今日は、私の誕生日です。
80歳となりました。
「29,200日」とは、80歳まで生きてきた日数です。
男性の平均寿命は、81.41歳です。まだその年齢まで達していませんが、健康寿命は超えました。
先日、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、世界文化遺産に登録される見通しとなりました。私も世界文化遺産への登録を支援していましたので、大変に嬉しいです。
その縄文人の平均寿命は、31歳だと言われています。また江戸時代でも30歳代から40歳前半です。
食料、医療技術など生活環境が違うので比較することはできませんが、「80歳」というのは、当時の人から見れば信じられないでしょう。
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昨年、私は心臓の手術をしました。年齢相応の体の変化が来ているようです。
老化が進む中で、歯だけは自分の歯で頑張っています。一番丈夫なのは「歯」かも知れません。
俳句に「歯固め」という新年の季語があります。
『俳句歳時記』角川学芸出版によると室町時代の『世諺問答』に「人は歯をもって命とするゆゑ、歯の字をよはひと訓むなり。」とあるように、「歯固め」は延命長寿を願う儀式であると記されています。
一茶は、歯周病?によるのか、若くして歯が抜けました。
かなり気にしていたようで、歯固めについて数句詠んでいます。
歯固の歯一枚もなかりけり
『八番日記』
またこんな句もあります。
歯が抜けてあなた頼むもあもあみだ
この「あもあみだ」は「阿弥陀仏」のことですが、歯が抜けているために「あもあみだ」としか言えません。それをそのまま句にする一茶。
歯がなくなった淋しさが伝わってきます。
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「歯」という文字を使った「羊歯(歯朶)」という最古の陸上植物があります。歯朶はウラジロとも言われ、「齢(し)足る」と長寿に意味づけをして、正月のしめ飾りに使われています。
2020年9月時点で100歳以上の高齢者は、8万人を超えたそうです。
今年の3月、107歳で亡くなられた美術家の篠田桃紅さんの本『103歳になってわかったこと』(幻冬舎)を読んで、
人は何かに頼って生きたい生き物です。103歳になって、この世で頼れるものは・・全面的に頼れるものはないと書かれています。そして
「・・人は自然の産物です。自然のなかの生き物の一種です」
「自然の一部として生まれてきただけ、と思えば気負いがなくなる。」
そう思えば気楽なものです。と103歳の心境が書かれています。
このような心境になれるのはいつのことだろうか。
次の言葉が、強く印象に残りました。
「歳をとるということは、創造して生きてゆくこと」
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今日、娘と孫から、私の好きなカワセミの本。そして誕生日メッセージと花束で祝ってくれました。
カワセミの寿命は・・2年ほど。7年という記述もあります。
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