先日、かながわ県民センターで開かれた「考古学講座」に行って来ました。
テーマは『台形土器と縄文土器づくりのムラ』です。
縄文土器と言えば「火焔土器」が、よく知られていますが、
「台形土器」については、あまり知られていません。
「台形土器(だいがたどき)」とは、縄文時代の中期中葉から後葉にかけて
盛んに作られた土製品です。
使用痕跡から、用途としては土器製作台ではないかというのが有力な説です。
今後、台形土器の研究は、まだ解明されていない縄文土器づくりの場を
解明する上で重要な遺物であるというお話でした。
焼き物を作る者として、使用する道具には拘りがあります。
この時代に製作道具のために素焼きの台を作っていたのには驚きです。
しかし建物(竪穴住居)の中で発掘されており、
製作台以外の用途として、例えばお供え物をする台に使用されたかも・・・。
通常、焼き物は、屋外で製作するイメージが強いのですが、
屋内(竪穴)に炉があり、そこで製作していたことにも興味がありました。
屋内に炉があるのは、煮炊きも一緒にでき、冬は暖炉にもなったのかな?
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暮る々迄日のさしにけり土火鉢 一茶 (『享和句帖』)
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「台形土器」の他に、特殊な道具として
縄文時代前期から中期にかけて、平らな口縁部の直下に沿って、
ほぼ等間隔に小さな孔をめぐらした「有孔浅鉢土器」があります。
はっきりとした用途は、不明ですが、赤く彩色されたもの等があり、
特別な使われ方をされていたのかも。
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