街頭ではジングルベルの音楽が聞こえる季節になりました。
紅葉前線も南下し、観光地では賑わっています。
わが工房の庭のモミジも、先年、大きな枝を剪定しましたが、いつもの鮮やかな色で紅葉しました。
少し散るうちや紅葉も拾はるる
一茶『八番日記』
紅葉葉や爺はへし折り子はひろふ
一茶『我春集』
庭は、いつしか赤い色が多くなり、少しは寒い雰囲気を和らげてくれそうです。
垣根の八重のサザンカは鈴なりに咲き、朝露を受けて・・今が満開です。
植え替えた万両も、元気に赤い実をつけてくれました。
万年青は根茎、葉は薬効があります。青い実は秋が深まると、ふくよかで真丸い赤い実に熟します。 そして鳥が食べるそうです。
赤い実は鳥も目につくかきね哉
一茶『文政句帖』
夏の夜、美しい白い花を咲かせていた「カラスウリ」も赤い実になりました。
南天のこの葉の色はなんて表現すれば・・
日本の伝統色で赤色の表現する言葉は「紅赤」「真紅」「臙脂色」など沢山あります。
一番近い色の表現として「深紅」ではないかと思います。
「深紅」とは「深みのある真っ赤な紅色」のことです。別名「真紅」とも表記されます。
ヤツデの果実は、緑から茶色、黒へと変化して、翌春にかけて熟していきます。
赤色に包まれた工房で、今年、最後の作品作りとなりました。
伊賀赤(粗目)と鉾田土(水簸せず原土のまま)を混ぜました。
鉾田土は、鉄分の少ない部分を使用しました。
砂混じりで粘性に欠け、単味での使用は難しい。
「伊賀土3号」は粗目を使用。土味は好きですが砂化が強く、ロクロ成形では手の皮が擦り切れそうです。
今回は、いつもより花入れが多くなりました。
どこからか「カメムシ」が現れました。
屋外では、鳥の囀りが賑やかです。
しかしロクロの音に消されてしまうのが残念です。
今年は梅の木に「雀」が多く集まってきたように思います。
少しおしゃべりが大きく、喧しく感じます。天敵はいないからだろうか?
散紅葉雀の罠にかかる哉
一茶『七番日記』
入れ替わりに来たのが・・「シジュウカラ」
続いて「ヒヨドリ」。警戒心が強く、すぐに飛んで行ってしまいます。
何度も何度も水を飲んで鳴きます。
「アオジ」は遠慮がちに垣根の木陰に現れました。胸の黄色に特徴があります。
「黄雀」と呼ばれたりします。
庭に訪れる鳥たちの動きを見ていると、時間の経つのが速く感じます。
「オオカマキリ」は、木槿の木の1.5mの所に巣を作り、冬眠に入っています。
「カマキリは、その年の積雪を予測して卵を産む位置を決める」という言い伝えありますが・・ この冬はどうかな。
南天の幹にも巣を作っていました。
「女郎蜘蛛」は、工房の守り神で、出入り口や通路を巣で塞いでしまいます。
枯葉を獲物と間違ったのかな・・格闘しているようです。
暖かい日には、枯葉の下からノコノコと現れる「カメノコテントウ」。
背中の模様が大変面白い。初めて見ました。
桜、欅の葉は散り終えました。
後は天気の晴れる日を望み、作品の乾燥を待つばかりです。
本格的な寒さはそこまで・・
またけふもおち葉の上の住居哉
一茶『七番日記』
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