野焼き

 先日、横浜市歴史博物館で開催されている「美術の眼、考古の眼」展を見てきました。

f:id:kanamankun:20220227131338j:plain

 パンフレットによると

『横浜で出土した考古資料をとうしてみる現代美術という「考古の眼」。そして現代美術をとうしてみる考古資料という「美術の眼」』

 この2つをキーワードにして、観る人が自由に感じてもらいたい、というのが展覧会の意図です。

 縄文土器は、そのデザイン(縄文・渦巻文)に眼が行きがちですが、土味と肌触りを大切にしたいと思います。大地を掘り起こした土を、そのままで作り上げたものには、脆さがあります。その脆さには、土の温もりと生活感が伝わってきます。

 現代の作品を眺めてみると、水簸して滑らかな土で、土が堅く締り冷たい肌触りとなり、土の温もりが感じられないように思います。

    *

 この展覧会の関連イベントとして「野焼き」が、近くの大塚・歳勝土遺跡公園で行われていましたので見学しました。

f:id:kanamankun:20220227131502j:plain

 この日は、今年一番の暖かい日で、公園には多くの家族連れ訪れ、子供たちの声が弾んでいました。

 もう3月、寒桜というより暖かさに誘われて早咲きか・・

f:id:kanamankun:20220227170937j:plain

 雑木林ではヒヨドリが・・

f:id:kanamankun:20220227131609j:plain

 名前が分からない鳥を見つけました。

f:id:kanamankun:20220227131741j:plain

 モズが・・

f:id:kanamankun:20220227131633j:plain

 突然、モズのけたたましい鳴き声がしました。

 この時期の鳴き声は・・

f:id:kanamankun:20220227131706j:plain

 鵙の声かんにん袋破れたか

        一茶『七番日記』

     *

 秋の収穫を終えた作物の残渣を焼く野焼きの風景は、懐かしい田園の風物詩の一つでした。今は、大気汚染の原因となるので、自由に植物の残渣を焼くことはできなくなりました。

 土器の野焼きは、まだ一部に残されているようです。焼く方法としては、最も原始的な方法です。低火度で焼成するので破損しやすいが、自分の制作した土器を焼き上げる緊張感と楽しみがあり、人気のあるイベントでもあります。

 今回のイベントの野焼きは、規模の小さなものでしたが、作家と子供たちの作品が炎の洗礼を受けていました。

f:id:kanamankun:20220228210932j:plain

f:id:kanamankun:20220228214011j:plain

f:id:kanamankun:20220227131926j:plain

f:id:kanamankun:20220227131953j:plain

 焼成は5時間ほど・・

 炎と煤で柔らかい雰囲気の色合いで焼成されました。

f:id:kanamankun:20220227132046j:plain

f:id:kanamankun:20220227132117j:plain

 作品のほとんどが、壺や小さな器が多く、動物を型取った中には、鳥の形をしたものは見かけませんでした。

 縄文時代のデータベースの中には、獣類や魚類に比べると鳥類が少ないと言われます。書物では「鳥形把手付鉢型土器」や羽を閉じた鳥の形の土器(儀式用)などを紹介しています。2021/7/8の『羽付き縄文人』で、縄文時代の鳥について触れましたが、鳥の形をした土器は、どれほど作られたのだろうか。

     *

 焼締め作品(登り窯で焼成

f:id:kanamankun:20220227132232j:plain

f:id:kanamankun:20220227132247j:plain

f:id:kanamankun:20220227132332j:plain

f:id:kanamankun:20220227132351j:plain

f:id:kanamankun:20220227132412j:plain

     *
     *