴の付け根から眼を横切って走る線のこと。

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 ハクセキレイは「薄墨セキレイ」とも呼ばれています。

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 宮沢賢治の短編小説『皮トランク』の中で、母の病気で帰郷した主人公が船着き場で見たセキレイを描いています。「もう夕方でしたが、雲が縞をつくってしずかに東の方へ流れ白と黒とのぶちになったせきれいが水銀のやうな水とすれすれに飛びました。・・」宮沢賢治全集6・ちくま文庫)より

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 黒須田川で見かけるセキレイは、頭から背にかけてブチになっています。

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 このような頭から背に向けて灰色のセキレイも見られました。

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 飛んでいる時の黒白も美しいですが、風切羽をよく見ると全体が黒白ではなく、先のほうが「茶色」となっています。

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 水浴びをするハクセキレイ

 あまり見ることのできない風切羽の裏側を見せてくれました。

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 セキレイは、日本の文献の中では最初に登場する鳥です。日本書紀には、日本神話の国産みの伝承の一つとして知られています。

 セキレイは、瘦せ型の美しい姿で、尾は体躯の割には長く、この尾を上下に動かす習性があります。そのせいか「イシタタキ」「ニワタタキ」「シリタタキ」「トツギオシエドリ」「ニハクナブリ」「カワラスズメ」「ハマスズメ」「イモセドリ」など別名(異名)が多くあります。

 鶺鴒がたたいて見たる南瓜哉

     一茶『八番日記』

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 二十四節気の「白露」が過ぎ、9月12日頃からは「鶺鴒鳴」にあたります。

 セキレイは、今は四季を通じて見られる鳥です。この「鶺鴒鳴く」の時期は、秋の虫たちが鳴きだす頃とも言えます。

 黒須田川では、「ハクセキレイ」と「キセキレイ」が主に飛んできますが「セグロセキレイ」は、まだ見ていません。

 「チチッ」「チチチッ」と鳴きながら飛ぶ「ハクセキレイ」の姿を追ってみました。

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 長い尾を振りながら、よく動き、飛び回るセキレイ・・一茶には・・

 鶺鴒やゆるがしてみろふじの山

      一茶『七番日記』

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桜黄葉

 白露に気の付年と成にけり

        一茶『文化句帖』

 今日、9月8日は二十四節気の「白露」にあたります。

 春には華やかに、美しい花を咲かせた黒須田川のソメイヨシノの並木道。

 この1週間ほど停滞した秋雨前線の影響か、葉っぱの色づきが早まりました。 

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 まだ緑の葉っぱが残る中、紅くならないで「黄葉」のまま1枚1枚と川面に散っていきます。

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 暑さに疲れたのでしょうか。 

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 周りの木々が紅葉する頃には、ほとんど葉っぱは散ってしまうでしょう。

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 ろくろくに赤くもならでちる木の葉

         一茶『七番日記』

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 なまじいに鳥来ぬ前の紅葉哉

         一茶『文化句帖』

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 けさ秋と合点でとぶかのべの蝶

         一茶『七番日記』

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 ちる度に鳥のよろこぶ木の葉哉

         一茶『文化句帖』

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 しひて来る鳥とも見えぬ紅葉哉

         一茶『文化句帖』

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 づぶ濡にぬれてまじまじ蜻蛉哉

        一茶『七番日記』

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 掃溜も又一入の紅葉かな

       一茶『文政句帖』

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 秋風にことし生たる紅葉かな

         一茶『化五六句記』

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珊瑚樹

 連日、真夏日が続くなか、秋の七草が咲き始めたという声が聞かれました。

 そんな秋の兆しが少しづつ感じられる中、黒須田川の遊歩道には、赤い葡萄の房のように赤い実が鈴なりになっている木があります。

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 その木は「珊瑚樹(サンゴジュ)」です。

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 「珊瑚樹」は、関東地方南部以西の海岸近くの山地に自生する常緑の木です。夏ごろになると果実が赤く熟し、その赤い実を海の珊瑚に見立てて珊瑚樹と呼ばれています。

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 東京都・台東区の記念碑の案内で知ったのですが、台東区谷中にある「幸田露伴居宅跡」には、露伴が居住していた頃からあったという珊瑚樹があるそうです。今は途中から折れていますが、台東区の景観重要樹木に指定されています。

  「珊瑚樹」は、庭木としても植栽されますが、防火、防風、防音樹としても知られています。幸田露伴は、珊瑚樹を防火樹として植樹したのだろうか。

 私の家の近くの団地の垣根にも使用されていました。交通量の多い道路側や駐車場の防音として植えられています。

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 赤い実は鳥も目につくかきね哉

         一茶『文政句帖』

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 自然主義文学の代表的な作品である田山花袋の『田舎教師新潮文庫を読むと、植物がおよそ百種類ほど出てきます。その中で「珊瑚樹」については・・小学校教師林清三が赴任し役場を訪ねる途中の小川屋(そば切うどん屋の庭の珊瑚樹について「垣の隅には椿と珊瑚樹との厚い緑の葉が日を受けていた・・」と、珊瑚樹の葉の特徴を描写しています。

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 珊瑚樹の葉は、質が厚く光沢があります。材には水分が多く含み、燃やすと泡を吹きます。それが火の延焼を防ぎます。地方によっては、この木を「アワブキ」と呼ぶそうです。

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 4月頃は、こんな青い実でした。

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 夏ごろには赤い実に成熟。

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 赤い実は何の実かそもかれ木立

         一茶『享和句帖』

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 赤い実の毒々しさよかれ芒

        一茶『享和句帖』

 この句が詠まれた時期は、父を亡くした頃で、派手やかな赤い色は、馴染めなかったのだろう。

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 木の実が赤くなるのは、鳥たちに見つけやすくするためです。鳥の視覚は人間に似て赤い色は分かるそうです。この赤い実は美味しい味がするのでしょうか。

 この珊瑚樹の付近に飛来するのは、ムクドリヒヨドリツグミです。

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 知らない間に食べられていました。

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 鳥たちが食べない実は、だんだん黒紫色になって落ちてしまいます。

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 樹木にとっては実が落ちる前に食べて欲しい。そして遠くへ種子を運んでもらいたいのです。

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 赤い実も少し加味して散木の葉

           一茶『自筆本』

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鉄砲百合

 黒須田川の遊歩道を散歩すると、あちらこちらに自生の「鉄砲百合」が咲いています。

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 川から吹き上げる風に乗って少し甘い香りが・・

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 「鉄砲百合」は、日本原産の花で江戸時代から栽培されてきました。

 その花の美しさと栽培のしやすさから海外でも人気のある植物です。

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 白い花は、周りの緑と調和して惹き立っています。

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 道路のコンクリートの隙間から・・

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 石垣にも・・

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 「テッポウ」とは、花の形が昔のテッポウに似ていることから付けられました。「ユリ」は、茎が細くて花が大きいために風が吹くと揺れます。その「揺すり」と呼ばれたのが「ゆり(ユリ)」となったと言われています。

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 遊ぶカルガモの子どもたちと・・

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 アオサギの傍にも・・

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 8月中旬を過ぎると、鉄砲百合によく似た百合が咲いていますが、それは「高砂百合」です。違いは筒の外側に赤い縞があるので見分けられます。

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 「百合の花」は「万葉集」など詩歌の世界でも多く詠まれています。

 一茶も22句ほど詠んでいます。

 けふからの念仏聞聞ゆりの花

            『七番日記』

 百合の花は、墓地など冠婚葬祭に添える花として好まれています。 

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 日本には、百合の種類が多く「百合」の宝庫とも言われています。

「姥百合」「鬼百合」「車百合」「日光黄菅」「野萱草」「姫百合」「藪萱草」「夕菅」「山百合」など。

 その中の「山百合」は、神奈川県の県花で、1951年1月に制定されました。

 「山百合」は山地に生える日本特産の花です。神奈川県の気候風土にあい、県内各地で昔から多くの人に愛されてきました。

 その「山百合」を見に、横浜市の北西部にある「県立四季の森公園」に行きました。

 公園内には約300株が自生しているそうです。残念ながら行った時は、もう咲き終わっていました。

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 この「山百合」の写真は、公園の中にある案内板を写しました。

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 諦めて雨が降る中、園内を散策していると、池の傍に多くの人たちが集まり、望遠レンズを構えて何かを撮影していました。 

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 ここはカワセミの撮影ポイントだったのです。

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 池の浅くなったところに、止まり木と思われる枯れ木が数本立てられています。

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 私も撮影の仲間入りをさせてもらいました。

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 止まり木は、カワセミの舞台です。この木でパフォーマンスを見せてくれました。

 何度も飛び込んでは、獲物を捕らえる。そして一気に飲み込む。

 短いシーンですが、その瞬間を撮えるため連写の音が川面に響き渡ります。

 私には、拍手を送っているように聞こえました。

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 一方、藪の中では「ガビチョウ」が騒がしく飛び交っていました。

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 「ガビチョウ」は特定外来生物で、中国ではポピュラーな飼い鳥で、囀りを楽しむために飼われているそうです。ガビは中国名の「画眉」からきています。「画眉」とは、中国語で「塗った眉」のことです。 ガビチョウの眼の周りの眉状の白い線は印象的です。しかし、ここでは愛鳥家の興味を惹くのは、「ガビチョウ」ではなく「カワセミ」のようです。

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クサギ

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 この草花は、道端や草原でよく見かける「ヘクソカズラ(屁糞葛)」といいます。草や木に絡みついて成長する美しい花です。

 なぜこんな名前がついたのでしょう。それは若葉の時に葉や茎を揉むと嫌な臭いがするからです。この臭いは「メルカプタン」と言い、おならや便の臭いの原因となる物質だそうです。この臭いは、葉を虫たちに食べられないための植物の生きる知恵かも知れません。

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 この白い花は「クサギ」の花です。

 この落葉低木は、私が散歩する黒須田川のコンクリートブロックの隙間から自生しています。

 花は五弁で良い香りがしますが、葉や枝を傷つけると悪臭を放ちます。それで「臭木」の名がつきました。「常山木」とも書き、俳句では、この字を使ったりします。

 どうして「常山木」をクサギと読むのかというと、中国では「海州常山」と呼ばれ、渡来した時に他の花と間違えて使用されたのではないかと言われています。

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 若葉は食べられるそうです。また乾燥させて煎じて民間療法にも使われています。

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 秋になると赤い萼の先に青い実がつきます。その実は青色の染色の材料になります。

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 ある資料には、下駄の材料の一つに挙げられていました。下駄になるほどの太さの木になるのだろうか。

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 8月上旬を過ぎると、花が散り始めました。

 寺田寅彦の随筆集第一巻岩波文庫

「・・一株の大きな常山木があって桃色がかった花がこずえを一面におおうていた。散った花は風にふかれて、みぎわに朽ち沈んだ泥船に美しく散らばっていた。・・」(「花物語」~常山の花~より)

と昆虫捕りにいった城山の思い出の中で書いています。

 この黒須田川のクサギの花も美しく散らばっています。そして羽黒トンボの避暑地ともなっています。葉が落ちた枝は、カワセミの止まり木となります。

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 身近で嫌な臭いのする虫と言えば「カメムシ」です。そのカメムシクサギという名がついたカメムシがいます。

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 このカメムシは、ソメイヨシノの幹で交尾中の「キマダラカメムシ」です。

クサギカメムシ」によく似ていますが「クサギカメムシ」ではありません。その違いは「クサギカメムシ」には、頭から背中にかけての黄色い線がありません。

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 虫の屁を指して笑ひ仏哉

       一茶『八番日記』

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 追伸 2021/8/14

 以前に撮影した虫の中に「クサギカメムシ」を見つけました。

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羽黒蜻蛉(2)

  涼しい川風が吹き上げてくる黒須田川の遊歩道を歩いていても、木陰を求めてしまうほどの暑い日が続いています。

 その30℃を超える暑さの中で、東京オリンピックが開催されています。

 選手たちは、この高温多湿の気候とも闘っています。

 一茶の『享和句帖』の中に、こんな句がありました。

 涼しさは黒節だけの小川哉

 「黒節」とは『原色牧野植物大圖鑑』北隆館・平成9月刊 によると「フシグロセンノウ(節黒仙翁)」のことで、高さ70cmほどの朱赤色をした5弁の花です。江戸時代に渡来し鑑賞用に栽培され、夏から秋に咲きます。「黒節」は、節が膨らみ紫黒色を帯びます。和名は、この黒い節に基づいて付けられています。

 一茶は、園芸の趣味もあり、自宅で栽培していたのかも知れない。近くの小川にも植えていたのでしょう。

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 この暑さの中、家近くの黒須田川では・・梅花藻の白い花が涼しげに・・

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 水の中では、亀の親子が・・

 この日は水が少し濁っており、可愛い子亀が見えません。

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 今年は3組目のカルガモの家族が誕生しました。水辺の危険な場所で遊ぶ子どもたちを心配そうに見守る母親・・

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 黒須田川で、一番涼しさを愉しみながら、楽しく飛び回っているのは「羽黒トンボ」です。今年も沢山誕生しました。

 蝶々のようにヒラヒラと飛び、足元に絡んでくる人懐こいトンボです。

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 ほとんどのトンボは、木などに止まっても翅を閉じることは少ないです。しかし羽黒トンボは、止まると翅を閉じたり、広げたりします。これは体温調節をしているように見えます。時々、飛びながら水面に触れて波紋が起きたりしています。

 広げた瞬間の美しい翅の姿を撮えてみました。

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 ばん石にかぢり付たるとんぼ哉

          一茶『七番日記』

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 蜻蛉や二尺飛んではまた二尺

         一茶『文化句帖』

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 づぶ濡れにぬれてまじまじ蜻蛉哉

        一茶『七番日記』

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 時には、涼しい色をした「アオスジアゲハ」と・・アートのようです。

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 羽黒トンボの求愛活動も激しくなります。

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 とうとう絡み合った闘いになっています。

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 闘いで翅が傷つきました。でも愛し合う二匹は、ハートの形になりました。

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 2018年6月26日のブログで紹介しましたが、「羽黒トンボ」は「神様トンボ」とも呼ばれます。それは、翅を開いたり閉じたりする様子が拝んでいる姿に見えるからだと言われます。

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 翅を広げて水草の上に産卵します。

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 この水草は、白い可愛い花を咲かせている「梅花藻」です。

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 母(雌)は、何度も何度も、翅を開いたり閉じたりします。その姿は、生れてくる子供への祈りのようにも見えます。

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 来年には、新しい生命が誕生します。

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 羽黒トンボは、東京都のレッドデータリストでは「絶滅危惧Ⅱ類」、神奈川県では「要注意種」となっています。

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 羽黒トンボ、そして水辺の多くの生き物たちが、生きていける自然を守っていきたい。

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