一週間ほど工房に行かないと、入口付近は蜘蛛の巣だらけです。
家に入るまでに顔にまとわり付き、そのベトベト感は気持ちの良いもの
ではありません。
この蜘蛛は「黄金蜘蛛」と言います。最も広く知られている蜘蛛です。
古来から、朝に蜘蛛を見ると縁起がよく、夜見ると縁起が悪いと言う
風習がありますが、夜であっても縁起がよいとする地域もあるようです。
夜の蜘蛛は、不気味な外見から嫌われやすいですが、人間にとっては、
害虫を食べてくれる益虫です。
黄金蜘蛛について調べていると、黄金蜘蛛を使った遊び(競技)が
あるのを知りました。
それは鹿児島県姶良市加治木町に、400年以上の歴史をもつ
「加治木くも合戦大会」という伝統行事(平成8年・選択無形民俗文化財に指定)です。
黄金蜘蛛同士を戦わせる昆虫相撲という遊びです。
この行事が始められたのは『1592年の文禄・慶長の役で
島津義弘が兵士の士気を高めるため』(ウイキペディアより)だそうです。
翌朝には、獲物を捕らえ、糸でグルグルに巻きつけていました。
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蜘蛛の子はみなちりぢりの身すぎ哉 一茶 (『文政句帖』)
(注)『文政句帖』(文政5年〜8年)は、自筆として最晩年の句帖で、
東松露香(明治〜大正時代の俳人)が明治時代に『九番日記』と呼称しましたが、
その後、昭和3年に『文政句帖』と改名されました。
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