春暖

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 鳥の音に咲うともせず梅の花(一茶『嘉永版』)だった工房の梅の木。

 この暖かさで、やっと目を覚ましたようです。

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 朝、雨戸を開けると、花の蜜を求めてメジロが・・

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 その梅の木の下でモズが鳴かずにじっと・・巣立ったばかりの若鳥のようです。

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 モズは生贄と呼ばれる習性があり、残忍でずるい鳥だという印象があります。

 しかし、この可愛いモズが・・

 どうして悪く言われるのでしょうか。

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 モズ(鵙)は、また「百舌鳥」とも書きます。これはモズが、他の鳥の物まねをするから付いた名前だそうです。児童文学作家の国松俊英さんによると「鳥は囀りの中に替え歌を入れて歌う。囀りの替え歌の数が多いほど、縄張りに侵入してくる同種の鳥も少なくなり、メスも魅力を感じて寄ってくる。」それがモズの鳴きまねだという。『鳥のことわざウォッチング』(河出書房新社)より

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 新型コロナ渦で、外出を控えていましたが、久しぶりに笠間の工芸の丘を訪ねました。

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 登り窯の傍の広場では「丘の上古本市」が開催されていました。今年で5回目だそうです。

 丘の上には暖かい春の日差しがいっぱい。多くの家族連れが訪れていました。

 桜も、この暖かさで綻び始めたようです。

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 このイベントは「本とねこのおまつり」だそうです。

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 古書の出店は14~15店ありました。多くは絵本、一般書で、陶芸関係の本は、ほとんど見かけませんでした。

 しかし ロクロでの制作コーナーがあり、「やきものの里・笠間」らしい雰囲気が見られました。

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 ハンドメイドのインテリア小物やアクセサリーなどのお店が目立ちます。

 芝生で春暖の風を浴びて読書する人など・・遠くの山々を眺められる丘の上は、解放感に溢れていました。

 紺碧の大空に、ゆっくりと流れている雲を眺めていると・・

 五輪真弓の歌『時の流れに~鳥になれ~』の歌詞が浮かんできます。

 ・・・

 鳥になれ おおらかに

 つばさをひろげて

 雲になれ 旅人のように

 自由になれ

  『鳥たちの歌』五輪真弓全作品

         (毎日新聞社刊)より

 こんな本を買いました。 動物のものまね芸で知られる四代目江戸家猫八さんの本です。

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 芸を極めるためにバードウォッチングして研鑽されている様子をユーモアたっぷりに書かれたエッセイです。海外の多くの国々に出かけバードウォッチングし、鳴き声を研究されているのには驚きました。最後の章の「ものまね教室~どうして鳥をさえずれるのか」は、素人が挑戦するには参考になるのではないでしょうか。

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 あなかしこ鳥にしらす梅の花

        一茶『化五六句記』

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 10年ほど前に制作した「色絵梅文湯呑」です。

 現在、妻が愛用してくれています。

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