先日、息子の長子の「お宮参り」に、諏訪大社下社の秋宮に行ってきました。今にも雨が降りそうな梅雨特有のどんよりとした日でした。
諏訪湖パーキングエリアから見える諏訪大社秋宮の杜は、梅雨雲に覆われていました。
「お諏訪さま」の愛称で親しまれている「諏訪神社」は、全国で25、000社あります。その総本社が「諏訪大社」です。
「お宮参り」は、地域によって少し違いはあるようですが、関東では、生れて30日後に行なわれています。
大社の祭神「建御名方神(タケミナカタノカミ)」は、武勇の神様でもあります。
神楽殿での大きな太鼓の音にも動じることなく眠っていました。
健やかに逞しく成長して欲しいと祈願しました。
日差しは望めませんでしたが、秋宮の新緑の香りと清浄な空気の中で、無事に「お宮参り」を済ませました。
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諏訪大社は「御柱祭」が有名ですが、8月下旬に行われる「御射山祭(みさやままつり)」があります。私は、この祭りを詳しく知りませんでしたが、昔から大祭として知られています。
この「御射山祭」について、一茶が詠んだ句の碑が、秋宮の境内入口の千尋池の傍に建てられています。
「諏訪神社は」一茶の氏神です。一茶は、江戸と信濃・柏原とを結ぶ中山道を何度も通いました。この御射山祭の様子を見たり、聞いたりしたのでしょう。
国中は残らず諏訪の尾花かな
『七番日記』
この秋宮から直線距離にして約2.5km先の山中に御射山社があります。
「御射山祭」とは、8月下旬に神官や氏子が芒の穂を供え、青萱や青芒で葺いた仮小屋(穂屋)を作り、そこで当時は5日間参籠して五穀豊穣、天下泰平を祈りました。
その「御射山祭」や「穂屋」の様子について、一茶は多くの句を詠んでいます。
御射山や一日に出来し神の里
『寛政句帖』
氏子繁昌とふりまはす尾花哉
『八番日記』
キリギリスほやを葺かれて鳴にけり
『七番日記』
諏訪信仰の原点ともいえる神事が残る御射山社にも、一茶の句碑が建てられています。今回は訪ねることが出来ませんでしたが、機会があれば訪ねたいと思います。
(注)「御射山祭」「穂屋」は、俳句では、秋の季語となっています。
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諏訪神社の神紋は「梶の葉紋」で、諏訪大社上社は、根が4本の「諏訪梶の葉」で、下社は、根が五本の「明神梶の葉」です。
「梶の木」は、クワ科の落葉樹で、古くから葉や皮は「神事の際に食材を盛る器」として使われて来た神木です。葉は深い切れ込みによって葉先が分かれ、表面は細かい繊毛が生えています。木の皮は紙の原料となります。
この梶の葉は、文字が書き易く、古来から七夕の夜に、七枚の梶の葉に詩歌などを書いて織女星にたむける風習に使われました。現在、私たちが願いを書いている短冊の前身でもあります。
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デザインされた諏訪大社の神紋とは異なりますが、瓶に梶の葉を陰刻してみました。
梶の葉紋焼締瓶
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