新たな1年がスタートしましたが、この1月は、入学試験もあり、合格祈願のために寺社へ参拝する人が増えるのではないでしょうか。
また祈願内容を入れたり、福を呼ぶ祝い事の贈り物でもある「だるま」も広く利用されています。
関東の「だるま市」では、高崎市や深大寺の「だるま市」が有名ですが、私の住んでいる地域にも、毎年1月28日に「神奈川県納めのだるま市」が開かれています。
川崎市下麻生にある「麻生不動院」の「だるま市」に行って来ました。
不動院は、真福寺川に架かる不動橋から眺めると小高い丘の上にあり、白い幟旗が靡き参拝者で賑わっていました。
この日は土曜日で、学生や家族連れが多く、細い参道を人波に押されながら本堂に着きました。
不動院の創建の年代は不明ですが、本尊は不動明王像。火の難から人々を守る「火伏の不動」と呼ばれて親しまれています。
室町時代、村人が木賊が原で木賊を刈っていたら、八寸ほどの木像を発見し、この地に祀ったという伝説から「木賊不動」とも言われています。そのことは『新編武蔵風土記稿』の中にも「不動は長八寸の立像なり」と記述されています。木賊(とくさ)は、ケイ酸を含んでいるので、燃え難く耐火性が強い植物でもあります。
お札の他に火伏の利益があるという穴あき銭「文久銭」のお守りがあります。かって農家では囲炉裏の自在鉤に、この穴あき銭を下げると火難除けになると言われていました。今は無病息災、家内安全を願う人々に人気があるそうです。
『ふるさと川崎の自然と歴史』高橋嘉彦著・玉川新聞社刊によると、「だるま市」は、明治時代に鶴川村(町田市)の露天商が始めたものを、大正時代のはじめに村の青年団が引き継いだそうです。「だるま」は、平塚市で作られた「相州だるま」が中心です。
カラフルな「だるま」も増えていました。
購入するとだるま職人さんが威勢の良い掛け声、そして手拍子と火打石を鳴らして「だるま」に魂を入れてくれます。
参道周辺には多くの露店が並んでいましたが、食べ物の販売が多いようです。一昔前は農機具や植木苗が売られていたそうです。一軒でしたが農作業用の道具を販売されていました。
随処でだるま職人の粋なかけ声が響き渡る長閑な縁日でした。
最近、火事のニュースが多いように思います。改めて防火意識を高めることが大事だと思いつつ、人並みに押されるように不動院を離れました。
その途中で木の枝にコブのようなものを見つけました。
日向ぼこをしている「キジバトだるま」でした。
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芦の葉に達磨もどきの蛙哉『文政句帖』
という小林一茶の句がありますが、木の枝に止まった達磨もどきの「カワセミだるま」を紹介します。
黒須田川では、眼下にカワセミを見ることが多いです。
丸々と太ったカワセミ・・
こんな愛くるしい「カワセミだるま」も・・
立春を過ぎるまでは寒さが続きそうです。黒須田川の鳥たちは、膨羽で寒さを凌ぎます。
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