赤い月

     
               2018/1/31 21:09頃・横浜市青葉区


 1月31日 午後10時前後から
2015年4月以来、3年ぶりの「皆既月食」となりました。

 皆既食中、月は地球の本影の中に完全に入ります。
しかし月は真っ暗になって見えなくなるのではなく、
「赤銅色」と呼ばれる赤黒い色に見えます。
それは地球の周りには大気があり、太陽光の青い光は
大気をほとんど通過できませんが、
赤い光は弱めながらも大気を通過できます。
 朝日や夕陽が赤く見えるのと同じ理由です。
このかすかな赤い光が月面を照らし、月が赤黒く見えます。

 「月」は、四季折々の自然の風物の中で、
日本人の風雅の心を形成してきましたが、
この皆既月食の理由が解明されていない時は、
赤い月の色が不吉な現象として人々の不安を煽り、
言い伝えや迷信を生んできました。

 子規の句に「月赤し雨乞踊見に行かん」というのがあります。

 また茨城県南部には
将門や古河の月夜を赤く染め」という将門伝説があるそうです。

  
                    2018/1/31 22:18頃・横浜市青葉区

 一茶の俳文集『おらが春』に「名月をとってくれろと泣く子かな(文化10年)
という良く知られた句がありますが、
文化8年8月には、こんな句も詠んでいました。


   赤い月是は誰のじや子ども達    一茶     (『七番日記』)

           *
           *
           *

    
       赤瓶
           *
           *
           *
           *
           *