全身泥だらけの抜け殻を残して、ニイニイゼミが動き始めました。
樹木に止まると樹皮の模様に溶け込み見えません。ソメイヨシノの幹に止まっていますが、分かりますか。
散歩をしていても、このニイニイゼミの鳴き声が、だんだん大きく聞こえます。
暑い夏は、もうそこまで・・関東地方の梅雨は、いつ明けるのでしょうか。
黒須田川の遊歩道に、この鬱陶しいジメジメした気候の時に、虫たちがよく集まって来る木の葉があります。
以前にも紹介しましたが、ピンク色の大きな花を咲かせる芙蓉の木の葉です。
まだ固い蕾ですが、梅雨が明ける頃には咲き始めるでしょう。
木や草の葉は、虫たちが生活する場でもあり、棲家(巣)でもあります。そして葉には、いろいろな虫たちが集まって来ます。少し無理がありますが、この葉を「巣」に例えて「葉上巣(ハウス)」と名づけてみました。
葉に集まって来るには理由があります。それは花や葉柄にある「蜜腺」から出る蜜を求めてくるのです。
「蜜腺」とは、植物体の表面にあり蜜、すなわち糖を含む液を外に分泌する構造をいいます。蜜腺は「花内蜜腺」と花以外の部分にある「花外蜜腺」があります。
花が咲くまでは、この花外蜜腺の蜜を求めて虫は集まります。芙蓉の葉は大きいのでたくさんの蜜を得ることが出来るのでしょう。
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この1~2ケ月の間に、ハウス(葉上巣)にシェアするためにやって来た虫たちです。
こんな食べ物を持って来る虫も・・
ある時は、こんな大物の訪問があり、驚かされます。
梅雨が明けるまでは、葉の上の温度はそれほど上がらず、小さな虫たちには生活しやすい場所となります。
真夏日になると、葉の上は灼熱の暑さ。この暑さが来るまでに、新しい命の誕生に向けて、虫たちは頑張ります。
これらの虫以外にも、ハウス(葉上巣)にシェアしに来る虫は沢山いました。
小さい虫をカメラに収めるのは難しく、直ぐに逃げられる始末・・
でもよく観察をしてみると、このハウス(葉上巣)には「テントウムシ」が、一番多かったように思います。このハウスの住人はテントウムシ?で、それ以外の虫たちにとっては、ゲストハウスだったのかも・・
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一畠まんまと蜂に住まれけり
一茶『七番日記』
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