「母の日」に、息子が贈った花に添えられていた小さな球根を、妻が植えて大きく育ちました。
この四つ葉の植物は「オキザリス・アイアンクロス」と言います。また「ラッキークローバー」「四つ葉のクローバー」とも呼ばれています。
「四つ葉のクローバー」は言い伝えによると「幸運をもたらす」とも言われ、人気の花だそうです。
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私たちの身近にも、幸運をもたらしてくれる鳥たちが棲んでいます。その鳥の家族を観察してみました。
最初は、家に巣を作ると繫栄をもたらしてくれるという「つばめの家族」です。
私がよく利用する駅の構内に、今年も戻って来ました。
今参りましたぞ夫婦乙鳥哉
一茶『文政句帖』
四羽の子どもを育てるには、一日に多くの餌を獲ってこなければなりません。
その巣が、突然、何者かに襲われて四羽ともいなくなりました。原因は分かりません。しかし1週間後、再び巣篭りをしていました。
今度は、しっかりと夫婦で外敵を監視しているようです。何事もなく元気に育って欲しいと思います。
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次は黒須田川を元気に飛び回る、夫婦和合を教えたと言われる「ハクセキレイの家族」です。
川面から元気で大きな鳴き声が聞こえます。鳥の縄張り争いか?それとも天敵に襲われたのか?・・
ハクセキレイの親子でした。子どもは鳴きながら採餌しないで、親の後を追っかけています。
やっと餌をもらいましたが・・
餌の量が少なかったのか、もっと欲しがっています。更に鳴きながら追いかけ続けます。
鰯めせめせとや泣子負ひながら
一茶『八番日記』
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次は大家族の「カルガモの家族」です。今年も8羽の子どもたち。元気に自由に動いて餌を獲っています。
水上での動きはとても速く、潜ったりも出来ます。
親は子供たちの動きをよく見ています。特に単独行動をするやんちゃな子には、傍によって離れません。
自然にきちんと並びます。この順番は、誰が決めているのだろう?
餌を漁っていたアオサギが急に飛び立つと、襲って来たのではないかと、激しい鳴き声で威嚇して子どもを守ります。
逃鳥や子をふり返りふり返り
一茶『自筆本』
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「柿生の里」の林ケ池に棲んでいる「カイツブリの家族」です。
3月中ごろに、一人で餌を獲っているのを見つけました。
カイツブリの「キュルルルル」とけたたましく鳴くのは、友を呼ぶ声だろうか。
2週間後には、もう恋人が出来ていました。
そして夫婦で巣作りが始まります。
鳰の巣の一本草をたのみ哉
一茶『七番日記』
無事に結婚式も終わりました。
2週間後に訪れた時には・・
雛が生まれた気配はありません。もしや襲われたのかも?
心配しましたが、カイツブリ夫婦は元気で採餌していました。
カイツブリは、年数回は抱卵するので、新たに巣を作り始めていました。
抱卵は雌雄交代でします。雛の誕生を待ちたいと思います。
この仲の良い夫婦を池の柵の手すりから眺めているのは・・
ハートの模様を背負った「エサキモンキツノカメムシ(江崎黄紋黄角亀虫)」です。
4つの鳥の家族は棲む場所と環境や採食習性など違いますが、外敵から守り巣立ちを助ける親鳥の母性愛や家族愛は人間と少しも変わらないと思います。
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新たに・・「カワセミの家族」が増えました。
カワセミ夫婦、親子かな?遠くから撮影したので判別は出来ません。
雄であれば・・今年誕生したのかも。
何かを教えてもらっているようにも見えます。
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小林一茶は、3歳で母と死別し母の愛を十分知らず育ちました。継母とは平穏な家庭生活は望めませんでした。次の句には、一茶の家族、そして家庭への想い、憧れが強く表現されています。
親と子と三人づれや帰るかり
『八番日記』
三人が枕にしたる青田哉
『七番日記』
蝶見よや親子三人寝てくらす
『八番日記』
50歳の頃には、訪れた上総(千葉県)の海を眺めて、母への想いを詠んでいます。
亡き母や海見る度に見る度に
『七番日記』
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