今年もコロナ禍は続き、行動制限のない第8波の中で1年が終わりそうです。
今日、武州琴平神社に行って茅の輪(年越の祓い)を潜って来ました。
昔、この周辺は王禅寺村と言われ230年ほど前に、この村で不幸な事件が起こりました。
『柿生文化(第24号)』柿生郷土史料館・平成22年6月25日発行の「王禅寺村鉄砲に関する事件始末記」によると、1789年(天明7年)12月、鉄砲をめぐって王禅寺村のある一家が崩壊するという事件が発生しました。この村の百姓の新蔵は道端で拾った鉄砲の不法所持で捉えられますが、たまたまその時に禁漁区域の水鳥(鴨)が2匹殺されていました。不法の鉄砲を所持していた新蔵が捕らえられ取り調べられました。お裁きの結果は、新蔵の屋敷は没収、妻子供は親戚預かりになりました。新蔵は逃亡し発見されなかったそうです。その始末が古文書などに詳細に記録されているそうです。
昔は野生のマガモを食用にしていたので、事件となったカモは「マガモ」だったのでしょう。
現在、主に食用にされているのは「アイガモ」です。アイガモは「アヒル」と「マガモ」の交配でできたカモです。
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現在、この事件の王禅寺付近を水源とする黒須田川には、カルガモ、マガモ、コガモなどが飛来したり、棲家としています。中には「マルガモ」というカモがいるかも知れませんが、見分けがつきません。「マルガモ」とは「マガモ」と「カルガモ」の混血ガモです。
今年は、カルガモの3家族に出会いました。
黒須田川で育ったカルガモが、ここを棲家としているかも・・
夫婦鴨碇おろして遊びけり
一茶『七番日記』
木の陰や葦の中で休んでいることが多いカモたち。
突然に、一羽が追われました。虐め・・いや縄張り争い?
暗い所だったのでよく分かりませんでしたが、写真で気が付きました。追われていたのは「トモエガモ」でした。黒須田川で見るのは初めてです。
「トモエガモ」は、環境省では絶滅危惧種Ⅱ類、神奈川県では希少種となっています。
12月に入ると、黒須田川には、多くの冬鳥が飛来します。木々の葉も散り鳥の姿がよく見えるこの時期の散歩は、冬鳥に遭える愉しみがあります。今年は大群で飛来するツグミやムクドリには、まだ出会っていません。
桜の幹で小さな虫を獲っている・・「ジョービタキ(雌)」・・
遊歩道の手すりまで降りて来て愛嬌を・・
枯枝に隠れて鳴く「アオジ」・・
高い所で鳴いていた「モズ」。こんなに近くに・・
人家の傍にも・・人なっこい鳥です。
冬鳥たちは、季節の流れによって忘れずにやって来ます。
もう蝋梅は新しい年を祝っているようです。
私は年を重ねるとともに、新しい年が来る愉しみが薄れていくように思います。これも自然の流れなのかな・・
正月の待遠しさも昔哉
一茶『文化句帖』
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