草花(21)

 いつもの散歩道で、黄色いテントウムシを見つけました。

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 黄色いテントウムシは幸運を呼ぶとか・・?

 新型コロナの感染が、早く収束することを祈りたいです。

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 羽化したばかりのテントウムシは、すぐに飛び立ちヤエムグラの葉に止まりました。これから黒い斑点が現れてきます。

 もう初夏に近い気温の日が続きます。虫たちの動きも活発になっています。

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 春の訪れは、黄色い花から始まると言われますが、黄色い花は、虫たちの眼には反応しやすいからだそうです。

 人にとっても黄色は、明るい春のイメージの色ですが、昔は黄色に対する関心が低かったようで、万葉集巻16の3888には「黄染の屋形」と詠じた表現があります。黄色は、死や葬儀を連想する色と見られていたようで、黄色の美しさを詠じる色ではなかったようです。

 また色の分別において「黄色」は、単独では用いられておらず、「黄」は「赤」の範囲に含まれた色でした。

 黄色の語源についても「黄金(くがね)説」「木説」「生(き)説」など諸説あるようです。

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 道端ではタンポポ、ブタナなどの黄色い花が目立つ中で、こんな花が咲いていました。しかも一か所に群生し、黄色の絨毯のようです。

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 この花は「都草(ミヤコグサ)」といいます。別名「烏帽子」「淀殿草」とも呼ばれています。ムギ類の栽培とともに渡来した史前帰化植物です。

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 一つの花茎に蝶形花を1~3輪咲かせます。

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 2輪

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 3輪

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 この「ミヤコグサ」は、俳句の季語で、いろいろな言葉で表現されています。

 「淀殿草」「烏帽子花」「黄金花」「黄蓮華」「きつねのえんどう」「こがねのめぬき」「みやこばな」「百脈根」「牛角花」「錦都草」など、色、形や言い伝えで呼ばれています。

 例えば「淀殿草」という名は、京の都に多かったために付いたと言われていますが、言い伝えによると、秀吉の愛妾・淀殿が好んだ花で、大阪城の周囲に生えていたことから付いたと言われています。

 この花とよく似た花に「セイヨウミヤコグサ」があります。
 ミヤコグサと混同されやすいですが、その違いは「セイヨウミヤコグサ」は、花序が3~7輪で、茎と葉には毛が生えています。

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 草花の仕廻は五月晴れにけり

             一茶『七番日記』

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 焼き物には「黄土」という材料があります。

「黄土」とは、黄色がかった土で細かい粒子の堆積物です。主な成分は水和酸化鉄です。以前(2020/2/13)に紹介した奥田製陶所の作業場の三和土の色です。

 良く知られている「黄瀬戸」の色は、灰釉に微量の鉄分(「黄土」を調合することも)を調合して黄色を出しています。

 鉄分を含んだ釉薬の材料は、ほかに「鬼板」「弁柄」「黒浜」「酸化鉄」などがあります。

 私は、この黄土を絵付け(錆絵)や、作品全面に施釉したりして使っています。

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 鼠志野茶碗

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 鬼板に少量の黄土を加えて酸化焼成しました。

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