散歩していると、公園の草叢をヒラヒラ揺れ動きながら、ゆっくりと飛ぶ黄色い蝶をよく見かけます。
風の流れをうまく受けて飛んでいるようにも見えます。
飛んでいる5cm足らずの蝶を撮影するためにカメラを向けると・・離れて行ってしまいます。
近づいて来たかと思うと、また離れていく・・警戒心が強そうです。
どこかに止まってくれるのを、じっと待ちます。
やっと「ノゲシ」に止まってくれました。
翅の縁がピンク色をした綺麗な蝶です。
「モンキチョウ(紋黄蝶)」のようです。
「モンキチョウ」は、後翅の中央に黄白色の円紋があります。
翅を開くと約5cmほど、夏型では前翅の黒い縁取りがありますが、秋型には消えます。成虫で越冬するといわれ「越年蝶」という別名があるそうです。
この「ふわりふわり」と飛ぶ、この飛び方は、鳥や甲虫などの飛び方とは違うそうです。
調べてみると、蝶は一度の羽ばたきで起こる空気の渦に乗って飛んでいるそうです。
翅の鱗粉も、翅にかかる空気の抵抗を抑えて、翅が羽ばたき易くしているそうです。
またこの飛び方は、外敵を防ぐ役目があるとか・・・?
今はほとんど見る機会がなくなりましたが、演芸番組などで紙の蝶を扇子の風で舞わせる曲芸(蝶のたわむれ)がありました。その程度の風の強さが、一番飛びやすい渦となるのでしょうか(詳しい根拠は解りません)
「蝶」について調べたら、こんなことも知りました。
江戸時代の珍商売として『近世流行商人狂哥絵図』・読本作者の曲亭馬琴(1767-1848)に、「蝶々売り」という珍しい商売が描かれていました。
目深に被った編み笠の蝶々売りの姿と売り声が記されています。
蝶は生きた蝶々ではなく、紙で作られたオモチャの蝶で、細く削った竹の竿の先に取り付けられていて、動かすと飛んでいるように見えたのでしょう。値段は4文(100円位かな)で売られていたようです。「蝶々売り」は京阪になく江戸だけにあった商売です。
三谷一馬著の『江戸商売図絵』(中公文庫)にも「歌川国貞の画」が載っていました。
この蝶は 草原などで、ごく普通に観られる蝶「キタキチョウ(キチョウ)」です。
「モンキチョウ」よりやや小さいが、飛んでいるときは「モンキチョウ」か「キタキチョウ」かの見分けは難しいです。
蝶の ふわふわと飛ぶ動きには「癒しの効果」があるように思えます。
突然、私の傍に飛んで来て絡みつきそうになるや、すぐ蜜を探しに遠くへ飛んで行ってしまいます。
ひとり(いや1匹、正式な学術用語では1頭と数えるそうです)で、楽しく遊んでいるように見えます。
こっそりとしてあそぶ也浅黄蝶
一茶 『八番日記』
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黄瀬戸四方鉢
11.4*11.4 高さ:6.5cm
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