蒼鷺

 暖かくなると、黒須田川には、いろいろな鳥たちがやってきます。 

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 鷺烏雀が水もぬるみけり

        一茶『発句題叢』

    (注)「鷺と烏」は「烏と鷺(うろ)」で、白鷺のことです。f:id:kanamankun:20200403165229j:plain

 先日、 「コサギ」と「カワウ」の中に「アオサギ(青鷺)」を見ました。

 アオサギは、本州にも生息する留鳥です。関東地方では繁殖が増加傾向にあるそうで、黒須田川で見たのは初めてです。 

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 「アオサギ」は、日本で見られるサギの中で一番大きく、全長約90cmあります。

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 翼を広げると160cmを超えます。飛翔する姿は、大変迫力がありました。

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 英名ではグレーヘロン(灰色のサギ)ですが、日本語では「青(アオ)」という字を使います。私は、青より灰色がかった蒼のように感じます。

「蒼鷺」と表現したいと思います。

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 主食は魚ですが、何でも食べるそうです。

 今、捕らえたのはザリガニかな?

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 古代エジプトでは、アオサギは「ベヌウ」という聖なる鳥、神様として扱われました。そしてギリシャ時代なると「フェニックス(不死鳥)」という伝説の鳥になります。

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 日本では『万葉集』に、鷺を詠んだ歌が一首ありました。

「池神の力士舞かも白鷺の桙啄ひ持ち手飛び渡るらむ万葉集3831)」

枕草子』では「鷺は いとみめも見ぐるし まなこえなども・・」と詠まれ、鷺のイメージはよくなかったようです。その後も、怪しい、不気味な存在として扱われています。江戸時代になると「妖怪」の扱いになってしまいます。

 しかし俳句や短歌では、そうではないようです。

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 突然、黒須田川に飛翔してきたアオサギは、餌を漁っていた時間は短かく、どこかに飛んで行ってしまいました。都会の川で餌を漁る・・自然環境の変化によるものでしょうか。

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 アオサギが去ると、いつもの鳥たちの世界に戻りました。この川には、大きな鳥は似合わないようです。

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 梶の白磁耳付花入

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