カワセミ春夏秋冬(8)

 私が住む家の周辺には、大雨に備えていくつかの調整池や遊水池があります。大雨が降らない限り水量はほとんどありません。

 この「美しが丘西の遊水池」は、多くの木々も茂り、いつも少量ですが水があり、沼のようになっています。この広々とした沼地には周辺の鳥たちがたくさん集まって来ています。

 ここには赤い額のバンがよく飛来します。この日も春の陽を浴びて餌を獲るバンを見つけました。

 知らないうちに葦の枯れ枝には、雌のカワセミが止まっていました。

 この遊水池には、何度も来ていますが、今回、初めてカワセミを見つけました。近くの早淵川に棲息しているカワセミだろうか。

 カルガモやバンの餌を漁る様子を見ています。

 突然、目の前の水面に飛び込みました。

 獲物は?魚ではなかったようです。近くの木の枝に止まりましたが、直ぐにどこかに飛び去りました。

 カワセミを見つけてから、その捕獲までは1分もありませんでした。

 足もとに鳥が立也はるの山

       一茶『八番日記』

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 このような姿によく似たポーズをするかわいい動物?

 どこかで見た気がします。

 そうです「ミーアキャット」に、似ていませんか?

 普通、カワセミは木の枝に止まり、餌を狙っている時が多いです。しかし水が濁っている時や夕暮れの時には、水面に近い石に止まり餌を獲ります。

 一般に鳥類の足の指は4本で、前3本と後ろが1本です。この形が基本です。

 しかしカワセミの足は違っています。前3本のうち外側の2本が、ほぼくっ付いたような形になっています。他の鳥たちのように歩くには適していませんが、枝はしっかりと摑まえることができます。

 このような足の形になったのは、巣作りと関係があります。カワセミは、水辺の土手に横穴を掘って巣を作ります。この穴を掘るのに適したスコップのような形となったのでしょう。

 そのせいかカワセミの足は、他の鳥と比べると貧弱に見えます。傾斜がある石の上に立つ時は、尾羽が体を支えています。

 カワセミの歩いている姿を見たことはありませんが、10cmほど横に移動する時は、ぴょんと飛ぶのを見たことがあります。

 今回は、黒須田川の石の上に立っているカワセミの姿を集めました。

 このような姿で立つ時は、周囲を警戒しているように見えます。縄張りの主張か。しかしキョロキョロと見まわしたりはしていません。また餌を探しているようでもありません。餌を狙う時は頭を下げて前かがみになります。

 天敵に狙われやすい、目立つ石の上に立つのは・・

 私は仲間を探したり、他の鳥の鳴き声を聴いているように思いますが・・不思議です。

 苔清水さあ鳩も来よ雀来よ

       一茶『七番日記』

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