2017-01-01から1年間の記事一覧

七夕

今日は五節句のひとつ「七夕」です。また二十四節句の「小暑」でもあります。 「七夕」は平安時代に日本に伝わってきましたが、 一般の人が楽しむようになったのは江戸時代のころです。 この頃に七夕を五節句にとりこみ、願いを短冊に書きました。 今日は息…

山桃

道路を真っ赤に染めた山桃。甘酸っぱい香りが漂っています。 漢名では「楊梅」と書き、別名として「山桜桃」「火実」があります。 楊桃の山もりわびし山折敷 蝶夢 (『草根発句集』) (注)蝶夢(1732-1796)は江戸時代中期の俳人。 18.0cm×17.0cm

下総を歩く(1)

下総国は、小林一茶にとって第2の故郷でもあります。 一茶が歩いたと思われる「小金道」を馬橋駅から歩きました。 一茶の「七番日記」(岩波文庫)によると、 文化七年六月十三日、流山に泊まり、十四日、小金牧付近の原野を歩いています。 馬喰し虻が逃行…

属人器

「属人器」?? あまり聞きなれない言葉ですが、私たちが家庭で日常使っている 自分専用の飯茶碗や箸などが、代表的な「属人器」にあたります。 考古学者の佐原真さんが用い始めた用語と言われ、 平城京遺跡から個人名を書いた墨書の土器が出土しており 奈良…

麦秋至

5月31日から、二十四節気の七十二候の「麦秋至」です。 中国の「宣明歴」では「小夏至」といい、漸く暑さが加わり始める頃だといわれますが、 昨日は、真夏並みの暑さの所がありました。 近くの市民農園の大麦は、5月の始めには、まだ青々としていました…

草花(8)

この草は「小判草」と言います。 野原や土手などで大群落をつくっているのを良く見かけます。 実の色は、初めは薄緑色をしていますが、熟すと美しい黄金色になります。 ヨーロッパ原産で、明治時代に観賞用として輸入されました。 「小判草」という名は、小…

浄海坊

暖かくなり、いろいろな昆虫が草木に現れます。 その昆虫には面白い名前が多くあります。 その一つが工房によく現れる「カマドウマ」です。 漢字では「竈馬」と書きます。 名前の由来は、姿や体色、飛び跳ねる姿が馬に似ており、 昔の台所の窯の周辺にいたこ…

草花(7)

今日は「母の日」です。 「母の日」はアメリカで生まれ、日本に伝わったのは大正時代と言われています。 日頃の感謝を、赤いカーネーションに込めて贈る人も多いのではないでしょうか。 母の日とは直接関係ありませんが、母の名の付いた草花があります。 道…

藤の花

工房の庭の藤の花、今が満開。 春風に薫香を漂わせ、優雅に揺れています。 藤の花南無あゝあゝとそよぎけり ( 一茶 ) (『七番日記』)

草花(6)

雑木林の倒木の傍で発見。 この毒々しい色と形・・最初は「蝮草」?・・と思ったが、 花序の先が細く糸状に長く伸びており、調べたら「ウラシマソウ(浦島草)」でした。 この糸に何か役割があるかというと、まだ全く謎だそうです。 この植物は「雌雄異株」…

草花(5)

「雉蓆(キジムシロ)」という15mm〜20mmの小さな花です。 名前の由来は、花後の葉が大きく放射状に広がり、 その姿が雉の休む蓆に似ているところからきたと言われています。 工房の傍の雑木林には、雉のつがいが棲んでいます。 雉は「深い愛情の象…

瓢虫

このグロテスクな虫は、・・・「テントウムシ」の幼虫です。 このテントウムシは「ナナホシテントウ」です。 テントウムシの種類は多く、日本には200種類ほどいるそうです。 この「ナナホシテントウ」は、アブラムシやカガラムシなどを 食べるので益虫と…

編笠茸

こんな奇抜な形の茸。 この茸は、春に生える茸で「アミガサタケ」と言います。 工房の傍の桜の木の下で、良く見かけます。 「毒きのこ」とばかり思っていましたが、食べられるそうです。 海外ではモルーユ(モレル)と呼ばれて、人気の高級食材とか・・・・ …

故郷

久し振りに三重県に帰省し「やきもの」に関係する場所を2つ訪れました。 この新緑に囲まれた広い公園は、三重県多気郡明和町にある史跡「水池土器製作跡」です。 奈良時代の工人集団の遺跡です。 この遺跡の特徴は、土器生産に伴う一連の行程に関する施設が…

草花(4)

茎先に黄緑色の杯状の花序をつけた、この花は 日当たりの良い荒れ地、土手や畑などで見かけます。 名前は、昔の灯明を置く灯台に似ているところから 「トウダイグサ(灯台草)」と言われています。 また花序の先から垂れる子房が鈴のように見えるところから…

弁柄

この前方後円墳は、茨城県なかみなと市にある国指定史跡「虎塚古墳」です。 この古墳は春と秋の上旬、外気温が15℃のころに石室内部が公開されます。 先日、その石室内部を観てきました。今も鮮やかな赤色が残されており、 古代の人が赤色に永遠の生命力を…

大根の花

『野大根も花咲きにけり鳴く雲雀』 という一茶の長閑な句があります。 家の近くのマンションの傍にある畑では、大根の白い十字型の花が咲いています。 これは野大根ではなく、種を収穫するための種大根でしょうか。 大根は種類も多いですが、私たちには身近…

草花(3)

この花は道端や土手などで良く見かけます。 名前は「カラスノエンドウ(烏野豌豆)」と呼ばれています。 正式な和名は「ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)」と言います。 こんな可愛い花に、どうして「カラス」の名がついたのでしょう。 それは実(豆)が成熟した…

本箱(3)

歳時記には、いろいろな名前を付けたものがありますが、 その中でも『やきもの歳時記』は大好きな歳時記の一つです。 この本は石洞美術館の愛蔵品を、会社のカレンダー(5年間)に 掲載したものを本にまとめたものです。 月ごとに季節に合った作品を取り上…

草花(2)

この花は春の七草のひとつ「はこべら(はこべ)」です。 道端などで咲いている白い小さな花です。 余りにも小さいので知らないで踏んでしまうこともあります。 花びらは5枚ですが、1枚の花びらの中央が基部まで深く裂けているので 花びらが10枚のように…

弥生

今日で三月(弥生)も終わりです。 弥生とは、旧暦の3月の別称で「いやおい」が変化したものとされています。 「弥(いや)」は「いよいよ」、「生(おい)」は「生い茂る」の意味で 草木がだんだん芽吹く月というところから「弥生」となったと言われていま…

登り窯まつり(4)

登り窯まつりの締めくくりは「窯出し」です。 今回の焼成は温度上昇も良く、仕上がりは大変に良いということでした。 この窯出しする時は、いつも緊張と期待が膨らみます。 火の神は、どんなやきものの世界を魅せてくれるのでしょうか。 胴木間 捨て間 1の…

春寒

東京都心では21日に桜の開花宣言がありました。 その後、寒さがぶり返し、今日は関東地方の一部で雪が薄っすらと積もりました。 しかし、蕗の薹は寒さにも負けず花を咲かせています。 春の寒さたとへば蕗の苦みかな ( 成美 ) 酒器

登り窯まつり(3)

3月18日。火の神に安全を祈祷して、200年続いている仕法窯に点火。 3日間かかって1300℃目指し焼成します。 炎の洗礼を受ける私の壺(胴木間の焚口付近) 午後5時、登り窯に隣接した竹林の広場では、ポップスライブに合わせて、白いキャンバスに …

草花(1)

日当たりの良い土手や道端には、空色の可憐な小さな花が多く咲いています。 この草花は「オオイヌノフグリ」です。花の直径は7〜10mmほどで 明治の始めころ、ヨーロッパから来たと言われています。 オオイヌノフグリを漢字で書くと「大犬の陰嚢」となり…

登り窯まつり(2)

14日から窯詰め作業が始まりました。3日ほどかけて行われます。 年年や猿に着せたる猿の面 ( 芭蕉 )(『芭蕉句集』新潮日本古典集成) 笠間の周辺の小学生の制作した「土面」です。 焼成された土面は、5月の「陶炎祭」の会場で展示されます。

春の水

二十四節気の一つの啓蟄も過ぎ、冬眠していた虫たちもそろそろ動き始めそうです。 しかし、この時期は短い周期で暖かくなったり、寒くなったりします。 黒須田川の水は、少し温み始めたのかな・・・・・ 鳥の羽を見れば行なりはるの水 ( 暁台 ) (『暁台句…

陶雛

今日は「雛まつり」です。 雛人形を飾り付けるときに、男雛と女雛の位置で迷うことがあります。 京雛では、向かって右が男雛、関東雛では、向かって左が男雛になっています。 飾り方は、雛まつりの行事が受け継がれて来た地方の歴史や 家ごとの伝統によって…

桃の花

家の近くの丘陵には耕作地が広がっています。 その中に「シェア畑」という市民農園があります。 暖かい日には、土を耕す姿が目立ち始めました。 その傍にある桃の木も、暖かい日差しを受けて開花しました。 桃さくや畠の肌の脱はじめ ( 乙二 ) 紅志野茶碗

登り窯まつり(1)

「第8回登り窯まつり」が、笠間市の奥田製陶所で 3月18日〜20日に行われます。 その準備が始まり、使用する薪(松)の小割り作業のお手伝いに行きました。 松(赤松)が登り窯の燃料として優れているのは、 樹脂を含んでいるため燃えやすく、火力も強…