今日、やっと関東地方も梅雨が明けました。昨年と比較すると1ケ月も遅れました。
昨日のサッカーグランドには、まだ水溜りが残っていました。
雨が降った後の水溜りに、元気よく滑走している「アメンボ(水馬)」を見かけたりします。しかし、この水溜りには「アメンボ」はいませんでした。
グラウンドの傍の黒須田川には、たくさんの「アメンボ」がいました。
波紋の複雑な重なりが、大変美しいです。
「アメンボ」を「雨」と関連づけて「雨ん坊」と呼ばれているようですが、本当は間違いです。
名前の由来は、捕まえると中央にある臭腺から飴のような臭いがするので「飴ん坊」という名がつけられました。
「雨ん坊」と呼ぶのは、民間語源による呼び方です。
(注)民間語源とは、語の由来について言語学的な根拠のないものを言います。しかし正しい語源が判っても誤った説の方が広く知られていることがあります。
「アメンボ」は、日本だけでも200種ほど確認されていますが、10種類ほどは絶滅危惧種に指定されています。
江戸時代は「アメンボ」を「跳馬(チョウマ)」と呼んでいました。
関西では「水澄し」と呼んでおり、「アメンボ」と「水澄し」を間違うようです。
2つとも水の上を滑走する虫で「水澄し(まいまい)」は、紡錘形で黒く光沢があり、くるくると旋回して泳ぎます。「アメンボ」とは 生物学的には全く違う昆虫なのです。
なぜ紛らわしくなったのかは「水馬虫」の文字を宛てたのが間違いと言われています。
脚は、4本ではなく6本です。 中脚と後脚が細長く、前脚は短いのが2本あります。
餌は、水面に落ちた虫などの波紋を感知して前脚で捕まえて食べます。
「アメンボ」は、どうして水上を歩けるかと言えば、「アメンボ」の体重は40mg位と軽く、そして中脚と後脚の先に、水に濡れ難い毛が沢山生えています。
この細い毛には、体内から油を出しており、水を弾き浮くことが出来るのです。
前脚の振動で水面に波紋を作って個体と交信もします。緊急時や求愛時、雄同士の縄張り主張などによって波紋を変えているそうです。
稲を枯らすウンカという害虫を退治してくれる益虫でもあります。
「アメンボ」は4枚の翅があり、種類によっては飛ぶ種とほとんど飛ばない種があります。
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山水の清むが上をも水馬
一茶 『文政句帖』
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刷毛目茶碗
口径:9.4cm・高さ:14.6cm・高台径:4.9cm・重さ:340g
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