この花は「ルスカス」と言います。
葉っぱに花が咲いているように見え、不思議な感じがします。
枝が葉っぱの上に変化したもので、本来の葉は退化しているそうです。
葉の表にも裏にも発芽します。
「ルスカス」は、地中海沿岸が原産で、乾燥地帯でも生き延びることが出来るそうです。
わが家では、一ケ月経っても、葉は濃い緑色を保ち、とても長持ちしています。
この黒い実は、日本原産の「花筏」です。昨年の夏、散歩中に見つけました。
春頃には小さな白い花が咲きますが、だんだん黒い実になります。
このような不思議な植物について調べてみると、普段は白い花が水に濡れると透明になる花、葉っぱを水に浸しておくと葉が出る葉(マザーリーク)などがありました。
このような不思議な植物を見ると、小椋佳さんが作詞した『愛燦燦』の歌詞「人生って不思議なものですね」が浮かんできました。
人は、それぞれの人生の中で、何らかの不思議なものを感じられることがあるのではないでしょうか。
一茶は、こんな句を詠んでいます。
斯う活きて居るも不思議ぞ花の陰
この句は『七番日記』の文化7年2月に記されています。
一茶48歳の時、名前は俳句界で広く知られるようになりましたが、生活は不安定で俳諧行脚をして生活をしていました。
一茶の35年以上の江戸での生活は、大きな木の陰ではなく小さな花の陰であったようで、そんな状態でも生きて来られた不思議さを詠んだのでしょう。
その後、一茶は江戸で身を立てることが出来ず、江戸を離れ故郷柏原に帰ります。そして北信濃で俳諧指導をするとともに、念願の遺産問題を解決し50歳で結婚します。
五十年あるも不思議ぞ花の春『七番日記』
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練込一輪挿 高さ:18.0cm
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