梅雨葵

 先日の台風2号の影響で、関東地方も線状降水帯により集中的な豪雨がありました。大きな被害が発生した地域もあり、線状降水帯という自然の脅威の力を知らされました。

 家の近くの黒須田川にも、その影響が少なからずありました。通常の増水の時は、水流は次第に強くなりますが、線状降水の時には一気に大量の水が襲い、その水の力は、川岸の木々を根こそぎに倒しました。

 その水流の強さは、雑物を流しただけでなく、川底の土砂までも洗い流しました。

 そこに・・川底の土丹層がくっきりと現れました。人工的に削られた跡が、はっきりと見えます。これまでは増水しても、これほどはっきりとは見えませんでした。

 水が一段と澄んで見えます。

 この美しい波紋も・・1週間も経てば、茶色い土砂が溜って見えなくなります。

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 咲き満つる葵の花や梅雨に入る

            子規

 梅雨の時期になると、この「タチアオイ」が天気情報の話題となり、咲き終えると梅雨が明ける頃だと説明されます。そのため「梅雨葵」とも言うそうです。

 この「タチアオイ」を「コケコッコー花」と呼ぶ地域もあるそうです。

 タチアオイには、一重と八重がありますが、一重の花弁は「5弁」からなっています。

 その一つの形が、鶏のトサカに似ているから、そう呼ばれています。

 ほかにも遊歩道には、アジサイノカンゾウなど、梅雨から初夏に向けた花が咲いています。

 この花は「ニッコウキスゲ」に、よく似ていますが「ノカンゾウ」です。

 こちらは「ヤブカンゾウ」です。

 同じ場所に咲いているアジサイの花には、虫が寄って来ないのに、ノカンゾウの花には、白い小さな虫が固まって集まっています。こちらの方が、好みの蜜が多いのでしょうか。

 この白い虫は「キスゲフクレアブラムシ」です。

 私たちにとって梅雨はジメジメして鬱陶しいですが、生き物とっては、暑い夏が来るまでの繁殖時期でもあります。「キマダラカメムシ」は、只今、頑張っています。

 梅雨晴れやところどころに蟻のみち

            子規『子規句集』

 梅雨の短い晴れ間には、鳥たちのこんな風景も、よく見かけます。

 このアオサギは、羽を広げて羽についたダニを取っています。梅雨明けを待たずに早い「虫干し」です。

 キジバトも砂遊びをしながら虫干しです。

 虫干しの虫やぞろぞろ隣から

         一茶『八番日記』

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