2015-01-01から1年間の記事一覧

一輪挿(11)黒釉面取

イヌタデ(別名:アカマンマ) 犬蓼のほえかかるをも摘手哉 ( 重頼 ) (『犬子集』) 高さ:22.3cm

一輪挿(10)練込

石垣や何を種とて草の花 ( 子規 ) (『子規全集(アルス版1』)

一輪挿(9)鉄絵四方

ヒメジョオン 咲くままに只さく儘に野菊哉 ( 句空 ) (『卯辰集 巻第三』) (注)*「卯辰集」は、立花北枝が編纂した俳諧集で1691年刊。 *鶴屋句空( ?-1712)は、加賀蕉門の重鎮。

一輪挿(8)蕪形

木も草もいたむや秋の虫くひば ( 重頼 ) (『犬子集』) (注)*松江重頼(1602-1680)は、江戸時代前期の俳人。 *『犬子集(えのこしゅう』は、重頼編纂による近世最初の俳諧撰集で1633年に刊(ニッポニカより)

一輪挿(7)青磁

ホトケノザ 秋の花みなうつつなし后の月 ( 暁台 ) (『暁台句集』)

一輪挿(6)象嵌志野

アカツメクサ(別名:ムラサキツメクサ・レッドクローバー) ほのかなる草花の香ひを嗅ぎ出そうとする ( 放哉 ) (『放哉全句集〜一燈園時代』2002年2月新装版・春秋社)

一輪挿(5)緑釉刷毛目

嬉しさに淋しくなりぬ草の花 ( 乙二 ) (『松窓乙二発句集』) 高さ:17.6cm

一輪挿(4)白釉線紋

セイヨウタンポポ 艸花をよけて居るや勝角力 ( 一茶 ) (『文化句帖補遺』)

一輪挿(3)緑釉鶴首

ミズヒキとツユクサ 水引や露草やあちこちに挿して壷作りおる ( 井泉水 ) ( 『井泉水近什』日本の詩歌19・昭和44年8月刊・中央公論社) この句は、俳人で陶工である内島北朗を訪ねて詠まれました。 高さ:21.0cm

一輪挿(2)象嵌

折て見たり捨たり道の艸の花 ( 蘭更 ) (『半化坊発句集』) (注)高桑蘭更(1726-1798)は、江戸時代中期・後期の俳人。半化坊は別号。 高さ:20.1cm

一輪挿(1)粉引

散歩中に出逢った秋の草花です。 芭蕉の「笈日記」の中に「 草いろいろおのおの花の手柄かな 」という句がありますが、小さいが立派な花を咲かせている姿は美しいです。 俳句では「草の花」は、秋の季語です。春は「木の花」が季語ですので、この句の花は、…

信楽湯呑

一つの湯呑の尻がどつしりと重たい ( 放哉 ) (『尾崎放哉全句集〜春秋社』)

寸胴花入(8)刷毛目

秋の七草の七つ目は「桔梗」です。万葉集では「アサガオ」となっていますが、この「アサガオ」は「桔梗」であるというのが通説のようです。「江戸俳諧歳時記(加藤郁乎編・平凡社)」をみても「 古くから桔梗は木槿などと等しく朝顔である『擁書漫筆』 」と…

寸胴花入(7)斑縄文

藤袴は藤色した花の形状が、袴に見えることから、この名がついたといわれています。 奈良時代頃に中国から渡来しましたが、野生はほとんど見られなくなってきました。環境省は絶滅危惧種に指定しています。 うつろへる程似た色や藤ばかま ( 北枝 ) 高さ:1…

寸胴花入(6)叩紋

撫子やそのかしこさにうつくしき ( 惟然 ) 高さ:17.6cm・径:8.3cm

寸胴花入(5)朝鮮唐津

初秋に黄色で小さな花を咲かす女郎花、その名の由来は、はっきりしていませんが、小さな愛らしい花を「粟飯」に見立てオミナメシ「女飯」と言ったのが語源と言われています。 「女郎花」という漢字が当てられるようになったのは延喜年間頃と考えられています…

寸胴花入(4)耳付信楽

秋たつやはじめて葛のあちら向 ( 千代尼 ) (『千代尼句集』) 葛の葉をかさねて夢の古ざうし ( 成美 ) (『成美家集〜下之巻』) くずの葉も吹や鳴子のうら表 ( 召波 ) (『春泥発句集』) 高さ22.9cm

寸胴花入(3)胴締朝鮮唐津

「荻」と「芒」を見間違うことがあります。生育場所、生え方、花穂などをよく見れば分かりますが、もっとはっきりと見分けるには、花穂の小花の「芒(のぎ)」の有無を調べます。「のぎ」が有れば「芒」、無ければ「荻」です。「のぎ」とは稲、麦などの実の…

寸胴花入(2)斑唐津

今日20日は「彼岸の入り」です。いつもの散歩道にも、小さな草花に囲まれて彼岸花が咲いていました。 山上憶良が詠んだ「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花」(万葉集巻8第1537番)が「秋の七草」の始まりです。 「萩の花 尾花葛花 なでし…

寸胴花入(1)練込

寸胴とは円筒形の花器の総称で、頭部を水平に切った形です。「寸」は芯を意味する「髄(ずん)」からとも・・、また「筒胴」と書かれたりもします。 この円筒形は、やきものの基本とも言われており、花瓶、茶碗や皿など、この形を経て成形されます、 菊の花…

面取黒壷

黒葡萄天の甘露をうらやまず ( 一茶 ) (『文政句帖』) 高さ:14.7cm

旅枕花入(3)朝鮮唐津

旅衣なす野のいちごこぼしけり ( 乙二 ) (『松窓乙二発句集』) 高さ:16.7cm・径:10.3cm

旅枕花入(2)鼠志野

旅寝してしるや麦にも秋の暮 ( 蓼太 ) (『蓼太句集』) 旅寝して香わろき草の蚊遣哉 ( 去来 ) (『去来発句集』) 山鳥も人をうらやむ旅寝哉 ( 其角 ) (『五元集拾遺』) 高さ:18.0cm・径:9.0cm

旅枕花入(1)焼締

旅枕は、姥口と円筒状の形が特徴で、小型の旅用の枕に見立てて、こう呼ばれている花入れの一種です。 名月や前へまはるや旅まくら ( 丈草 ) (『丈草発句集』) 高さ:20.0cm

破壷

やれ壺におもだか細く咲にけり ( 鬼貫 ) (『鬼貫句選』) 高さ:18.0cm

徳利(19)らっきょう形

松の葉の地に立ちならぶ秋の雨 ( 丈草 ) ( 『丈草発句集』)

徳利(18)細口

「酒仙の歌人」とも称される、酒をこよなく愛した牧水、酒を詠ったものは200首もあるといわれます。 その中から良く知られた名歌を選びました。 白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり ( 牧水 ) (『牧水歌集〜路上〜』岩波文庫) 高さ…

徳利(17)練込

茶入れに「文琳」という丸形の茶入れがあります。徳利にも「文琳」があるかどうか?名づけてみたいです。文琳とは林檎の丸い形に似ていることに由来しており、また林檎の雅称とも言われています。 林檎が日本に渡来したのは、江戸時代以前で「和林檎」と呼ば…

徳利(16)肩衝

肩衝とは「茶入」の形態の一種で、名前の由来は、肩の部分が角ばっていることから来ています。形には「怒肩」「撫肩」などがありますが、次の句の作者は、どんな形の徳利を使っていたのかな。 永き夜を半分酒に遣ひけり ( 太祇 ) (『太祇句選』)

徳利(15)瓢形

老たりな瓢と我が影法師 ( 一茶 ) (『七番日記』岩波文庫) 高さ:17.2cm