寸胴花入(3)胴締朝鮮唐津

 「荻」と「芒」を見間違うことがあります。生育場所、生え方、花穂などをよく見れば分かりますが、もっとはっきりと見分けるには、花穂の小花の「芒(のぎ)」の有無を調べます。「のぎ」が有れば「芒」、無ければ「荻」です。「のぎ」とは稲、麦などの実の殻にある針状の毛をいいます
 やきものの世界でも「禾目(のぎめ)」という言葉があります。陶器の表面に「芒(のぎ)」のような細長い斑文をそう呼びます。その代表として「禾目天目茶碗」が、よく知られています。また朝鮮唐津にも禾目みたいな釉の走りがみられます。

     晩鐘に幾つか沈む尾花哉  ( 千代尼 )  (『千代尼句集』)

     一斉に海に吹かるる芒かな ( 放哉 )   (『尾崎放哉全句集』)

     山は暮て野は黄昏の薄哉   ( 蕪村 )    (『蕪村句集』)


高さ:18.8cm・径:9.6cm