今年は、異常気象でしょうか。2月なのに3月から4月の暖かさが続いています。
先日、関東地方は15日も早く「春一番」が吹きました。
梅の花は見ごろですが、黒須田川の遊歩道の桜は、まだまだ固い蕾です。
石垣の隙間の陽だまりには「すみれ」が咲いているのを見つけました。
小さな草花も、この暖かさに芽吹き始めたのでしょうか。
黒須田川の野鳥たちの餌を啄む動きが活発になりました。
川の流れにも、水の温みが感じられそうです。
優雅な姿で舞う「コサギ」。
しかし餌を捕らえるのは速い。
そこへ「カワウ」が餌を求めて・・
こんな姿で威嚇?・・縄張りの主張・・?
「カワウ」は、最近、黒須田川にも多く現れるようになり、小さな鳥たちはすぐにどこかに逃げていきます。
でも・・コサギとは仲良く並んで・・いました。
こちらは「コガモ」の水中での捕餌の様子。
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「鶺鴒のとゞまり難く走りけり」という虚子の句(高浜虚子集・朝日文庫・昭和7年より)がありますが、長い尾を上下に振りながら動きの速い「ハクセキレイ」。
何とか飛んでいる姿を撮らえることが出来ました。
捕餌ではなく、水浴びかな?
「セキレイ」とは総称の名前で、通常、日本で見ることが出来るのは「セグロセキレイ」「ハクセキレイ」「キセキレイ」の3種類だそうです。
「セキレイ」は、二十四節気七十二候の中では「鶺鴒鳴(せきれいなく)」として9月半ば頃の秋の鳥となっています。俳句でも「鶺鴒」は、秋の季語です。
鶺鴒がふんで流るゝおち穂哉
一茶『七番日記』
今は都市部でもよく見る水鳥の一種ですが、何十年か前までは、北海道や東北だけで繁殖し、秋になると本州にやってくる鳥だったそうです。そのため秋の季語となったのでしょうか。
また「セキレイ」は「国生み」の伝承の一つとして『日本書紀』(一書の五)の中にも記述され、日本神話で最初に登場する生き物です。
「・・夫婦のかためをしようとしたが、その方法を知らなかった。そこに鶺鴒が二羽 飛んで来て、その頭と尾とを動かした。二柱の神はこれを見て、鶺鴒のしわざを学んで、婚姻の道を知ることができた。」(現代語訳・日本書紀・福永武彦訳・河出文庫)
最近、読んだ『鳥の仏教』(中沢新一著・新潮文庫)という本の中にも「鶺鴒」が出てきました。
(注)『鳥の仏教』は、チベットで古くから読み継がれてきた仏教経典です。
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一番ダイナミックで、華やかに見えるのが「カワセミ」の餌の捕り方です。
餌を捕るところを撮えることができました。少し不鮮明な写真で残念です。
その眼力の凄さ、驚きです。
捕った魚は、泥鰌かな?
盗られないように隠れて、一気に飲み込みました。
ホバリングで獲物を狙うこともあります。
確実に捕らえました。
これはカラスの行水です。
カラスは、綺麗好きで翅や嘴についたゴミや汚れを落とすために、水浴びをする習慣があります。
黒須田川の春の訪れも、いつもより早いようです。
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鷺烏雀が水もぬるみけり
一茶『発句題叢』
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花入れ 口径:20.3cm
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