カルガモは、川や池などでよく見かける留鳥です。年間を通じて同じ場所で生活している身近な水鳥で、特に目立った特徴はありません。
カルガモは、オスとメスが同じような色をしています。その違いは、色見や大きさで見分けられると言いますが難しいようです。
この特徴がなく、あまり話題にならないカルガモ。
しかし雛が誕生すると一躍話題となります。それが「カルガモの引越」です。
引越する場所によっては、自動車などを止めて道路を渡らせるカルガモ親子の様子がニュースとなります。子ガモのヨチヨチ歩く姿は見る人を和ませてくれます。
引越するのは、天敵を避け、育児に適した環境に引越(移動)をすると言われています。また環境によって引越は、何度でも行われるそうです。
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私が散歩する黒須田川の流域で、今年は2組のカルガモ親子が誕生しました。
1組は、6月上旬頃に黒須田川下流付近で見つけました。その時は、かなり大きく成長していました。
2組目は、5月上旬に上流付近で見つけました。まだ可愛らしい子ガモが12羽でした。
子どもらの披露に歩く雀哉
一茶『七番日記』
子ガモたちは、親ガモと一定の距離をとって行動します。その動きは、とても速いです。
時には単独行動をする子ガモも・・
一斉に餌場に向かって競争したりと・・
親ガモは、早く独り立ちするように見守っています。
カルガモは雑食性です。こんな餌を捕えていました。
親ガモは、周りの動きに敏感です。
首を伸ばして天敵が現れないか監視し、子ガモをしっかりと見守ります。
これは水浴びの姿ですが、時にはこれに似たような動作をして天敵から子ガモたちを守るそうです。この動作を「擬傷」といいます。
(注)「擬傷」とは、動物が傷をついたふりをして敵を騙すことで、保育中の親が人間や捕食獣の注意を自分に惹き付けて子供を守るためにする行為です。
一定の時間、餌を漁ると休憩して眠りに入ります。子ガモたちは寝る時、全員が固まって寝ます。
大勢の子に疲れたり雀哉
一茶『七番日記』
起きれば、親について餌を漁る行動の開始です。
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その子ガモたちが、1ケ月後、こんなに大きく成長しました。
もう親ガモと大きさが、ほとんど変わりません。
餌を漁る行動も親ガモと変わりません。
カワセミは、カルガモたちが漁って、水底にいた生き物が逃げて浮かび上がった所を、逃がさずに捉えます。
川面を鋭い目で狙っているカワセミ。
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今回は、二組のカルガモ家族に遭遇しました。成長してほぼ同じ大きさとなり、どちらが最初に生まれたかは、もう分かりません。この二組の行動を、しばらく観察しましたが、5~6mほどの距離にしか近づきません。
縄張りを意識したのでしょうか。これ以上近づく気配もなく、双方が離れていきました。
黒須田川で育ったカルガモには、引越しがあるのでしょうか。
もともと川で産れたので引越しではなかったかもしれない。
子ガモだけでも24羽います。2~3kmほどの川に、こんなに多くのカルガモが生活することが出来るのだろうか。
これまでに、この川で生活しているカルガモもいます。縄張りもあるかもしれない。
これから近くの川や沼などに引越(移動)することになるのでしょう。
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5月30日に紹介したあざみ野駅構内のツバメに、雛が誕生しました。3羽いるようです。まだ目は開いていませんが、大きな泣き声が聞こえます。
散歩の途中、道路脇の草叢で2羽の雀の子を見つけました。
親雀に続いて巣から飛び出したのでしょう。しかし1~2mほどしか飛べなかったようです。座り込み、哀しい声で親雀を呼んでいました。
家かるや雀も子ども育つ迄
一茶『七番日記』
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