柿には「甘柿」と「渋柿」があります。この違いは渋み成分「タンニン」が口の中で溶けるか、どうかで決まります。
「 樽柿の少し渋きをすてかねし 」 ( 子規 )
この「樽柿」とは渋抜きをした柿のことです。その方法は、空いた酒樽に渋柿を入れて詰め、
樽に残った酒気で渋を抜き甘くします。
「 ひとり旅しぶ柿くふた顔は誰 」 ( 嵐雪 )( 『玄峰集』)
渋柿を食べたときの顔は、別人の顔となるようで、誰もが経験しているのではないでしょうか。
「 渋柿と烏も知て通りけり 」 ( 一茶 )
賢い烏は熟柿となるまで待つようです。
私の住んでいる家から歩いて20分ほどのところに真言宗王禅寺があります。
この寺には「禅寺丸柿」の原木(樹齢およそ450年原木のひこばえ)が境内に保存されています。
この禅寺丸は日本最古の甘柿と言われており、形は丸く、小ぶりで甘く種が大きいのが特徴です。
私はまだ食べたことがありません。