2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

焼締茶盌(2)

桂又三郎(備前焼の研究家)の名著「 日本の焼きもの〜7つの色 」では、日本の焼き物を7つの色に分けています。 〇 茶(渋さと寂び) 〇 青(秘められた情熱) 〇 黒(幽玄美) 〇 白(清楚な味わい) 〇 赤(燃える情熱) 〇 藍(深遠な美しさ) 〇 金(絢…

習作(12)松梅文絵唐津皿

上が轆轤成形で、下が手びねりで作りました。手びねりの方は、底の締めが悪く、焼成で曲線の罅が入りました。 径25.0cm・高さ6.3cm・重さ850g 径28.5cm・高さ5.4cm・重さ1240g

菓子鉢(3)朝鮮唐津大鉢

径24.1cm・高さ8.6cm・高台径9.2cm・重さ1330g

菓子鉢(2)焼締

口径・15.5cm・高さ7.7cm・高台径13.2cm・重さ850g

菓子鉢(1)焼締

菓子鉢は、主菓子を客の数だけ盛り込んで出すために「盛り込み鉢」とも言われます。菓子鉢が詠まれた句は少なく、まず虚子の句が思い出されます。

陶仏

仏師・西村公朝さんが描く、可愛く、慈悲の眼差しに溢れた仏画が好きです。 御仏や寝てござつても花と銭 ( 小林一茶 ) (『八番日記』) 高さ13.6cm:幅12.5cm:重さ790g

御茶盌窯

7年前に唐津を訪ねた時の、御茶盌窯(肥前陶器窯跡)です。案内によると連房式登り窯で現存長27.5m・焼成室7+α室が残っているそうです。中里一族により大正年間まで使用されていました。 この登り窯は笠間市にある奥田製陶所の窯です。この窯は旧笠間藩の…

ゆがみ茶盌

「芥川龍之介俳句集(岩波文庫)」の中に「破調」という前書きで詠まれた句 「 兎も片耳垂るる大暑かな 」があります。 破調と知りつつ、あえて前書きに書いたのだろうか。 この茶盌は、削りの段階でゆがんでしまいましたが、手の収まりが大変良いので、その…

習作(11)掻落し象嵌塩筍茶盌

塩筍(しおげ)とは、小さな壷で胴が膨らみ、口が狭まった形のものをいいます。もとは塩、砂糖、味噌などを入れたものですが、冬の独服用の茶盌に見立てて使われています。 私は麦の絵が好きで、最初に描いた「麦」の絵です。手びねりで作り、掻き落しと象嵌…

粉引茶盌

粉引は、粉を引いたような、あるいは粉が噴出したような趣から「粉吹き」とも言います。またよく外側に火間(化粧土の掛け残しの部分)があり、これが景色の1つでもあります。 口径15.0cm・高さ8.5cm・高台径5.0cm・重さ380g

朝鮮唐津平茶盌

朝鮮唐津茶盌は、江戸時代中期から焼かれており、時代の古いものは少ないようです。失透性の白濁釉と飴釉を掛け、それが窯変して白と飴と青と藍との素晴らしい景色を現出します。 手水鉢横にころけて苔の花 ( 正岡子規 ) 14.2cm・7.2cm・4.2cm・320g

泥彩黒茶盌

松虫のりんともいはず黒茶盌 ( 服部嵐雪 ) (『玄峰集』)服部嵐雪(1654〜1707)は江戸時代前期の俳諧師。其角とならんで蕉門の双璧です。 この茶盌は、外側に素地と同じ泥漿を刷毛で塗り、黒マット釉を掛けました。 10.9cm・8.8cm・5.3cm・290g

楽焼平茶盌(馬盥)

盥と言えば、私の年代では「行水や盥に遊ぶ児二人〜子規」の風景を思い浮かびます。今は木製の盥は見かけません。遊ぶならビニール製のプールでしょうか。 平茶盌は夏季に用いられます。 13.2cm・5.8cm・6.5cm・390g 13.7cm・6.2cm・6.0cm・370…

私の錫茶盌

江戸時代には「冷や水売り」がいて、錫製の茶盌で水を売っていたようです。錫の色が涼しさを呼んだのでしょう。その風俗画が山東京伝「四季交加」に描かれています。その茶盌は、色は違いますが、私の作った茶盌の形に近いようです。 涼しさは錫の色なり水茶…

飴釉楽茶盌

落葉かきてらくやきかまに芋やかむ という句は 會津八一氏が坪内逍遥の別荘「双柿舎」を訪れて楽焼窯をみて詠んだ句です。今も楽焼窯風の焼却炉として残っています。(熱海市観光案内より) 10.8cm・8.5cm・5.4cm・390g この茶盌は「抹茶茶碗コンテス…

白楽茶盌

芳賀徹(静岡県立美術館館長)さんの講演会〜20世紀の詩人ポール・クローデルの「百扇帖」をめぐって〜の中で、ポール・クローデル氏が京都へ旅をし楽茶碗でお茶を飲み、その経験を詠んだ一首を紹介しています。 土の椀から いま一口に啜る 草木の精 (ポ…

黒楽茶盌

春雨に吾ひとり居り黒楽の碗偲つつ吾ひとり居り ( 伊藤左千夫 ) (『左千夫歌集』新潮社) 10.3cm・8.1cm・5.0cm・350g

赤楽茶盌

楽焼の中では、赤楽茶盌が好きで多く制作しています。赤楽は黒楽より低い温度で焼成するために壊れやすく、古い時代のものが残っているのは少ないようです。長次郎七種の中でも赤楽茶盌は「木守」が有名です。「木守」は関東大震災で破損し、数片のかけらと…

習作(10)面取り茶盌

今日切りのわが茶椀に別れようとする ( 尾崎放哉 ) 15.5cm・8.9cm・5.4cm・430g

焼締め茶盌(1)

野焼きは焼成窯が考案される前の原始的な焼成方法で、800℃前後の低火度で焼成されます。一般的な焼締めは1250℃以上の高火度で焼成されます。作品の置かれた位置、火の流れ、その時の天候、燃料となる薪の種類などによって降灰の仕方が変わり、多種多…

黄瀬戸茶盌

黄瀬戸は、当時、中国陶磁の青磁を再現しようとしましたが失敗しました。しかしその際に現れた美しい色合いが、逆に茶人たちの美意識に適い、作られたともいわれています。失敗したのは、当時はまだ還元焼成の技術が十分に発達していなかったためでしょう。…

習作(9) 無地刷毛目(半筒茶盌)

雪間より薄紫の芽独活かな (松尾芭蕉 ) 11.8cm・9.6cm・5.0cm・350g

習作(8) 無地刷毛目(平茶盌)

白い色ってどんな色ですか?どんな色にも染めることができる色ですか?私は手で触って見たくなるような色ではないかと思います。 15.0cm・6.5cm・4.8cm・280g

習作(7) 黒茶盌

高浜虚子の句に「芳草や黒き烏も濃紫」があります。黒という色には、すべての色が含まれていますので、いろいろな色の世界を想像させてくれます。 黒という色を眺めていると、何か豊かにさせてくれるから不思議です。 五月雨や三日見つめし黒茶碗 ( 夏目成…