書物
三木卓の本は、以前にも『蝶の小径』を紹介しましたが、今回は『昆虫のいる風景』集英社文庫・昭和59年9月刊です。この本は新潮社のPR誌『波』に2年ほど連載されたエッセイをまとめたものです。 この『昆虫のいる風景』 には、私が散歩で出会う、よく知っ…
本箱に新しい本が増えました。昨年5月に刊行された小手鞠るいさんの『鳥』2023年5月・小学館刊 という本です。私は小手鞠るいさんの本を読むのは始めてです。 この本は、小手鞠るいさんが描く「世界を広げる3部作」のうちの一つです。 アメリカと日本に住…
我が家に6月、二人目の孫が誕生しました。卯年にあやかったのか、蹴る足の動きが活発で、将来はスポーツ選手か?と・・「ジジ馬鹿ちゃんりん」になっています。 あと10日余りで「卯年」は終わります。本箱をいろいろと整理していたら「うさぎの絵本」が、い…
夏休みの時期は、昆虫に関連する写真展やイベント、そして展覧会が、いろいろなところで開かれています。 先日、東京ミッドタウンのサントリー美術館で開催されている特別展「虫めづる日本の人々」という展覧会に行って来ました。 展示されている作品は、江…
本棚を整理するとだんだんとカラフルな本が減り、背表紙が茶色をした本が目立つようになりました。並んでいるのは、ほとんど一茶に関する本ばかりです。そこに混じって文学者で詩人・歌人である相馬御風の本が5冊ほどあります。 『一茶と良寛と芭蕉』昭和22…
私の本棚の横には、孫が書いた「自然」という文字が掛かっています。 この「自然」という言葉は、日常よく使われる言葉です。自然遺産、自然エネルギー、自然共生、自然災害、自然破壊、自然美など幅広い分野で使われています。 この「自然」とは、抽象的な…
4月に「カワセミ」についての新しい本が発売されました。 『知って楽しい~カワセミの暮らし』笠原里恵著・緑書房・2023年4月10日刊 です。 著者の笠原里恵さんは、鳥類生態学や保全生態学の専門家で、河川や湖沼に生息する鳥類を対象に研究されている人で…
10月27日から「読書週間」が始まりました。今年の標語は「この1冊に、ありがとう」に決まったようです。 今年は、恒例の「神田古本まつり」が3年ぶりに開催され、先日、行って来ました。相変わらず古書には人気があり、お目当ての本を探す人の熱気で溢れて…
先日、私の誕生日に、孫が本をプレゼントしてくれました。 その本は『世界のカワセミ』大西敏一著・文一総合出版2015年6月刊です。 世界に棲息している「カワセミ」93種類が紹介されています。ほとんどが暖かい地域に棲息しています。日本では7種ほどいます…
4月から5月にかけては、生き物たちが活発に動く季節です。 3年ぶりに行動制限が解除され、ゴールデンウイークには、多くの人や家族が郷里へ帰るのではないでしょうか。 黒須田川に飛来していた「ツグミ」と「ジョウビタキ」も、このゴーデンウィークが終…
今回は、私の本箱から離れて、横浜市の図書館で見つけた鳥に触れた本を紹介します。 2冊とも図鑑ではなく、鳥類学者・中村登流(1931-2007)の書かれた児童を対象にした科学絵本・児童書です。2冊とも発行された年月が古く、書架ではなく書庫に保管されて…
秋の天小鳥ひとつのひろがりぬ 一茶『化五六句記』 一茶の句の中で好きな句の一つです。 澄んだ秋の大空に向かって鳥が飛び立っていった。 「立冬」も過ぎ、冬の訪れも・・渡り鳥だろうか。 最近、「小鳥」を描いた本を3冊読みました。 1冊目は『ことり』(…
10月4日は「古書の日」です。 恒例の「神田古本まつり」も、コロナ禍のため今年も中止になりました。 昨今は「新古本」と呼ばれる言葉をよく聞きます。「古書」と「古本」とは、どう違うのでしょう。 「古書」は、絶版になってから年月が経ち新刊として手…
9月20日から26日は「動物愛護週間」です。 「動物愛護管理法」第4条によると 「ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養について関心と理解を深めるようにするため動物愛護週間を設ける」と定められています。 この「動物愛護週間」は…
今日、7月30日は、児童文学者・新実南吉の生れた日です。 小学校の国語の教科書に載っている「ごん狐」の作者として知られています。 この本は、10年ほど前に古書店で見つけたのではないかと思います。 発刊されたのは、新実南吉が亡くなった半年後の1943…
この4~5年、草木や生き物などを描いた小説や随筆などを読むことが多くなりました。それに合わせて自然環境問題に触れた本も増えました。 5月27日は、アメリカの海洋生物学者レイチェル・カーソンが生れた日です。 カーソンは、わずか四冊しか著書を残し…
この絵は、私の部屋に飾ってあります。孫が小学6年生の時に描いた絵です。 大都会の朝焼けの中に、どっしりと立つ一本の大きな木。木の幹は太く、枝は逞しく生命力に溢れています。 大きな枝に絡むように、色の輪が軽やかに飛び跳ねています。 夜が明けるの…
先日、ブログでアンデルセンの本を紹介しました。その時に、1964年(昭和39年)に「国際アンデルセン賞国内賞」を受賞された「椋鳩十(むく はとじゅう)」という児童文学者を知りました。 椋鳩十さんは、日本の動物児童文学のジャンルを、新たに作ったと言…
海外の本で複数の翻訳がある場合は、複数の翻訳を読みたいと思っています。私の本箱にも、複数の翻訳者による本がありますが、今回は児童書です。 その本は、アンデルセン著の『絵のない絵本』です。 アンデルセンの童話と言えば、「マッチ売りの少女」「み…
今日、12月15日は、いわさきちひろさんの誕生日です。 先日、東京の下石神井にある「ちひろ美術館・東京」を訪ねました。 西武新宿線の上井草駅から歩いて5~6分の閑静な住宅街の中にありました。 紅葉が残る大木に包まれるように赤い家がありました。…
11月12日は、ドイツの児童文学作家・ミヒャエル・エンデの生誕日です。 エンデは、日本とも関係が深く、奥さんは日本人で、信州・黒姫高原には「黒姫童話館」があり、多くの資料が収集されています。 『モモ』は、エンデの代表作で45年以上前に書かれた…
10月27日から開催されている「第60回神田古本まつり」に行ってきました。 開催されてから1週間が経っていますが、まだ大変賑っていました。 神保町の古書店の前の道路では<青空古本市>が開かれています。 吊りさげられた裸電球に群がるようにリュッ…
今日から「読書週間」が始まりました。 2019年の読書週間の標語は 『おかえり、栞の場所で待ってるよ』です。 1947年以降の標語の中で「栞」については、こんな標語がありました。 2004年『落ち葉をしおりに読書の秋』 2006年『しおりいらず…
分け入っても分け入っても青い山 うしろすがたのしぐれてゆくか これは種田山頭火(1882-1940)のよく知られた句です。 10月11日は、山頭火が亡くなった日です。 山頭火は、明治・大正・昭和を生きた自由律俳句の俳人で、58歳で亡くなっています。 俳…
先日、行きつけの古書店でこんな本を見つけました。 『ISSA』 1981年12月発行となっていますが、市販品ではないようです。 しかし装丁はしっかりとしています。 内容は 『Leidenden Mitmenschen im Geiste von Issa』 序文、エッセイ、そして一茶の…
7月10日は、語呂合わせで「納豆の日」と呼ばれています。 しかし、あまり知られていませんが、「文庫本始まりの日」でもあります。 1927年7月10日に『岩波文庫』が創刊され、今や、文庫本は単行本よりも親しい存在であるように思います。 現在、文庫本の出…
樋口一葉の作品に『うもれ木』という小説があります。 『たけくらべ』『にごりえ』『大つもごり』ほどに知られていませんが、『うもれ木』は 明治25年(1892年)樋口一葉20歳の時、一流雑誌『都の花』95号に発表し出世作となりました。 「うもれ木」とは、長…
萩焼の達人と言われる原田隆峰著の『木葉天目の謎』(書肆侃侃房・2011年5月刊)を読みました。 「木葉天目」とは、木の葉の模様を器に焼き付けた焼き物のことを言います。 この焼き物は、南宋時代、中国江西省の吉州窯で作られましたが、奇跡に近いような偶…
この緑色をした虫は「チャバネアオカメムシ」と言います。 工房に、よく現れる黒茶褐色をした「クサギカメムシ」とは違い美しい色をしています。体長は約1cmほどです。 カメムシと言えば、刺激を与えると、あのくさい臭いを出します。 なぜくさい臭いを出…
10連休の最後の日に「早稲田青空古本祭」に行って来ました。 場所は、早稲田大学の構内にある10号館前、大隈重信銅像のそばです。 いろいろな古本市に行きますが、その開催場所によって、古書の種類に特色があるように思います。今回は、新書と文庫本が…