下総を歩く(1)

 下総国は、小林一茶にとって第2の故郷でもあります。
一茶が歩いたと思われる「小金道」を馬橋駅から歩きました。

 一茶の「七番日記」(岩波文庫)によると、
文化七年六月十三日、流山に泊まり、十四日、小金牧付近の原野を歩いています。

  馬喰し虻が逃行蓮の花

 馬橋の近くには、一茶と深い親交があった大川立砂の居宅跡があります。

 此の道路の先に「萬満寺」があり、国宝仁王像は、運慶の作と言われています。
 今も残る旧水戸街道の道標、江戸が見えたという坂、賑わった小金宿の旅籠跡など、
その時代の雰囲気を感じながら北小金駅に向いました。
 そして北小金駅前の参道を通り「長谷山本土寺」を参拝しました。
この寺は「あじさい寺」とも呼ばれ、起伏に富んだ地形一万坪には、
5万本の紫陽花が植えられています。
 少し時期が遅かったようで、紫陽花の見ごろは過ぎていました。



 森田元夢(1727-1806)の句碑( 一茶28歳の時、葛飾今日庵元夢に入門 )

この時期に合わせて一茶の句がありました。

途中、こんな壷垣?に出逢いました。


    

 水壷、酒壷、油壷?・・・信楽焼かな。
この近くで焼き物を作っている様子はありませんでした。



    紫陽花の末一色になりにけり  一茶   『文化句帳』