紅葉前線の便りも、山から里へ。
新型コロナも治まりつつあります。紅葉の名所に訪れる人も多くなりそうです。
私の散歩道の黒須田川は、サクラの葉も散り終え淋しくなりました。
川の遊歩道には、紅葉を楽しむ木々もほとんどありません。
でも川面では、こんな秋の景色が展開していました。
水に翻弄される落ち葉。
必死に石にしがみ付く落ち葉。
気ままに流れに乗る落ち葉。
水底でのんびりする落ち葉。
近くの公園や家の庭から吹く飛ばされて来た落ち葉。
水面に、小さな紅葉の世界が生れます。
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夏には、白い小さな花がひっそり咲いていた梅花藻。今は華やかな花が咲いたようです。
沈んだ水底を潤してくれる一枚の赤い葉。
カルガモ夫婦は、豪華な錦秋の絨毯の上で優雅に。
キセキレイは、嘴で葉を持ち上げ、その下の虫を探すのが得意。
カワセミは、葉っぱのお立ち台から獲物を。
川の淀みの掃き溜めにアオサギ。狙いは・・
隣にはコサギが・・葉の下に隠れた小魚を・・
この鳥たちによって、水面の紅葉を惹き立ててくれています。
こんな水面の秋も楽しめます。
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「波紅葉」
いのちを終えた1枚の葉から・・
「波紅葉」という造語を作って、絵画風に仕上げてみました。
近づけば魚に淋しき紅葉哉
一茶『文化三一八写』
谷川の背に冷つくや夕紅葉
一茶『文政句帖』
折々に小滝をなぶる紅葉哉
一茶『文政句帖』
赤いのが先にもだける木の葉哉
一茶『七番日記』
ちる木の葉音致さぬが又寒き
一茶『七番日記』
袖寒き川も聞へて夕紅葉
一茶『文化句帖』
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