「荻」と「芒」を見間違うことがあります。生育場所、生え方、花穂などをよく見れば分かりますが、もっとはっきりと見分けるには、花穂の小花の「芒(のぎ)」の有無を調べます。「のぎ」が有れば「芒」、無ければ「荻」です。「のぎ」とは稲、麦などの実の殻にある針状の毛をいいます
やきものの世界でも「禾目(のぎめ)」という言葉があります。陶器の表面に「芒(のぎ)」のような細長い斑文をそう呼びます。その代表として「禾目天目茶碗」が、よく知られています。また朝鮮唐津にも禾目みたいな釉の走りがみられます。
晩鐘に幾つか沈む尾花哉 ( 千代尼 ) (『千代尼句集』)
一斉に海に吹かるる芒かな ( 放哉 ) (『尾崎放哉全句集』)
山は暮て野は黄昏の薄哉 ( 蕪村 ) (『蕪村句集』)