9月20日から26日は「動物愛護週間」です。
「動物愛護管理法」第4条によると
「ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養について関心と理解を深めるようにするため動物愛護週間を設ける」と定められています。
この「動物愛護週間」は、当初は春分の日を中心とした1週間でありましたが、1954年から秋分の日を中心とした1週間に変更されました。そしてこの1週間の真ん中の9月23日は「動物虐待防止の日」として2016年に制定されています。
昨今、ペットの虐待や放棄が社会問題化しています。動物たちとは言葉を介することはできませんが、生き物(動物)の命を大切にし、人間と動物が共に生きていける動物愛護の社会を深めたいと思います。
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先日、ある人の随筆を読んで知った本を読みました。
その本は『ある小さなスズメの記録』クレア・キップス著・梨木果歩<訳>・文春文庫です。
この本は1953年出版され、ヨーロッパやアメリカで大ベストセラーになりました。
内容は、第2次世界大戦中のロンドンの郊外で、足と翼に障碍をもつスズメが老婦人(ピアニスト)に拾われた後、12年間にわたる老婦人とスズメとの心の交流を描いた物語です。物語というよりスズメの生態の記録でもあります。
「スズメ」は、私たちの日常生活の傍にいながら、その生態をあまり知りません。老婦人と小さなスズメの日常の一つ一つの交流の様子が新鮮に感じました。特に印象的に残ったのは、老婦人の弾くピアノの演奏を聴いてスズメが歌を囀ったという。その囀りを、こう表現されています。
「音調は、最上の鳴禽類のもつ明瞭さこそ欠いていたが、高音部の音色には疑う余地のない「美」があった。」
驚きとともにスズメについての見方が少し変わったように思います。
残念ながら日本では、このような飼育は法律上できません。
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この春、散歩していて公園の草叢で、こんな光景に出会いました。
親雀と一緒に飛んで来たのだろう。巣立ったばかりの子雀。怪我はしていないようです。飛べなくなって迷子になったのかも・・
二匹の子雀は、小さな鳴き声で親を呼んでいました。
子雀は千代々々と鳴にけり
『文化句帖』
このままだと猫やカラスなどの天敵に襲われるかもしれない。
心配で、その場を離れることができませんでしたが・・
親雀の鳴き声が聞こえたのか・・ホッピングして金網に止まり、鳴き声の方向に元気に飛んで行きました。
親の声きき知てとぶ雀哉
一茶『文政句帖』
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小林一茶の俳句は、小さい者への愛情を表わした句が多いのが特徴です。
「雀」については100句以上詠んでいます。その代表とも言える「雀の子そこのけそこのけ御馬が通る『八番日記』」は馴染のある句です。
「雀」は、農家にとって稲を食べる嫌われ者とされてきましたが、稲の害虫を食べてくれる益鳥でもあります。しかし雀は、今以上に身近で親しい鳥だったのでしょう。雀と遊ぶ、こんな生活の様子が詠まれています。
掌についつい育つ雀哉
『七番日記』
雀子を遊ばせておく畳哉
『七番日記』
雀子やしばしとまつて小言聞
『七番日記』
雀子やものやる児も口を明
『八番日記』
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黒須田川の遊歩道の金木犀の木に集まった雀。数十羽いるのだろうか。賑やかで少しうるさく感じます。
近くの柿の木で、どんなオシャベリをしているのだろうか・・
でも散歩していて、近くに寄ってくると大変に可愛いです。
愛嬌ある動きと眼差し・・
黒須田川に餌を求めてやって来る雀たちの様子を眺めると・・
水辺では・・
雀子や川の中迄親を呼ぶ
一茶『八番日記』
もう~いいかい?・・
茶の花に隠んぼする雀哉
『七番日記』
ま~だだよ~と・・餌を啄む・・
アスファルトの隙間の虫も・・逃がしはしない。
綺麗好き・・今日も水浴び・・
何を見つけたのか・・コンクリートブロックにしがみつく・・
遊歩道の草叢から・・バッタを・・
もう一人前に・・
一人前はやかせぐ也雀の子
『七番日記』
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