焼き物

76回

先日、76回目の「本焼き」をしました。 「76」は、私の年齢でもあります。 2000年に窯設置してから17年間。 約3000点の作品を焼成しました。 窯は、まだまだ現役で活躍してくれています。午前2時半、窯に点火し焼成開始。 今朝は、マイナス2…

堤焼

先日、豊島区役所で開催された「伝統工芸展」を見に行きました。 その中に宮城県伝統工芸品「堤焼」が、特別展示されていました。 「堤焼」は、今から300年前の江戸時代中期、仙台藩4代藩主・伊達綱村公の頃。奥州街道の堤町は、良質の粘土に恵まれたの…

今戸焼

今回は、浅草駅から隅田川沿いに歩き「今戸焼」を訪ねました。 隅田川沿岸の窯業は、よい粘土に恵まれ、古墳時代後期から土器が生産されていました。 また広重の「江戸名所図会」では、煙がたなびく今戸の瓦窯(だるま窯)が描かれています。 小林一茶もこの…

属人器

「属人器」?? あまり聞きなれない言葉ですが、私たちが家庭で日常使っている 自分専用の飯茶碗や箸などが、代表的な「属人器」にあたります。 考古学者の佐原真さんが用い始めた用語と言われ、 平城京遺跡から個人名を書いた墨書の土器が出土しており 奈良…

故郷

久し振りに三重県に帰省し「やきもの」に関係する場所を2つ訪れました。 この新緑に囲まれた広い公園は、三重県多気郡明和町にある史跡「水池土器製作跡」です。 奈良時代の工人集団の遺跡です。 この遺跡の特徴は、土器生産に伴う一連の行程に関する施設が…

弁柄

この前方後円墳は、茨城県なかみなと市にある国指定史跡「虎塚古墳」です。 この古墳は春と秋の上旬、外気温が15℃のころに石室内部が公開されます。 先日、その石室内部を観てきました。今も鮮やかな赤色が残されており、 古代の人が赤色に永遠の生命力を…

弥生

今日で三月(弥生)も終わりです。 弥生とは、旧暦の3月の別称で「いやおい」が変化したものとされています。 「弥(いや)」は「いよいよ」、「生(おい)」は「生い茂る」の意味で 草木がだんだん芽吹く月というところから「弥生」となったと言われていま…

登り窯まつり(4)

登り窯まつりの締めくくりは「窯出し」です。 今回の焼成は温度上昇も良く、仕上がりは大変に良いということでした。 この窯出しする時は、いつも緊張と期待が膨らみます。 火の神は、どんなやきものの世界を魅せてくれるのでしょうか。 胴木間 捨て間 1の…

登り窯まつり(3)

3月18日。火の神に安全を祈祷して、200年続いている仕法窯に点火。 3日間かかって1300℃目指し焼成します。 炎の洗礼を受ける私の壺(胴木間の焚口付近) 午後5時、登り窯に隣接した竹林の広場では、ポップスライブに合わせて、白いキャンバスに …

登り窯まつり(2)

14日から窯詰め作業が始まりました。3日ほどかけて行われます。 年年や猿に着せたる猿の面 ( 芭蕉 )(『芭蕉句集』新潮日本古典集成) 笠間の周辺の小学生の制作した「土面」です。 焼成された土面は、5月の「陶炎祭」の会場で展示されます。

登り窯まつり(1)

「第8回登り窯まつり」が、笠間市の奥田製陶所で 3月18日〜20日に行われます。 その準備が始まり、使用する薪(松)の小割り作業のお手伝いに行きました。 松(赤松)が登り窯の燃料として優れているのは、 樹脂を含んでいるため燃えやすく、火力も強…

猪口

家の近くの鐡神社の境内では、八重咲きの梅の花が咲いています。 訪れた時、盛りは少し過ぎていましたが、まだ美しい薄紅色を観ることができました。 はなみちてうす紅梅となりにけり ( 暁台 ) (『暁台句集』) 猪口の読み方は「ちょく」が転じて「ちょこ…

いげ皿

この「いげ皿」は、二十数年前、東北を旅行した時に小さな美術館で購入したものです。 「いげ皿」は明治の終わりから昭和の初めに大量に作られた大衆向きの厚手の皿です。 「いげ」とは佐賀県の方言でトゲのことを「いげ」と言い、 皿の縁のギザギザから「い…

凍土

原色陶器大辞典(加藤唐九郎編・淡交社)に 『 泥状の原土の余分な水分を除き適度の湿度にするために、 原土を板に載せて夜の寒気で凍らせ、そのあと板を立てかけ太陽に当てて 凍土を融かして水分を流下させる方法 』 が記されています。 私もこの方法を時々…

「 皸をかくして母の夜伽かな 」 という一茶の句がありますが、昔は水仕事をする母は、いつも指先の皮膚が切れたりして皸(あかぎれ)になっているのを見たことがあります。 今はお湯を使うので楽になりました。 焼き物つくりでも、冬の水挽き(轆轤ひき)は…

火伏の神

工房から車で30分ほどのところに愛宕神社(笠間市)があります。 この神社は日本三大火防神社の一つとして知られています。 火は焼き物づくりにとって無くてはならない大きな力です。 作品の仕上がりと焼成の安全を祈り参拝しました。 火(の)用心火(の)用…

湯呑茶碗(1)

湯呑茶碗は、日本人にとって身近で大変に親しみのあるやきものの一つです。どこの家庭でも個人用の湯呑茶碗や夫婦茶碗などがあり、これは日本特有の器の文化だと思います。 この個人用の湯呑茶碗は、江戸時代末期頃から普及していったようです。 両の手に朝…

一輪挿(6)象嵌志野

アカツメクサ(別名:ムラサキツメクサ・レッドクローバー) ほのかなる草花の香ひを嗅ぎ出そうとする ( 放哉 ) (『放哉全句集〜一燈園時代』2002年2月新装版・春秋社)

寸胴花入(3)胴締朝鮮唐津

「荻」と「芒」を見間違うことがあります。生育場所、生え方、花穂などをよく見れば分かりますが、もっとはっきりと見分けるには、花穂の小花の「芒(のぎ)」の有無を調べます。「のぎ」が有れば「芒」、無ければ「荻」です。「のぎ」とは稲、麦などの実の…

寸胴花入(1)練込

寸胴とは円筒形の花器の総称で、頭部を水平に切った形です。「寸」は芯を意味する「髄(ずん)」からとも・・、また「筒胴」と書かれたりもします。 この円筒形は、やきものの基本とも言われており、花瓶、茶碗や皿など、この形を経て成形されます、 菊の花…

はじめまして

私の制作した焼き物を紹介したいと思います。