カワセミ春夏秋冬(12)

 あゝ暑し何に口明くばか烏

         一茶『八番日記』

 今年の8月は、例年と異なる猛暑日が続きました。散歩しながら川辺を眺めると水を飲みに集まる鳥たちが目に付きました。水中の餌を獲るカワセミは、この暑さを、どう感じているのだろう。

 今、黒須田川をテリトリーとしているカワセミは2羽です。8月に入ってから、この2羽に出会うことが多いようです。

 最初、2羽は親子だと思っていましたが・・夫婦のようにも見えます。

 2羽は、一緒の方向に飛んだり、別々の方向に飛んだりと・・出会うたびに行動が違っています。

 アスファルト道路の温度は、40℃を超えていますが、水面近くの温度は、それよりも低いでしょう。その涼しい温度?の中で活動するカワセミの様子を観察して見ました。

(観察期間は、2023/8/1-8/31)

 いきなり水音がして・・獲物は草の影にいました。

 お見事!

 数回叩きつけると気絶しちゃった。この技は凄い!

 餌を獲った後は、何回も飛び込んで水浴び、そして毛繕いをします。

 木陰の枝に止まって、ゆっくりと毛繕い・・

 木漏れ日の悪戯でしょうか。羽が宝石のように美しく輝いています。

 時には、こんな風景が・・堰に止まっていたカワセミが、突然、羽を広げ鳴き出しました。何かを見つけたようです。

 その傍を「チッチッ」鳴きながら、もう一羽が通り過ぎて行きました。縄張りへの侵入の威嚇か・・それとも仲間への合図なのか・・

 8月は、突然のスコールが多くありました。その時も、激しい雨にも負けず・・

 濁流になっても・・諦めず狙いを定めます。

 お腹がいっぱいになると・・可愛らしいポーズをしてくれます。

 雀が近寄って来ることもあります。

 夕方近くになると・・2羽が水面に近い石に一緒にいるのをよく見かけます。

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 台風シーズを迎え、増水して氾濫を防ぐために、川岸に生えた大きな木々が伐採されました。鳥たちの動きが、よく見えるようになりました

 しかし、こんな風景は見られなくなりました。

 9月も猛暑が続く予報が出ています。昨日、散歩中に「ツクツクボウシ」が鳴いているのを聴きました。そろそろ秋の気配が・・近くまで来ているのだろうか。

 秋の蝉つくづく寒し寒しとな

         一茶『七番日記』

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