毎年、正月3ケ日以内に「七福神めぐり」をしていましたが、今年は、新型コロナのために密を避けて7日になりました。いつもは参道やお寺の周囲には、赤い幟旗が立てられていましたが、今年は立てられておらず、お寺は静かな佇まいでした。
この「武州稲毛七福神」は、16年前、最初に参拝した七福神で、今年は、すべての福の神を歩いて参拝しようと思っていました。ご開帳されておらず、すべての七福神を拝むことはできませんでしたので、「扁額」に気持ちを込めて参拝しました。
「扁額」とは、お寺の建物や門、鳥居などの高い位置に掲出されている額(看板)のことです。寺社に掲げられる額を「寺額」といいます。この額に書かれている文字は、その建物名、寺号、山号そして院号が多いようです。扁額の文字の書体、彩色仕上げには、創立者の思いが込められています。また著名人が揮毫したりもします。そして扁額そのものが文化財の扱いを受けることもあります。
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川崎市横浜市東部の丘陵地にある七福神。まず小田急線新百合ヶ丘駅から歩きました。
<萬松山潮音寺>福禄寿
<南嶺山香林寺>布袋尊
<萬休山観音寺>恵比寿
院号は「福聚院」と言います。寺額は「輪宝紋(八剣輪宝)」でした。
<稲毛山廣福寺>大黒天
<法言山安立寺>毘沙門天
<清水山盛源寺>弁財天・寿老人
寺額をじっくりと見て、建物や仏像に託した創立者の思いが伝わってきました。意匠は木造で横長の額が多いようです。文字は、金箔押し彫刻(陰刻・浮彫)で、くずし字もなく読みにくいものはありませんでした。
安立寺の伝道掲示板には、こんな言葉が・・
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書賃のみかんみいみい吉書哉
一茶『八番日記』
2018年9月に訪れた時の俳諧寺(一茶俤堂)の墨書の扁額です。
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