今回は、私の本箱から離れて、横浜市の図書館で見つけた鳥に触れた本を紹介します。
2冊とも図鑑ではなく、鳥類学者・中村登流(1931-2007)の書かれた児童を対象にした科学絵本・児童書です。2冊とも発行された年月が古く、書架ではなく書庫に保管されていました。
本に登場する鳥は、私の散歩道・黒須田川で、よく見る鳥たちです。
一冊目は『鳥さんとんで』新日本出版社・1987年2月刊です。
主人公は「エナガ」です。最近、黒須田川でも見かけます。ぬいぐるみのように可愛いい小さな鳥です。最近、鳥の雑誌でも紹介されています。
中村登流は「エナガの生態」に詳しく、身近な雀、鳩ではなくエナガをモデルにして書かれています。鳥はどう飛ぶのか、飛行機との違いは・・。鳥の手(羽)と人間の手との違いなどを図で説明しています。
可愛い小鳥の絵を見ながら、鳥の飛ぶしくみを楽しく理解できる、子供向けの科学的な絵本となっています。
また動物画家で絵本作家の薮内正幸(1940-2000)が描く精細な絵は、実物とそっくりで、本から飛び立ちそうです。2022/1/12のブログ「エナガ」でも紹介しましたが、エナガが作った精巧な巣が裏表紙に描かれています。
2冊目は『鳥のいるけしき~自然を見つめる目』大日本図書・1972年1月刊です。中村登流が文と絵を描いた、こども科学児童書です。
この本では、あまり紹介されない「キセキレイ」が登場します。そのキセキレイのつがいが巣を作っていく様子を観察、その詳細な記録が書かれています。
あとがきには、著者の願いが、こう書かれています。
「鳥の姿や鳥の行動をあくことなく、いつまでもながめつづける・・」この鳥の生活のひとこまから「詩とも科学ともつかない中間地帯をもっと濃いイメージとしてとらえてもらいたいもの」と。
黒須田川に棲息するキセキレイの日頃の様子を観察。
どんな餌を獲って食べているのだろうか。
ほぼ1年間に亘って撮ったものです。
枯葉を運んでいるようですが、枯葉の下にいる小さな虫を探していました。
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水鳥の紅葉かぶって寝たりけり
一茶『七番日記』
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