2015-01-01から1年間の記事一覧

徳利(14)芋形

芋にもサツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、ヤマイモ、ナガイモ、コンニャクイモなどいろいろあります。普通、芋と言えばサツマイモを言いますが、俳句の季語で「芋」は「里芋」をさし、「サツマイモ」は「甘藷」と言います。 サツマイモが日本に伝わったのは…

油壷

油壷とは、江戸時代に髪油を入れるために使用された小さな壺をいいます。現在は、デザインや色も豊富なガラスやプラスティク製の容器が多く使われています。 陶製の小壷は、ほとんどが一輪挿しなどに使われています。 名もしらぬ小草花咲く野菊かな ( 素堂 …

雫形花入(4)

山彦もぬれん木の間ぞ雪雫 ( 乙二 ) (『松窓句集』) (注)岩間乙二(1756-1823)は、陸前白石の千手院の住職。 高さ:18.9cm

雫形花入(3)

秋たつや一むら雨の雫より ( 蓼太 ) (『蓼太句集』) (注)大島蓼太(1718-1787)は、江戸時代の俳人。 高さ:19.2cm

雫形花入(2)

手折りてはなはだ長し女郎花 ( 太祇 ) (『太祇句選』)

雫形花入(1)

しぐれけり走り入りけり晴れにけり ( 惟然 ) (『俳家奇人談・巻之中』岩波文庫)

徳利(13)白磁

白鳥の酒を吐らん花の山 ( 嵐雪 ) 〜其便(句集)〜 (注)服部嵐雪(1654-1707)は、江戸時代前期の俳諧師で淡路国出身。

陶片(4)

穂は枯て接木の台の芽立けり ( 太祇 ) (『太祇句選』

陶片(3)

岩かげまさしく水が湧いてゐる ( 山頭火 ) (『草木塔〜鉢の子』)

陶片(2)

ひよ鳥よ世の囀りも石の花 ( 鬼貫 ) (『俳諧集〜七車』) (注)上島鬼貫(1661-1738)は、江戸時代中期の俳諧師で摂津伊丹の生まれ。

陶片(1)

私の本棚に「陶片手帳」(川美ゆき編・1962年11月発行・火いろ社)とい本があります。 この本は、やきものの随筆雑誌「火いろ」に掲載された諸先生の随筆をまとめたものです。 陶片を調べると、その作品の歴史や年代、産地(土など)作り方など分かり、そし…

徳利(12)蕪形

茶の花や投入れて行く干かぶら ( 北枝 ) (『北枝発句集』) (注)立花北枝(生年不詳-1718年没)は、加賀小松の生まれ。 高さ:15.1cm

徳利(11)舟形

川面や華火のあとの楫の音 ( 白雄 ) (『しら雄句集』) (注)加舎白雄(1738-1791)は、江戸時代中期の俳人で、江戸深川の生まれ。 高さ:22.1cm

窯変鶴首花入

ゆりの花生ればあちらむきたがる ( 支考 ) (『草刈笛〜渡鳥集』) (注)各務支考(1665-1731)は、江戸時代前期の俳諧師で美濃国生まれ。 蕉門十哲の一人。 高さ:21.9cm

徳利(11)傘型

徳利の呼び名には種々あるようで、特に形状から呼ばれることが多いようです。 あひさしの傘(からかさ)ゆかし花の雨 ( 素牛-俳諧撰集「藤の実」より) (注)素牛は、広瀬惟然の別号 高さ:21.7cm

徳利(10)柑子口

鉄瓶のふちに沈しねむたげに徳利かたむくいざわれも寝む ( 牧水 ) (『牧水歌集』旺文社) *柑子口とは口縁部が丸く膨らんでいる器形をいいます。 柑子は蜜柑の一種で膨らみが蜜柑に似ているところからきています。 このほかに桔梗口、蓮華口、胡桃口など…

象嵌砧手花入

夏の茶花として好まれる鉄線花(テッセン)という花があります。 このテッセンとは、蔓が細く鉄線(針金)のように強靭に巻き付くことから付いた名前です。そして陶磁器などにも、よく描かれます。 原産は中国で、室町時代には渡来していたと言われています…

縄文白磁花入

東京では、8日間連続で猛暑日が続きましたが、 江戸の俳人たちは「暑さ」を、どう詠んだのでしょうか? 「 石も木も眼に光る暑さかな 」 (去来) (『蕉門の人々』岩波文庫) また、こんな句も詠まれています。 「 病で死ぬ人を感ずる暑哉 」 (太祇)・・…

耳付花入(9)絵唐津

涼風や虚空にみちて松の声 ( 鬼貫 ) (『鬼貫句選』) (注)上島鬼貫(1661-1738)は、江戸時代中期の俳諧師で摂津国の生まれ。 高さ:18.3cm

耳付花入(8)藁縄耳

花生けに葉は惘然と散る椿 ( 也有 ) (注)横井也有(1702-1783)は、尾張藩士で俳人。 也有は多才な人で俳諧、儒学、武芸全般に秀でており、その俳文集「鶉衣」は、死後に大田南畝によって出版された。 高さ:18.7cm

耳付花入(7)掛分け

初夏に垣根などに小さな白い花を咲かせる「卯の花」。 卯の花は、空木(うつぎ)の花の別称です。 卯の花と言えば、国宝・志野茶碗「卯花牆」が浮かびますが、唱歌「夏は来ぬ」の「卯の花の匂う垣根に・・」 この歌詞を、ご存じの人は多いでしょう。 小林一茶…

耳付花入(6)自然釉

きる手元ふるひ見えけり花菖蒲 ( 其角 ) (注)宝井其角(1661-1707)は、江戸時代前期の俳諧師。 口径:7.4cm・高さ:21.6cm・重さ:1390g

耳付花入(5)炭化

あはれさに折て持けり花木槿 ( 樗良 ) (注)三浦樗良(1729-1780)江戸時代中期の俳人。三重県志摩鳥羽の出身。 木槿には多数の品種があります。 茶花として良く使われるのが「宗旦木槿」です。

耳付花入(4)細口寸胴

朝がほや宵は莟にたのしませ ( 菊舎尼 ) (注)田上菊舎(1753-1826)は、加賀の千代女と並び称される女流俳人。 加賀の千代女(1703-1775)には 「 朝顔やつるべ取られてもらい水 」 というよく知られた句があります。 高さ:22.9cm

耳付花入(3)信楽焼締

壷に挿して河原撫子かすかなり ( 田村木国 ) (注)田村木国(1889-1964)は、和歌山県出身の俳人、新聞記者。 今年は夏の「全国高校野球大会」は、100年の節目を迎えますが、 その生みの親でもあります。 口径:4.8cm・高さ:18.4cm

耳付花入(2)朝鮮唐津

高さ:23.3cm

耳付花入(1)古伊賀写し

この作品は、16世紀ごろに作られた古伊賀「耳付花生」の写しです。 高さ:21.5cm

耳付胴締信楽壷

門前に市も立花の盛哉 ( 松永貞徳 ) (注)松永貞徳(1571-1654)は、江戸時代前期の俳人。 「立花」とは、生け花様式の1つで、立華とも書きます。花道成立以前から行われていた花、草、木を花瓶に(立てる)形式から、古くは(たてはな)と呼ばれ、室町時…

象嵌胴締壷

紫陽花や白よりいでし浅みどり ( 渡辺水巴 ) (注)渡辺水巴(1882-1946)は、東京出身の俳人。 我が庭の紫陽花。

注口付花入

枯蘆や低う鳥たつ水の上 ( 堀麦水 ) (注)堀麦水(1718-1783)は、江戸時代中期の俳人 高さ:19.7cm