2019-01-01から1年間の記事一覧

野趣

東京虎の門のビルに囲まれた高台にある「菊池寛美記念・智美術館」で開催されている『野蛮と洗練~加守田章二~』展に行って来ました。 平日でしたが混み合っており、加守田章二の「彩陶」の作品には人気があるのでしょう。 加守田章二の展覧会は、2005年・…

句碑散歩(13)

鬱陶しい梅雨空の中、茨城県取手市の大鹿山長禅寺に行って来ました。 JR取手駅東口を出て少し歩くと、駅前とは思えない木々が茂り、深山幽谷の趣のある高台に、臨済宗の古刹「長禅寺」がありました。 南側の急な石段を登り、山門(鐘楼)をくぐると正面に…

うもれ木

樋口一葉の作品に『うもれ木』という小説があります。 『たけくらべ』『にごりえ』『大つもごり』ほどに知られていませんが、『うもれ木』は 明治25年(1892年)樋口一葉20歳の時、一流雑誌『都の花』95号に発表し出世作となりました。 「うもれ木」とは、長…

本箱(8)

萩焼の達人と言われる原田隆峰著の『木葉天目の謎』(書肆侃侃房・2011年5月刊)を読みました。 「木葉天目」とは、木の葉の模様を器に焼き付けた焼き物のことを言います。 この焼き物は、南宋時代、中国江西省の吉州窯で作られましたが、奇跡に近いような偶…

におい

この緑色をした虫は「チャバネアオカメムシ」と言います。 工房に、よく現れる黒茶褐色をした「クサギカメムシ」とは違い美しい色をしています。体長は約1cmほどです。 カメムシと言えば、刺激を与えると、あのくさい臭いを出します。 なぜくさい臭いを出…

梅子黄

二十四節気の一つ「芒種」の末候は6月15日頃で「梅子黄(うめのみきばむ)」と言います。 我が家の梅の実も熟し始めました。 昨日、収穫をしますと6kgもありました。 昨年より多いので、いつもの梅干しと、今年は「梅酒」を作ろうと思います。 「梅」…

万緑

今の季節を、時候の挨拶文では「万緑の候」という言葉で表現します。 草木の葉が、緑色いっぱいに輝く、美しい季節です。 緑色は安らぎと、そして目を癒してくれる色でもあります。 この風景は、我が家の居間から見える広場の樹木です。 太陽光によって木の…

旨酒

今日は「父の日」です。 私の父は、4歳の時に戦死しています。 父の思い出については、ほとんど記憶にありません。 一茶は『おらが春』の中で、娘のさとの成長を願って、次のような句を詠んでいます。 「這え笑え二つになるぞけさからは」 其角の狂歌にも、…

観天望気

関東地方は5月30日に梅雨入りが発表されました。 天気を予想する言葉に、公式の天気予報ではない「観天望気」という表現があるようです。 この「観天望気」とは、日常の経験で得た自然現象や生物の行動の様子などから天気の変化を予測することを言うそう…

蝋梅の実

この青い実は、何の実か分かりますか。 冬、1月頃に黄色い花を咲かせた「蝋梅」の実です。 気がつかない人も多いのではないでしょうか。私も初めて知りました。 この蝋梅の実は、食用にはなりません。また種子には、有毒物質のカンカンチンが含まれています…

濱田橋

民芸陶器で人間国宝に認定された「濱田庄司」の生誕の地を訪ねました。 東急田園都市線溝の口駅の南口を出て、1分ほど歩くと、駐車場の傍に、濱田庄司の生誕の碑がありました。 碑の意味は「陶匠は跡を留めず」 この碑の裏側のホテル付近に生家がありました…

六古窯

今日、出光美術館で開かれている「六古窯~<和>のやきもの~」展を観てきました。 この美術館は、ビルの9階にあり、そのロビーからの展望は絶景です。 新緑が輝いていました。 官庁街と皇居 桜田門 二重橋まで見えました。 今日は気温26度、湿度も低く…

石垣キャンバス

夏日の日が多くなり、水に触れたくなる季節となりました。 私の家の近くを流れる黒須田川にも、水浴びに鳥たちがよく来ます。 川の護岸は、ほとんどがコンクリートブロックで、安心して水遊びや餌を探しています。 「チチィ」と軽やかに鳴いて、巣作りに励む…

母子草

今日、5月の第2日曜日は「母の日」です。 「母の日」は、日頃の母の苦労に感謝をする日で、この風習は、第二次大戦後に、アメリカから伝わりました。 この黄色い花は「ハハコクサ(母子草)」と言います。 庭、道端、野原、公園など、至る所で見られる草花…

蛙始鳴

5月6日は「立夏」です。 二十四節気・七十二候の初候では「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」の時季と言われています。 工房の近くの田圃には、水が取り入れ始め、蛙の鳴き声がだんだんと賑やかになって来ました。 蛙は、人間の身近に棲息している生き物で、…

古本祭

10連休の最後の日に「早稲田青空古本祭」に行って来ました。 場所は、早稲田大学の構内にある10号館前、大隈重信銅像のそばです。 いろいろな古本市に行きますが、その開催場所によって、古書の種類に特色があるように思います。今回は、新書と文庫本が…

特別行為税

この古茶けた色になった『一茶の研究』(藤本實也著・青葉書房刊)は、昭和18年6月に発行された本です。 奥付には「特別行為税相当額」という文字が印刷されていました。 本の奥付は、本の履歴書のようなもので、奥付の歴史は古く、享保7年まで遡ります。そ…

本箱(7)

先日、古本屋で『備前の窯芸』宗田克己著(昭和18年11月発行・七丈書院刊)という本を買いました。 書名の「窯芸」、通常は「〇〇の陶芸」「〇〇陶磁器」や「〇〇工芸」などと表現されるのが多いのですが、このような書名はあまり見かけません。 陶磁器は、…

番い

朝早くから雉の声が・・・ 眠気を一喝する鳴き声です。 工房の前の田圃に現れた雉の「番い(つがい)」です。 やっと雉の番いが撮影できました。 雉は警戒心が強く、すぐ逃げられてしまい・・・ 山の雉あれでも妻をよぶ声か 一茶(『七番日記』) でも、こん…

花韮

この星形の白い花は「花韮(ハナニラ)」です。 植えた記憶がないのですが、いつの間にか、庭の所々に咲くようになりました。 「花ニラ」は繁殖力の強い花で、タネが散って自然に増えたりします。 黒須田川の歩道の桜は、すっかり葉桜となりましたが、木の根…

やきもの展(2)

4月になって、暑くなったり寒くなったり・・・九段下から「北の丸公園」を訪れた日はお堀の桜は散り始め、お花見には遅かったようです。 桜は散りつつありましたが、新緑が眩しいほど美しく輝いていました。 東京国立近代美術館工芸館の『The備前Biz…

よこはまだけ

先日、『神奈川区いまむかしガイドの会』主催の歴史散歩で「保土ヶ谷道」を歩いて来ました。 「保土ヶ谷道」は、横浜市西区にある『温故知新のみち』の1つです。 「温故知新のみち」は、歴史ある横浜市西区の魅力を再発見できる散策ルートとして、区内を通…

すずめのお宿

二十四節気七十二候によると、3月20日から24日頃を「雀始巣」といい、すずめが巣を作り始める頃と言われています。 先日、その雀の巣(お宿)と名前が付いた、目黒区にある「すずめのお宿緑地公園」に行って来ました。 今では珍しい、都心のなかに残さ…

タケノコ

桜は開花。 木々も芽吹き、春めいてきました。 道端の「タチツボスミレ(立壷菫)」も、その仲間入りです。 竹藪で枯葉を押し上げていたのは・・・ 「筍」です。 笋のうんぷてんぷの出所哉 一茶 (『七番日記』) 「筍」は、成長が速く10日間ほどで「竹」…

句碑散歩(12)

今回は、中山道の「戸田の渡し」を中心に、残されている旧中山道を辿って戸田公園駅まで歩きました。 JR浮間舟渡駅からスタートして戸田橋に向いました。 駅の近く浮間ケ池(浮間公園)の水鳥たちが迎えてくれました。 「キンクロハジロ」 * 水鳥のどちへ…

登り窯まつり(3)

笠間の森も やっと暖かくなり、鶯の鳴き声が聞こえて来るようになりました。 桜の蕾も膨らんでいます。 先日、行われた「登り窯まつり」の窯出しに行って来ました。 閉じた焚き口を開く時は、いつも緊張するものですが、今回は、もう窯は開かれていました。 …

器の転用

東京都中央区立郷土天文館(タイムドーム明石)の『お酒と遺跡』展に行って来ました。 中央区で出土した遺物を、「いれる・運ぶ」「温める」「つぐ」「呑む」「転用された酒器」の5つの項目に分けて展示されていました。 焼き物の転用は、縄文時代から行わ…

登り窯まつり(2)

3月8日から笠間市の奥田製陶所で「登り窯まつり」が始まりました。 奥田製陶所の登り窯(仕法窯)は、旧笠間藩の伝統のある窯です。 3日かけて窯詰めが終わり、火が入るのを待っている胴木間です。 正面には、今年の干支である大きな猪が置かれました。 …

フリーペーパー

春を告げる花と言われる「福寿草」です。 散歩中に草叢で見つけました。(写真は2週間ほど前に撮影しました) 野生の福寿草ではないようで、誰かが持ち込み植えたのかもしれません。 * 福寿草は、古くから親しまれてきた園芸種で「古典園芸植物」と言われ…

紅白雛

冷たい雨の降る「ひな祭り」です。 紅白の人形(ひとがた)一輪挿しを作ってみました。 男雛:高さ18.2cm、女雛:高さ17.1cm * 我こねた 土のひなでも 祭り哉 一茶 (『八番日記』) * * * *