いのち(2)

 鬱陶しい梅雨空が続いています。関東地方の梅雨明けは、いつになるのでしょう。

 病気を患ってからは、いつも歩く黒須田川の遊歩道は、リハビリのコースになりました。

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 この遊歩道も雑草が道路を占領し始めました。雨上がりの後などは、この雑草の茂みから、むっとした熱気のある空気に襲われ蒸せることがあります。このような高温多湿となった草の茂みから発生する熱気を「草いきれ」と言われます。

「いきれ」とは、蒸れてほてることで、この言葉は、古くから俳句の季語として使われてきました。

 蕪村の句に草いきれ人死にゐると札の立つ」『蕪村俳句集』があります。

 昔の旅人にとって、この草いきれは耐え難い熱気だったのでしょう。今では「熱中症」になって倒れた人のことかもしれない。

 先日の私の病気も、この蒸し暑く湿度が高い時に、十分な水分を取らなかったことが引き金になりました。

 「草いきれ」は屋外だけでなく、家の中にも入って来たようです。

 「うら窓や頭痛にさわる草いきれ

             一茶『文政句帖』

 一茶が江戸に住んでいた頃でしょう。裏庭の草の熱気が家の中にまで入って来て悩ませたのでしょう。

 現在は、家の周りは草取りや草刈りがされているので、熱気が家の中まで入ってくることはほとんどありません。しかし道路やコンクリートの熱気が入ってくることはあります。

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 艸刈のざくりざくりや五月雨

        一茶『七番日記』

 公園の草刈りも終え、草いきれはなく、涼しい風が吹き抜けて行きます。

 私たちにとっては、雑草は生えていない方がいいのですが、この草叢には多くの生きもの(虫たち)が生息しています。夏場になると葉表と葉裏では、温度が5℃以上も違い、葉裏に逃げて暑さを避けている虫は多くいます。

 知っている虫、知らない虫たち・・

 カメラを向けると面白い動きを見せて逃げる虫、死んだふりをする虫、また小さい体で襲い掛かろうとする虫など・・最後は天敵だと諦めて、見つかり難い葉裏に隠れてしまいます。

 次の写真は、雑草が刈り取られる前に、草叢で生きている虫たちを撮影しました。

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 草叢がなくなると、小さな「いのち」は、天敵に狙わることもあるかも・・その虫たちは、どこへ住みかを移したのだろうか。

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