2016-01-01から1年間の記事一覧
「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」は、二十四節気の七十二候の一つです。 葉が色づき始め、かなかなとヒグラシの鳴く声を聴くと、 夏が終わり、秋の訪れを感じます。 日ぐらしも啼ねば淋し初もみぢ ( 単兆 ) (『単兆発句集』)
車に乗ろうとした時、窓にしがみ付いたバッタ、 近寄ってもなかなか逃げようとしない・・・キリギリス?・・・ホシササキリだろうか? 片足は踏みとどまるやきりぎりす ( 太祇 ) (『太祇句選』) 一茶は「きりぎりす」の句を多く詠んでいます。 先日、訪…
最近は製造技術の向上で、貫入の入らない陶磁器は多くなっています。 しかし陶器では、どうしても貫入が入ります。 「貫入」を「味わい・見どころ」と見るか。それとも「不良品」「欠陥」と見るかは 作り手、使い手によって、捉え方は千差万別のようです。 …
庭の藤の蔓にとまった塩辛蜻蛉。 夕陽を受けて透明の翅が赤く耀いています。 御祭の赤い出立の蜻蛉哉 ( 一茶 ) 高さ:18.6cm
雲の峰きのふに似たるけふもあり ( 白雄 ) (『白雄句集』)
甘酒と言えば寒い冬の飲物ものとばかり思っていましたが、 江戸時代には夏バテの解消法のために飲まれていたようです。 甘酒は「一夜酒(一晩で醸造した酒)」または「醴酒(こざけ)」とも呼ばれていました。 俳句では夏の季語です 村中にうからやからやひ…
湯呑茶碗は取っ手がありませんが、珈琲茶碗には取っ手があります。 それは旨味成分を抽出するために、淹れる温度が、お茶とは違います。 また珈琲茶碗は磁器製のものが多く、陶器製に比べて熱伝導がよく、 器が熱くなり、取っ手が必要なのでしょう。 今は陶…
日本の伝統色の中に「雀色」「雀茶」という色があります。 雀の頭のような赤黒い茶色のことをいいます。 江戸時代には、空が雀色に染まる夕暮れ頃を「雀色時」と呼んでいました。 「雀」と言えば一茶に多くの雀を詠んだ句があります。その中でも 「雀の子そ…
夏を彩る花の代表である木槿は、中国原産で平安時代に渡来しました。 強い木で、枝を切って地面に挿しておくと、いつの間にか根づきます。 5年前に挿し木した八重木槿が、毎年、工房の入口を飾ってくれます。 花木槿はだか童のかざし哉 ( 芭蕉 ) 蠟抜辰砂…
コーヒーカップの取っ手は多種多様で、そのデザインが、カップの個性ともなっています。 エスプレッソカップは、普通のコーヒーカップより小さいので、取っ手も小さくなっています。 取っ手が小さいとコップを持つ手や飲んでいる姿勢が優雅に見えるそうです。…
今ではコーヒーを飲んだことのない人は、ほとんどいないのではないでしょうか。 『日本でコーヒーが飲まれたのは、文化元年で、 最初に試飲したのが大田蜀山人で、その時の日記に 「焦げくさくして味ふに堪ず 」という感想を残した。 1884年には、日本で最初…
縦縞の文様は、古くから親しまれてきた文様で、 植物の「十賊」に似ていることから木賊(十草)文と呼ばれています。 また麦藁手、千筋、有平とも呼ばれますが、線の太さや間隔などが異なっています。 むら雨の十賊に通る暑さ哉 ( 嵐雪 )
7月22日から8月7日は、二十四節気の大暑にあたります。 七十二候では7月29日から8月2日を「土潤溽暑」といい、この期間は気温が上がり、 高い湿度が加わり不快な暑さとなります。 現在、工房の傍では、高速道路が建設中で、降雨によって道路の脇に…
野原や公園の芝生には、クローバーが密生しているところがあります。 先日、孫と公園で遊んでいて四つ葉のクローバーを見つけました。 見つかる確率は、三つ葉に対して一万分の一から十万分の一と言われており、 見つけた人には幸運が訪れるとか・・・ クロ…
2つ以上の色釉を流し掛けすることを掛分けといいますが、 釉薬の重なる部分に、いろいろな変化や色の表情を見せてくれます。 夕立や僅に降て田の黒み ( 肥前 紫白 ) (『俳諧玉藻集』) 高さ:11.2cm
わくら葉にとりついて蝉のもぬけ哉 ( 蕪村 ) (『蕪村俳句集』岩波文庫) 高さ:18.7cm
関東地方では、まだ梅雨が明けず、暑さはこれからですが、 庭の櫻の葉がちらほらと散り始めました。 櫻は他の木々より先に紅葉し、散るのも早いようです。 早咲の得手を櫻の紅葉かな ( 丈草 ) (『丈草発句集』) 焼締瓢徳利
暑い時は、かき氷を食べたくなりますが、時々「天然氷のかき氷」いう看板を見かけます。 この「天然氷」は、冬に山の沢水でできた氷を保冷庫(氷室)に蓄えて、夏に使用されます。 現在、天然氷を製造・販売されているのは、全国で数軒しかありません。 昭和…
家の近くの街路樹です。木々の間を吹き抜ける涼風が、暑さを忘れさせてくれます。 市人の爰見立けり夏木だち ( 召波 ) (『春泥発句集』) 緑釉フリーカップ
南天は難を転ずるという語呂合わせから縁起のよい植物とされています。 初夏に白い花を咲かせ、秋から冬にかけて赤い実をつけます。 『 南天の実になる花と思はれず ( 子規 )』(『季語別子規俳句集』)という句がありますが、 今、咲いている白い花は、風…
今日は二十四節気の「小暑」にあたります。 梅雨の明ける頃とされており、梅雨が明けると本格的な夏の天候になります。 今日は、山梨県勝沼町で38.8℃を記録するなど、全国51地点で猛暑日になりました。 夏目成美(江戸時代後期の俳人)に 『七夕に願い…
蝸牛(カタツムリ)は、でんでんむし、でんでん、マイマイなど、いろいろな名前で呼ばれています。 また種類も多く、日本には500種類以上おり、地域によっても種類が異なるようです。 「マイマイ」の語源は、子供たちが舞え舞えと、はやし立てたという説…
「 雨蛙芭蕉にのりてそよぎけり 」という、よく知られた其角の俳句がありますが、 我が庭の雨蛙は、紫陽花に乗って風に吹かれています。 円象嵌盃
雀は民話や童謡で親しまれてきた小鳥ですが、だんだんと減少の傾向にあるといわれています。 雀の愛嬌のある動きや啄む姿を見ていていると踊っているようです。 麦は初夏に収穫期を迎えますが、黄色に色づいた麦畑もほとんど見られなくなりました。 そして麦…
今日は二十四節気の一つ「夏至」です。夜の長さが一番短いとされています。 生活している場所にもよりますが、午前4時頃には白々としてきます。 早起きで新しい発見もあります。昨夜は小糠雨だったようです。 みじか夜をしらで明けけり草の雨 ( 召波 ) (…
天候に関する四字熟語の中に「黒雲(黒風)白雨」という言葉があります。 白雨とは夕立のことです。その語源は北宋の詩人蘇東坡の詩「望湖楼」からきています。 暗雲とともに激しく降る驟雨は、生活の音までかき消します。 白雨や鐘きゝはづす日の夕 ( 史邦…
沖縄地方は梅雨が明けました。 関東地方は、まだ梅雨は明けていませんが、雨上がりの若葉の鮮やかな緑・・・・。 大空も見えず若葉の奥深し ( 北枝 ) (『北枝発句集』)
近くの寺の境内で見つけた、この蛾の名前は「ユウマダラエダシャク」と言います。 日中は羽根を開いて暗い葉の上で休み、夕方になると活動をします。 そして幼虫の時の名前が、良く知られているシャクトリムシ(尺取虫)です。 虫に迄尺とられけり此はしら …
紫陽花のすぐり寄たる莟かな ( 白雄 ) ( 『白雄句集』 ) 口径:7.5cm・高さ:7.4cm
「イッチン」とは、江戸時代から陶器の文様(表面を立体的に装飾する方法)を描く用具の一つであり、 初めは染物(一珍糊)で使用されていました。 言葉の由来は、古九谷の下絵付けしていたとされる久隅守景の雅号「一陳斎」から出たとも言われています。 (…