古書の露肆

 

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 10月27日から開催されている「第60回神田古本まつり」に行ってきました。 

 開催されてから1週間が経っていますが、まだ大変賑っていました。

 神保町の古書店の前の道路では<青空古本市>が開かれています。

 吊りさげられた裸電球に群がるようにリュックを背負った本の虫(人)たち・・・

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 菊日和リュックの重き古書の市

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 若菜集見返しに遺る青き紙魚

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 白きより赤茶を齧る紙の虫

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 希少本角崩れおり黴匂ふ

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 燈火親し机の上の虫めがね

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 露地口やベストセラーの日向ぼこ

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 路地裏の雑然と積まれた本の中で見つけたのは・・・

 大正15年8月発行された、栗生純夫の『一茶新考(西沢書店・1926年刊)です。この本は、以前から探していた本の1冊です。

 栗生純夫(1904-1961)は、長野県生まれの俳人で、一茶研究家としてよく知られた人で、若い時から一茶を研究しており『寛政三年紀行』などの新しい資料を発見しています。

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 絶版本なので見つけるのが難しいと思っていました。しかし探していた本に出逢えるのは嬉しいものです。

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 また新しい本との出会いもありました。

 最近、公園を散歩中によく「蝶」に出合います。そのせいか、本の題名が気になって購入しました。

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 『蝶の幻想』です。

小泉八雲著・長澤純夫編訳・築地書館・1988年9月刊 

 自然科学者・長澤純夫の眼によって小泉八雲の「虫の文学」を、新しく訳出された本です。

 「蝶」という作品の中で「蝶を詠んだ俳句をここにいくつか示すことは、日本人の蝶に対する美意識を説明するうえでおおいに役立つであろう。そのうちのあるものはただ一枚の絵である・・」と芭蕉、蕪村、子規ほか、江戸時代の俳人の俳句が20句ほど紹介されています。その中に一茶の句が4つありました。

 鳥さしの竿の邪魔する胡蝶かな『文政句帖』

 籠の鳥蝶をうらやむ目つきかな『文政句帖』

 蝶とぶやこの世に望ないように『化三~八写』

 睦じや生れかはらば野辺の蝶『七番日記』

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 先日、黒須田川の遊歩道を散歩中に、出合ったたちを加工(切り抜き)してみました。

 ウラナミシジミ

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クルツバメシジミ

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ツバメシジミ

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 ツマグロヒョウモン

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 紅志野茶碗

  地元の鉾田の原土を水簸せず成形し

  紅志野釉(市販)を施釉しました。

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