先日、千葉県柏市布施の「あけぼの山公園」にある
一茶の俳文碑を訪ねました。
その「あけぼの山公園」に隣接して、関東三弁天のひとつである
東海寺「布施弁天」があります。
この「布施弁天」は、807年弘法大師の作と言われる弁財天像を
ご本尊として開山され、1200年以上の歴史があります。
利根川の雄大な流れと広大な田園風景に囲まれた、この地は
江戸時代末期に著した『利根川図志』赤松宗旦著(岩波文庫)によると
『・・古は湖中の島なりとぞ。弁財天を祀る・・戸頭の渡舟を望み、
曙山の桜楓を眺めて、頗る勝景と称するに足れり』
と風光明媚な景勝地であったと書かれています。
『七番日記』によると、一茶は、文化九年(1811年)二月十二日、
守谷の西林寺からの帰りに、この東海寺(布施の弁財天)を詣でて、
流山に帰っています。
こんなに多い陶器製の灯篭が並んでいるのは大変珍しい。
灯された時は、幻想的な雰囲気となるでしょう。
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「あけぼの山公園」のさくら山には、500本のソメイヨシノが
林立しています。そのさくらの広場の一角に、一茶の俳文碑がありました。
訪れた日は、光る若葉と木漏れ陽が大変に綺麗でした。
碑文の全体は、一茶の直筆を拡大し刻入されています。
この俳文碑は句文集『株番』の中の一部ですが、
飾り気のない生活の雑感と生への悲哀、強大への抵抗、弱小への同情は、
一茶の俳句、俳文の境地と言われています。
最後の一行は、人間の世界にも通じる教訓があるように思います。
米蒔くも罪ぞよ鶏がけ合ぞよ 一茶 (『七番日記』)
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