観天望気

 関東地方は5月30日に梅雨入りが発表されました。

 天気を予想する言葉に、公式の天気予報ではない「観天望気」という表現があるようです。

 この「観天望気」とは、日常の経験で得た自然現象や生物の行動の様子などから天気の変化を予測することを言うそうです。

 『夕焼けの次の日は晴れ』などは、よく使っているのではないでしょうか。

 また観天望気として使われる生物には、蜂、燕、蛙、猫、蚯蚓、山鳩、蜘蛛などが挙げられています。

 その中で『ツバメが低く飛ぶと雨』が降るという観天望気があります。

 それは雨が降ると湿度が高くなり、餌である昆虫の羽根が水分で重くなり低く飛ぶので、ツバメも餌を獲るため低く飛ぶと言われています。

 今の時期を言うのでしょうか。

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 その「ツバメ」が、私が日常利用している駅の構内に巣を作っていました。

 この巣に気が付いたのは5月31日でした。抱卵中で、これから2週間ほど温められます。

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 こんなに人が多く、賑やかな場所に巣をつくるのは、天敵であるカラスから守るためです。人間に見えるように巣をつくるのは、他の鳥と大きな違いがあります。

 この多くの人が住むところに作られるツバメの巣は、人の出入りが多いということで、商売の繁盛の印とされています。

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 構内の2ケ所に巣がありました。

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 ツバメは益鳥で、江戸時代、糞は雑草の駆除に役立つと考えられていたようです。

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 ほぼ2週間後の6月14日に、3羽生まれていました。 

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もう一つの巣には、2羽生まれていました。

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 気象庁のデータによると関東地方の平年の梅雨明けは、7月21日頃と言われています。

 ツバメが高く飛ぶのは、いつ頃になるのでしょう。

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 乙鳥やゆききの人を深山木に

          一茶 『七番日記』

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 朝鮮唐津耳付花入

   口 径:6.5cm・高さ:19.9cm

    高台径:8.0cm・重さ:830g

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<追伸>

 6月22日 <観察>

 2羽と思っていた巣には、5羽誕生していました。

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7月2日<観察>

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 こんなに大きくなっていました。

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 5羽のはずが4羽です。1羽は亡くなったのかな?

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 もう一つの巣は、空っぽになっています。全部巣立ったようですね。

巣の下も綺麗に清掃されていました。

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7月6日<観察>

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 飛ぶ練習を始めました。

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 こんな場所も遊び場です。

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 四兄弟、元気に巣立ちです。

 一羽はどうした?

 巣の温もりが忘れられないのかな。

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 7月8日、もう巣にはいませんでした。

 親の抱卵から1ケ月で一人前。

 餌を求めて、新しい生活が始まります。

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 乙鳥とぶや二度とふたたび来ぬふりに

            一茶 『七番日記』

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後日、こんな貼り紙がありました。

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