先日、横浜市歴史博物館で開催されている「美術の眼、考古の眼」展を見てきました。
パンフレットによると
『横浜で出土した考古資料をとうしてみる現代美術という「考古の眼」。そして現代美術をとうしてみる考古資料という「美術の眼」』
この2つをキーワードにして、観る人が自由に感じてもらいたい、というのが展覧会の意図です。
縄文土器は、そのデザイン(縄文・渦巻文)に眼が行きがちですが、土味と肌触りを大切にしたいと思います。大地を掘り起こした土を、そのままで作り上げたものには、脆さがあります。その脆さには、土の温もりと生活感が伝わってきます。
現代の作品を眺めてみると、水簸して滑らかな土で、土が堅く締り冷たい肌触りとなり、土の温もりが感じられないように思います。
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この展覧会の関連イベントとして「野焼き」が、近くの大塚・歳勝土遺跡公園で行われていましたので見学しました。
この日は、今年一番の暖かい日で、公園には多くの家族連れ訪れ、子供たちの声が弾んでいました。
もう3月、寒桜というより暖かさに誘われて早咲きか・・
雑木林ではヒヨドリが・・
名前が分からない鳥を見つけました。
モズが・・
突然、モズのけたたましい鳴き声がしました。
この時期の鳴き声は・・
鵙の声かんにん袋破れたか
一茶『七番日記』
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秋の収穫を終えた作物の残渣を焼く野焼きの風景は、懐かしい田園の風物詩の一つでした。今は、大気汚染の原因となるので、自由に植物の残渣を焼くことはできなくなりました。
土器の野焼きは、まだ一部に残されているようです。焼く方法としては、最も原始的な方法です。低火度で焼成するので破損しやすいが、自分の制作した土器を焼き上げる緊張感と楽しみがあり、人気のあるイベントでもあります。
今回のイベントの野焼きは、規模の小さなものでしたが、作家と子供たちの作品が炎の洗礼を受けていました。
焼成は5時間ほど・・
炎と煤で柔らかい雰囲気の色合いで焼成されました。
作品のほとんどが、壺や小さな器が多く、動物を型取った中には、鳥の形をしたものは見かけませんでした。
縄文時代のデータベースの中には、獣類や魚類に比べると鳥類が少ないと言われます。書物では「鳥形把手付鉢型土器」や羽を閉じた鳥の形の土器(儀式用)などを紹介しています。2021/7/8の『羽付き縄文人』で、縄文時代の鳥について触れましたが、鳥の形をした土器は、どれほど作られたのだろうか。
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焼締め作品(登り窯で焼成)
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